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ファッション業界の転職市場、2021年振り返りと2022年の展望【事業責任者×マネージャー座談会】

ファッション業界の転職市場、2021年振り返りと2022年の展望【事業責任者×マネージャー座談会】

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クリーデンス

2020年に続き、昨年2021年も激動の1年となりましたが、この2年間は、アパレル・ファッション業界の転職マーケットにどのような変化をもたらしているのでしょうか?
2021年のアパレル・ファッション業界転職マーケットの振り返りと、2022年の展望、そしてこの1年の過ごし方について、クリーデンス事業責任者の河崎と、マネージャーの細野が座談会を行いました。ぜひご覧ください。

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外資・ラグジュアリーブランドの勢いは継続。加えて業績回復・好調な企業を中心に組織強化、増員目的の採用熱が高まっている。

― 2020年のコロナショックから早2年が経ちますが、昨年、2021年の採用マーケットはどんな1年でしたか?

河崎:2020年に始まったコロナ禍以降、もっとも回復が早かった外資ラグジュアリー企業の勢いはさらに高まり、クリーデンスにおける2021年採用人数ランキングのトップ3は、すべて外資ラグジュアリー企業でした。
それ以外では、主に以下のどれかに該当する企業が採用に積極的でした。

  1. コロナ禍以降、伸び続けるスポーツ・アウトドア需要を掴んでいる企業・ブランド。
  2. リユース事業。サステナブルの観点や金額感が消費行動とマッチし、業績向上に合わせて採用も活性化。
  3. アイウェア・服飾雑貨・生活雑貨など、洋服以外のファッション・ライフスタイル事業。
  4. D2CをはじめEC・デジタルマーケティングに強い企業。またはEC・デジタルマーケティングの支援企業。

―いずれも業績アップに伴って採用が積極的になっているのでしょうか?

河崎:組織強化や増員を目的とした採用は増加しています。外資ラグジュアリーブランドでは、新店オープンやリニューアル、増床などに伴って、全国規模の大規模採用に踏み切る企業もあるほどです。
また、数こそ多くないものの、ファッション専門商社やOEM・ODM企業で、デザイナーや生産管理の募集もコンスタントに出ています。クイックに稼働させたいアパレルメーカーによる商社・OEMニーズが追い風になっているようです。

ファッション業界 転職市場

―2021年9月までの求人倍率を見ると、「求人数はコロナ流行以前の状態までほぼ回復した」という数値が出ていましたね。
アパレル・ファッション業界の「転職求人倍率」(2021年7~9月期)を発表 転職求人倍率は上昇し、採用市場は引き続き回復傾向。

河崎:この記事でも多少触れていますが、求人の “数” は戻ったものの、 “中身” までひも解くと、多くの求人が即戦力採用であり、未経験からのチャレンジは狭き門となっています。たとえば販売職やECサイト運営などは、コロナ前は人手不足で「未経験でも実務を通じて覚えていって欲しい」という求人も多数ありましたが、今は即戦力として売上を作れることが重視されています。

―未経験、または経験が浅くてもチャレンジできる求人はまったくなくなってしまったのでしょうか?

河崎:ゼロではありませんが非常に少ないため、必然的に転職難易度は上がっています。経験が浅い中でチャレンジする場合は、自分の強みや売りをしっかり自己分析すること、企業・ブランド研究を行い、自身がどのように貢献できそうかをアピールすることが大切です。

―今の時代において、企業ニーズにマッチする経験や考え方はどのようなものでしょうか?

河崎:大きく2点、ひとつはEC・デジタルに関する感度が高いこと、もうひとつは変化への対応力・柔軟性です。
まず前者ですが、コロナ禍で明暗を分けた企業の傾向に、「EC・デジタル領域での売上」が挙げられます。大規模組織ほど軽やかな軌道修正に苦戦し、対応が後手になった傾向も無視できません。
EC・デジタル担当者のみならず、MDからデザイナー、生産管理、営業、販売とすべての職種で、「お客さまがECサイトでモノを買う」「SNSなどを使って情報収集する」「ネットとリアル店舗での買い物は連動している」ことを意識していくことが重要ですし、今後は必須になっていくでしょう。

―後者の「変化への対応力・柔軟性」はいかがでしょうか?

