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ファッションセンスが良ければ服が売れるのか?

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「一口にファッションと言っても、その専門領域は様々ある」

専門学校の教え子と数年振りに会って、そんな当たり前の事を改めて考えさせられた。

その教え子は現在、インフルエンサー業をしていて、ソーシャルメディアを中心に活動。その中で、かねてからやりたかったブランドの運営を最近始めたという。しかし、アパレルの現場にそう長くいなかったために、わからない事だらけで手探りな状態で運営してるのだとか。話を聞くと、課題としては下記のようなものだ。

・自分たちのコンセプトメイクが正解なのかわからない

・ポップアップショップをやるのに売上目標が立てられない

・仕入れ金額、仕入れの構成を決められない

・ブランドをどう成長させていけばいいのかわからない

売り方としては昨今流行りのD2C的に、ポップアップとECが主要な販売チャネル。在庫を積むのが怖いのもあり、集客に対して在庫量が少なかったのかポップアップでの消化率は良好。機会損失は多かったにせよ、情報が無い中で冷静な判断だったように思う。

彼は元々才能があるのか「集客」に関しては何ら問題がなく、聞いてる限りは「マーケティング」「マーチャンダイジング」に課題があると感じた。しかし、こういう事例は実はとても多いのではないかと推測する。

ソーシャルのフォロワー数だけで売上は作れるのか?

物を売る時に大きな課題として「集客」がある。これがすでに出来ているのだとしたら、物を売るのは飛躍的に楽にはなる。しかし、「物を売る」だけなのと「ブランドを作る」のはまたちょっと違った要素が必要になるし、アパレルのようにSKUが多く、シーズンやトレンドに左右されるものは考えなければならない事が他にもたくさん出てくる。インフルエンサーブランドが中々ブランドを継続できない理由もここにあるのではないかと思っている。

しかし、一方では「ファッションセンスが良い」というイメージだけでブランドが運営できると思われる事もしばしば。必要なスキルセットが全然違うし、「センスが良い」=「売れるスタイリングが組める」「売れるデザインが作れる」もまた違う。現場にいると全くの畑違いの事なのに、外側から見ると皆んな一様に「専門家」に見えるのだから恐ろしい。こんな事を言っている自分も他業界の事を恐らく同様に見ている事だろう。(何を持って「ファッションセンスが良い」かという面倒くさい議論はこの際省く)

市場を見ると、雨後の筍のように増殖中のD2Cブランドだが、ただでさえ消化率の悪いECでマーチャンダイジングを考えずに売上を上げようと思うと「在庫量」と「販促」に偏重し、数年後は在庫の山になってるのではと予測している。昨今は資金調達が容易になってきているのか、そんなブランドでも資金調達は可能らしい。調達額ばかりが踊るメディアの報道を見て、このツケは誰に押し付けられているのかといつも思う。在庫過多の待ち受ける未来には、若者の大好きな「エシカル」「サステナビリティ」は存在しないのだ。

教え子と話をしていて、実は市場で戦っている若い人たちこそ、現在抱えている課題に対するサポートや適切なファッション教育が必要なのではと感じる。(在学中に教え子に現場で使えるスキルを伝えきれていなかった事は講師として恥ずべき事だが)現場こそが最高の教育現場ではあるが、そこで地獄に落ちないような手助けが今後できればと思っている。

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