Fumitoshi Goto

ターゲットがモバイルチェックアウト導入

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ターゲットは1日、モバイルデバイスを携帯したスタッフが売り場で清算を行うモバイルシステムを全店に導入する。その場で手早く清算を行うことで年末商戦時のストレスを解消する。

ターゲットの「スキップ・ザ・ライン(Skip the Line)」チェックアウトはレジに並ばなくても売り場でお客が精算することができるサービスだ。携帯端末をもつスタッフが、クレジットカードでの支払いに対応する。主にブラックフライデーセールなど、混雑する家電売り場で行うという。

一方、競合のウォルマートでも売り場での清算を行うサービスを開始している。「チェックアウト・ウィズ・ミー(Check Out with Me)」では購入したい商品のバーコードを読み取らせた後、クレジットカードを渡して清算するだけ。スタッフが携行するプリンタからペーパー・レシートを受け取り、売り場からレジを通らずそのまま商品をもって帰れる。

ターゲットでは売り場でスタッフがターゲット・コムに注文して顧客宅に届けるサービスも行う。欠品等で探していた商品が店内で見つからなかった場合に対応するもので「マイチェックアウト(myCheckout)」というサービス名で昨年の年末商戦から始めた。

ターゲットはブラックフライデーについても詳細を明かした。ターゲットは今年、ブラックフライデーのドアバスターセールを感謝祭日となる22日の午後5時から開始する。昨年より1時間前倒しし、その日の営業は昨年より1時間遅らせ午前1時までとする。翌日金曜日(23日)からの営業は昨年より1時間遅らせた朝7時からのオープンとなる。

23日の金曜日では50ドル以上の買い物をしてターゲット・アプリのウォレットで決済すると、11月27日~12月8日の有効となる20%オフのクーポンを進呈するサービスも行う。

モバイル決済のウォレットはターゲット・アプリにターゲットの自社カードであるレッドカード(クレジットカード、デビットカード)を登録しておき、アプリに表示したバーコードをレジで読み取ることで決済を行うフィンテック。対象利用者がレッドカードの保有者のみとなっていることで、ウォレットを使用すると自動的に5%引きとなる。またカートウィールの併用も簡単だ。アプリとレジを同期させる1回のスキャニングでカートウィールのクーポン値引きにレッドカードの5%オフ、決済まで完了する。

使い方はターゲット・アプリを起動後、メインメニューからウォレットを選択する。タッチIDもしくは顔認証で本人認証を行ってバーコードを表示させ、レジのスキャナーで読み込ませるだけ。レジと同期することでレッドカードやカートウィールの情報も同期することになる。ターゲットのウォレットは昨年末、ターゲット全店に導入された。

ターゲットではレッドカード所有者がドアバスターセール前日の21日(水曜日)からオンラインセールに参加できるプロモーション「レッドカード・アーリー・アクセス・セール(REDcard Early Access Sale)」も行う。アーリー・アクセス・セールではレッドカードの5%オフに一部の商品は店内で商品を受け取る「オーダー・ピックアップ(Order Pickup)」やカーブサイド・ピックアップ・サービスの「ドライブ・アップ(Drive Up)」の利用も可能。

ドライブ・アップは利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にて店のスタッフから受け取るサービス。通常、利用者は車から降りる必要はなく、注文品はスタッフがトランクに積んでくれる。

ドライブ・アップの使い方はターゲットのアプリを起動後、ドライブ・アップを行う店を選択し、好みの商品を注文する。決済画面で受け取り方法をドライブ・アップに選び、受け取り時間を指定。注文品の準備完了で受け取り通知が届くようになっている。

店に行くときにはチェックインとなる「お店に向かっています(I'm on the way)」をタップする。お店ではドライブ・アップと指定された専用の駐車スペースに車を停め、「到着しました(I'm here)」ボタンをタップすると、スタッフが注文品を持ってきてくれる仕組みだ。

ターゲットでは注文品を車まで運ぶ時間を「2分以内」と謳っている。アプリに表示されたバーコードをスタッフが端末でスキャンすることで受け取り完了となる。なおドライブ・アップの注文品は2日間、保管される。2日以上超えても取りに来ない場合、注文は自動的にキャンセル扱いとなる。ドライブ・アップに手数料やキャンセル・チャージはない。

ターゲットは感謝祭日のドアバスターで目玉となるセール品も発表している。テレビではフィリップス製で50インチ4KスマートTVが250ドル、サムスン50インチ4KスマートTVが330ドル、サムスン55インチ4KスマートTVが400ドル、サムスン65インチ4KスマートTVが800ドルとなり軒並み大型4Kテレビが激安となっている。

トップ画像:ターゲットの「スキップ・ザ・ライン(Skip the Line)」モバイルチェックアウト。この携帯端末をもつスタッフが売り場でクレジットカードでの支払いに対応する。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。2年前のドアバスターセールでは、ターゲットでアイパッドプロ9.7インチ(449ドル)を購入しようとしました。家電売り場ではアップル製品を購入する行列が15人程度でした。「まぁ、すぐに買えるだろう」と思ったら大間違い。当時、行列にはアイフォン7の購入者が多く、通信キャリアと契約しなければならなかったため、時間がかかってしまったのです。店アプリで時間を潰しながら「もう少し待ってみよう」と粘ったのが間違いでした。ずるずると1時間近く待つことになってしまったのです。後藤のような利用者からのクレームが多くターゲットは「スキップ・ザ・ライン(Skip the Line)」を開始するのでしょう。今のお客は待ちません。カーブサイド・ピックアップの「ドライブ・アップ(Drive Up)」や店内で受け取る「オーダー・ピックアップ(Order Pickup)」での利用も増えてきます。レジなどで長い行列を作ることは、商売を行っていないとみなされます。
アメリカ小売業では「行列のできる」はもはや商売繁盛の意味ではなく、商売抑止の意味となってきています。

後藤文俊

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