河崎:モノの価値や消費者行動の変化が、明らかに採用方針にも影響しています。世の中の動きに柔軟に対応していくためには、決まった枠組みで与えられた仕事をするのではなく、既定路線や固定概念にとらわれず、顧客ファーストで動いていくことが求められます。
たとえば新規事業の立ち上げ・インフルエンサーを活用したブランド運営・スモールブランドでの経験・既存ビジネスのEC連動などで実績を出してきたような方々は、日々変化の中で柔軟に判断し、行動に移し、成果を出すことに長けているため、企業ニーズが高く、引く手あまたの方も多いですね。

―大手アパレルがD2Cブランドを立ち上げる、商社が自社ブランドを立ち上げEC販売をスタートするなど、新事業のためのメンバー募集の求人も多く見られました。

河崎:まさに「デジタル感度」と「変化への柔軟性」ですね。2022年も、この傾向はより高まるでしょう。
なお、コロナ以前は「売上数十億円以上のブランド経験」など、規模を求める企業が多くありました。このことからも、コロナ前後で求められるものが大きく変わったことが分かると思います。

ファッション業界 転職市場

会社に依存しないキャリアを模索する人が増加。会社を探す「就社」ではなく、スキルを身に付け活かしていくための「就職」への変化とは。

―次に、2021年に転職活動を行っていた方々のお話を伺います。傾向として、2021年はどんな年だったと言えるでしょうか?

細野:2年前の2020年は、倒産、ブランド閉鎖、解雇、給与未払いなど、やむない離職に伴い、生活するために仕事を探す方が非常に多くいらっしゃいました。幸いにも2021年はそうしたご相談はほぼなくなり、仕事内容や働きかた、働く環境などにおいて、改めて自分がどうありたいのかを考え、それを叶えるための転職に変わってきています。

―オフィスワークの場合はリモートワークなど、働きかたにも大きな変化が生まれました。

細野:働きかたの選択肢が広がったことで、自分の仕事と今後の生活・人生をより充実させるには、どんな仕事に就いてどんな働きかたをしたいのか?と考える方が増えました。
コロナ前も「残業を減らしたい」「年収を上げたい」など、就業環境や条件の改善を望むご相談は多かったですが、より未来のことまで考えを及ばせたり、時代の変化に自分がどんな強みを発揮できるのかを考えたりする傾向は、今までになかった変化だと思います。

―コロナが与える影響は、この先のことを考えるきっかけになりましたよね。

細野:会社に依存せず、どこでも通用するスキルを身に付けたいという方が増えているのは良いことだと思います!これまでは “会社” を探す、いわゆる「就社(転社)」の意味合いが強かった転職ですが、どういうスキル(=職)を身に付け、活かしていきたいか?という、本来の意味での「就職(転職)」になってきているのを感じます。

―デザイナーなど、専門職を中心に業務委託のご相談が増えたのも、そうした背景があるのでしょうか?

細野:そうですね。フリーランスの方が案件を増やしたいというご相談や、ご自身のブランドを運営しながら稼ぎを得るための案件を探しているというご相談は本当に増えました。その中には、コロナ禍をきっかけにフリーランスになった方もいらっしゃいます。

―こういった「働きかたのニーズ」の多様化に対して、企業の受け入れ態勢は十分にあるのでしょうか?

