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トム・フォード期のグッチに学ぶ、90年代のセクシースタイル

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Gucciのトム・フォード時代から学ぶスタイルの数々。

By Ryan White

 

1990年、米国からミラノに移住したトム・フォードは、当時業績不振に陥っていたGucciのデザイナーに加わった。この著名なレザーブランドは、1980年代、大幅に売り上げを落とし、ブランドの全面的な見直しを図っていた。この期間のGucciは、グッチ一族のお家騒動をはじめ、ライターやキーホルダーなどのセカンドラインを発表して自らのイメージを損なうなど、失態を繰り返していた。(もし今のGucciがライターを販売するとしたら、いくらになるだろう?)

当時、トム・フォードは、Perry Ellisのマーク・ジェイコブスのもとで働いていた。その後、Gucciが新たに力を入れ始めた女性の既製服のチーフデザイナーに登用される。イタリアのファッションプレスの大半は、自国の由緒あるブランドに米国人が参入したことを喜ばなかった。しかしフォードは、批評家が間違っていたと証明するかのように、わずか数ヶ月で、店舗のデザインからフレグランスまでを手がけるようになり、1994年には、ブランド全体のクリエイティブディレクターに就任した。

フォードは、初めて手がけた1995年春夏コレクションで、Gucciのイメージを一新し、90年代のファッションに劇的な変化をもたらした。ボタンを外したサテンシャツにベルベットのローライズパンツを合わせ、宝石のような色使いで、斬新かつ魅惑的なセックスアピールを表現した。同時に、Gucciグループ(現ケリング)の新CEOは、ブランドイメージを損なっていたライセンス契約、フランチャイズ、低価格路線をとりやめた。その結果、同ブランドの利益は、1994年から翌年にかけて90%増加。90年代にもっとも人気を博したブランドといっても差し支えないだろう。

Gucciは現在もトップに君臨し続けている。フォードの後を継いだフリーダ・ジャンニーニは、フォード参入前のブランド初期のアイコニックな柄や形をよみがえらせ、一か八かの賭けに出た。その頃には、自身の伝統に立ち返ることができるほど、Gucciの評判は回復していたのだ。フォードの鮮烈な色使いやダークな要素を受け継いだジャンニーニの退任後、アレッサンドロ・ミケーレの時代が到来し、私たちにとって馴染み深い、大胆でデコラティブな現在のスタイルが生まれた。

しかし現在、ミケーレはトム・フォード期へのオマージュを捧げているいっぽう、当時のあからさまなセックスアピールはほぼアーカイブに残るのみで、キッチュでバロック風の要素がメインになっている。キム・カーダシアンもInstagramにアップした、90年代のGucciのビンテージTバック(メトロポリタン美術館に収蔵されるほどアイコニックなアイテム)をはじめ、トム・フォードが活躍したGucci全盛期を振り返り、復活するべきスタイルを紹介する。

靴ひものチョーカー
ケイト・モスが首に巻いた、非実用的で長すぎるレザーの靴ひも。引きずってしまうので、歩行の邪魔になるかもしれない。

多種多様なカットアウト
カットアウトからのぞくゴールドのボディジュエリーはTバックの一部。

マレットヘア
しばしば非難の的になるマレットヘアは、ハイファッションという隔絶された世界には、めったに登場しない。バズカット、ボブ、ボウルカットがもてはやされる業界で、あえてマレットヘアを起用する勇敢なデザイナーは、おそらくフォードだけだろう。では、反体制勢力が台頭する2018年にふさわしいヘアスタイルは何だろう。ニヒルな時代にはニヒルな髪型が必要だ。

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