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大学でファッションを学んで元は取れるのか?

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2018年の現在、大学でファッションを学んで元は取れるのだろうか。

By 1 Granary; translated by Ai Nakayama

人間と他の動物との違いは、想像力だ。人間は自分たちが今暮らす世界よりも、より大きく、より良い世界を想像できる。想像力があるからこそ、私たちは未来に希望をもち、壮大な計画を立て、よりクリエイティブに、より聡明に、よりパワフルに行動することができる。しかし生きていれば、現実と折り合いをつけなければならない。枠の外に出ると、〈ユートピア〉なんてものは映画のなかだけのものだと思い知る。大学卒業後、自分の学んだ分野に直結する仕事に就くのではなく、生きるため、そして夢を追うためにまったく無関係の仕事に就くこともザラにある。

夢と希望にあふれ、目を輝かせているファッションスクールの新入生たちは、誰もが次世代のファッション界を牽引する存在となることを夢見ているはずだ。しかし、卒業制作という名のいちばん苦しい時期を乗り越えたあとは、いったいみんな、どういう生活を送るのだろうか? それを探るため、そして新入生たちの壮大な夢に少々現実味をもたせるために、ここ1年半でセントラル・セント・マーチンズで学位を取得した卒業生たちにシンプルな質問を投げかけた。「今、何してる?」

1. エルネスト・ナランホ/MA ファッション 2018年度卒業
「新しいコレクションを準備してます。幸せです!」

2. エラ・マーシュ/BA ファッションデザイン&プリント 2018年卒業
「今年卒業したばかりです。〈セントラル・セント・マーチンズ〉っていう殻の外に出るのは不思議な気分。ロンドンで仕事を探していますが、今は難しいですね。でも、自分が一体何をしたいのかもわかってないんです。プリントデザイナーとしてフリーランスで働きながら、自分の作品もつくっていく、っていう道を一応考えています」

3. マチルダ・ソダーバーグ/BA ファッション・ウィメンズウェア、2018年度卒業
「今年の秋から、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのウィメンズウェア修士課程が始まりました。そのもっと前に卒業していたので、スウェーデンの地元に帰って老人ホームのスタッフとして働いて、1年のロンドン生活のためにお金を貯めました。私はデザイナーとしてファッション業界で働きたいという想いはなくて、研究というかたちで、あるいはプロジェクトベースでアート活動を行ないながら、ファッションに携われればいいなと思ってます」

4. ステファン・クーク/MA ファッションテキスタイル、2017年度卒業
「現在は、パートナーで、同じくセントラル・セント・マーチンズMA修了生のジェイク・バートとStefan Cookeというブランドを立ち上げて、Fashion Eastの協力のもと、コレクションを発表しています。6月には、2シーズン目となる2019年春夏メンズウェアコレクションを発表しました」

5. エディス・ボローニ/BA ファッションプリント、2018年度卒業
「オレゴンのNikeで働くためのビザ発給を待ってます」

6. ピーター・モヴリン/MA ファッション、2017年度卒業
「私は何かひとつにこだわっているわけじゃなく、全てにオープンです。でも結局、ただ素敵な服やバッグをつくりたいだけ。バッグはすごく重要です。最近Alexander McQueenを辞めて、今はフリーランスで働いています」

7. エド・ブルックス/BA ファッションニットウェア、2018年度卒業
「Inditexでニットウェアデザイナーとして働き始めたばかりです。他のマーチンズ卒業生に比べたら、かなり商業的で、面白味のない道かもしれません。だけどこのオファーをもらったとき、きっと楽しいだろうし、これまでとはまた違った経験を積めるだろう、と私は思いました。理想としては、Paul SmithとかAcne Studiosとか、そういう中規模のブランドで働ければと思ってました。もっと自由に創造性を発揮できるはずなので。でも服っていうのは現実にいるひとびとが着るモノです。私にとってはそれが大事なんです」

8. ガブリエレ・スキューカス/MA ファッション、2018年度卒業
「私のアイテムを取り扱ってくれている店舗からのオーダーに応えるために、今は一生懸命服をつくっています」

9. ジョシュア・ビーティ/MA ファッション、2017年度卒業生
「様々なアーティストやデザイナーとコラボをしたり、展覧会のために自分自身のプロジェクトに取り組んだりしています。あとは講師としても働いています」

10. アミール・コラサニー/MA ファッション、2017年度卒業生
「デザイナーとしてLanvinのディレクターのアシスタントをしています。ウィメンズウェアからアクセサリーまでのプロダクションを管理するためのミーティングに出席したり、フィッティングをしたり、アイデアをまとめたり、リサーチをしたり、3Dドレープなどを手がけています」

11. ハンナ・ダン/BA ファッション・ウィメンズウェア、2018年度卒業生
「今はちょうどバカンス中です。卒業制作ではカスタムプロジェクトに取り組んでました。ゆくゆくは自分のブランドを立ち上げたいです」

12. ロバート・ジョージ・サンダース/MA ファッション、2017年度卒業
「今はマーゲイトにあるターナーギャラリーでの展示会に向けコレクションを準備してます。あとオックスフォードストリートで、ビジュアル・マーチャンダイジングも展開しています。売れ行きがよければうれしいですが、悪ければつらいです」

13. ウェンジュン・チュー/BA ファッションプリント、2018年度卒業
「セントラル・セント・マーチンズを今年の夏に卒業して、今は就職活動中です。アヴァンギャルドなプリントや素材にフォーカスしたプリント/テキスタイルデザイナーになれれば、というのが理想だけど、まだわかりません」

14. ユエチー・チー/BA ファッションニットウェア、2018年度卒業
「今はBA卒業コレクションのテーマをさらに追求したカプセルコレクションを制作しています。未来のクラフツマンシップにフォーカスしたコレクションです。また、ビーズ織りの新技術も開発しています。いずれどこか特別な場で発表して、私の作品に興味をもってくれるひとたちとつながりたいですね」

15. デジレー・レドラー/BA ファッション・ウィメンズウェア、2018年度卒業
「BAウィメンズウェアコースを修了したあとは、一時期、故郷のブライトンに戻ってました。そこでフリーランスでいくつかプロジェクトを手がけました。特に衣装デザインです。ずっとやってみたかったことだったので。今は家で小さなコレクションを制作しようと思っています。その個人的なプロジェクトの資金を稼ぐために、毎週土曜はアルバイトをしています。今の生活には満足してますよ。なんか〈現実〉に戻ってきた感じがします。でもセント・マーチンズ卒業後の人生や、そのリアルな問題に在学中から準備してるひとなんて多分ひとりもいないんじゃないかな」

16. マーシャ・ポポヴァ/BA ファッションプリント、2018年度卒業
「今年10月から、セント・マーチンズで修士課程が始まりました。次の18ヶ月が楽しみです。何が起こるかわからないからこそワクワクします。とにかくつくり続けていくこと、それだけにフォーカスして進んでいきます」

This article originally appeared on i-D UK.

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