細野:一例ですが、
・遠方にお住いで通勤が難しく、フルリモートが認められたケース
・正社員求人だったが、企業評価が高く、ご本人希望の業務委託に切り替えて契約にいたったケース
・フルタイム求人だったが、面接を通じて評価が上がり、時短での採用にいたったケース
など、企業が柔軟に受け入れた事例は増えてきています。
とはいえ、求職者側のニーズのほうがまだまだ圧倒的に多いのが現状です。柔軟な対応を期待する上では、企業から「(条件を変えてでも)この人と一緒に働きたい!」と思わせることも重要です。

河崎:「転職者の受け入れ」とは異なりますが、社員に対するエンゲージメント(モチベーションの高い状態)を高めるための環境づくりやトレーニングなどを重視する企業が増えています。採用・育成コストを鑑みて離職率を減らしていきたいという観点はもちろんあるでしょうが、より活き活きとやりがいを持って働くことが、社員一人ひとりにとっても、企業にとっても成長につながる、という考えがスタンダードになりつつあります。

―ご自身の働きたい姿を叶えるにあたり、そうした企業の取り組みまで調べてみると可能性が広がるかもしれませんね。

細野:この企業だったら自分らしくチャレンジできそう、成長できそう、と思える企業の見極めはとても大切です。転職に成功している方の共通点はまさにそこで、単に強みや志を伝えるだけでなく、その内容に共感し合える企業と出会えるかどうかもポイントです。
逆に、叶えたい環境や条件面「のみ」で転職活動を行うと、苦戦してしまうかもしれません。もし転職できたとしても、どこかで「思ったような仕事ができない」「こんなはずじゃなかった」となるリスクは高まると思います。

―年収や就業環境の希望が叶っても、肝心の仕事内容や社風が合わず、早期退職にいたるケースは少なくありません。

細野:そうならないためにも、どんな仕事にやりがいを感じるのか?これまでのスキルや経験を活かして、これからどんなことをしたいか?を考え、言語化することが大切ですね。

2022年は“失った2年間を取り戻す”ための採用ニーズが高まると予測。今まで以上に仕事への「意思」を持つことが大切な時代に。

―2021年も新型コロナウイルスの影響が色濃い1年となりましたが、2020年と比べると前進感はありました。この2年を経て、2022年はどのような1年になると捉えていますか?

河崎:2022年は多くの企業にとって、さらなるチャレンジの年になるでしょう。その一方で、20~21年と採用規模を縮小したことから人材不足が深刻な企業も多く、全職種で2021年以上に採用ニーズが高まるのではないかと思います。
ただ、そのニーズが2023年以降もずっと続くとは限りません。2022年に採用ニーズが高まるならば、それはあくまで失った2年を取り戻すための “特需” 的なものであり、翌年以降、また “必要に応じた採用” に戻る企業は多いと捉えています。

―転職や今後のキャリアについて考えている方は、今年動けばチャンスが増えるかもしれない?!

河崎:求人が増えると、それだけ選択肢が増えるということなので、少しでも転職の可能性を考えている方は、情報収集から動き出してみることをおすすめします。

―1年前の座談会で、「2021年は、EC事業の拡大や、DX化への本格的な着手が見られるだろう」という話がありました。現状はいかがでしょうか?

河崎:デジタル・IT領域における採用背景は、大きく以下4つに分類できると考えます。

  1. 売上に直結するEC事業の成長
  2. 主にものづくり(MD~生産管理)領域における効率・省人化
  3. 管理・基幹システムのアップデート・拡充
  4. より高度なデジタル事業(例:AIなど)

河崎:この1~2年でもっとも進んだのは、1.EC事業の成長でしょう。アパレル・ファッション業界全体のEC化率は10%強から20%前後まで大きく伸びました。今後は成熟期に入り、重要度・緊急度という意味ではやや落ち着きそうです。
2~4.については、この2年で本格的に着手できた企業はそう多くはなかったかもしれません。しかし今後、新たなチャレンジのために重要度を上げ、着手し始める企業は増えるでのではないでしょうか。
このような背景から、ウェブ・EC、そしてIT系の職種は今後も継続的に出てくると考えています。

ファッション業界 転職市場

―2022年は転職のチャンスが増えるかも!という予測のもと、転職をお考えの方は、どのような心構えが必要でしょうか?

細野:スキル・経験の備わった即戦力が求められる傾向はおそらく2022年も変わりません。加えて、仕事に対する思いや意思を面接で重点的に問う企業が今後さらに増えてくるでしょう。コロナ禍という大変な局面を全員で乗り越えて、さらに良いブランド・サービスにしていくためには、単にマンパワー・戦力としてだけでなく、1人ひとりの社員がどうありたくて、自社で何を実現したいのか、という「意思」がより重要だからです。それが、採用においても、前述の「社員のエンゲージメントを高める取り組み」にも表れていると感じます。

―仕事に対する意思を持つことと、その意思を伝える力が必要だということですね。

河崎:特にここ半年~1年は、「やりたいことや将来のビジョンが不明確」「どんなスキルを当社で活かしたいと考えているのか伝わらなかった」という理由でお見送りになってしまうケースが圧倒的に増えています。
商品やサービスを通じてお客さま(消費者や取引先)の期待に応えていくためには、“お客さまの期待” と “自分の強み・今後伸ばしたいもの” をリンクさせる力が必要です。
企業もこの2年間でそれを強く実感し、面接における意思の具体化がより重視されるているのでしょう。

細野:業界・職種を問わず、「この企業に勤めていれば安泰」という時代ではなくなりました。力強く、しなやかに生き抜いていくためには、転職する・しないに関わらず、ご自身の「こうありたい」という意思を持つことが、より大切な時代になっています。
繰り返しになりますが、まず世の中の変化に敏感であること。そして「何のために働いているか」「自分が自分らしくいるためにゆずれない軸は何か」を改めて考えてみてください。そのために必要な経験や身に付けないといけないスキルは何かを洗い出し、具体的な目標に落とし込んで、一つひとつ積み上げていくことが大切です。
今後もコロナ禍のような予想外の事態は起こり得ますが、柔軟に受け止めながら意志ある行動を重ねていけば、ご自身の強みは確実に磨かれていくはずです。

―自分の意思を再確認し、具体的に行動に移すためには、どのように考えていくと良いでしょうか?

河崎:より分かりやすくお伝えできればと、年代別にまとめてみました。
人それぞれ置かれている状況は異なりますので、一つの指針として参考にしていただければと思います。

20~30代前半
多くの方にとって、心から夢中になれるものが何かを見極める期間です。先入観を持ちすぎて、今後の可能性を狭めてしまうのはもったいないので、ご自身の仕事内容や役割を軽やかに変えてみることも大事な経験です。それによって結果的に「変化することを恐れない力」「仕事と仕事を繋げる力」などが身に付き、職種スキルだけでなく、本質的な社会人のスキルも上がっていくでしょう。
30代中後半
家族ができる方も多く、生き方やキャリアを今現在の「点」ではなく、この先も含めた「線」で考えるタイミングです。そんな方々におすすめしたいのは、転職の是非に関わらず、職務経歴書を作成することです。これまで歩んできた道を整理して書き出してみることで、たくさんの気付きが得られ、「この先どうしていきたいか」を考えやすくなります。第三者に壁打ちしてもらうとなおよし。職務経歴書はこちらにサンプルを取り揃えていますので、ぜひ挑戦してみてください。
40~50代
ご自身が決めた道を磨きこんでいくフェーズです。また、磨きこんだものをどこで発揮するも大切です。ある50代の方は、歳を重ねるとともに、「好きなこと」に打ち込む人生を送りたいという思いが高まり、長年のアパレルでの経験を活かして大好きなゴルフメーカーで手腕をふるっていらっしゃいます。仕事だけでなく、人生において何を大事にしたいかを考え、夢中になれるものを仕事にすることの強さを感じました。

―この1年の過ごし方が将来に与える影響の大きさを、改めて感じさせられました。

河崎:年代や状況などによってアプローチ方法の違いはあれど、「先入観を持たず、チャレンジし続けていく」ことの大切さは変わりません。2022年は始まったばかりです!どんな1年にしたいか、ぜひヒントにしてみていただけると幸いです。

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