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「コレクションに自由な解釈を」デザイナー橋本祐樹 × スタイリスト稲垣友斗が対談

「コレクションに自由な解釈を」デザイナー橋本祐樹 × スタイリスト稲垣友斗が対談

クリエイティブプラットフォーム
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今回<YUKI HASHIMOTO>がこれまでに発表してきたアイテムにスタイリングで新しい息吹を吹き込んだルックの撮影にあたり、<YUKI HASHIMOTO>が好きで自身もよくリースをするというスタイリスト稲垣友斗氏を迎えた。
デザイナー橋本祐樹氏と、デザイナーとして、スタイリストとして、異なる視点からそれぞれのファッションの過去「原体験」やコレクションの価値について対談を行なった。

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Profile

橋本 祐樹
YUKI HASHIMOTO デザイナー
1987年生まれ。京都造形芸術大学を卒業後、2011年にアントワープ王立アカデミーに進学し、学士課程修了後パリ、アントワープにてデザインアシスタントとして経験を積む。その後、ブランド立ち上げを見据えブランド創りの基礎を再度学ぶため修士課程へ進学。2018年自身のブランド、YUKI HASHIMOTOを立ち上げ。

稲垣 友斗
スタイリスト
1988年生まれ、大阪府出身。スタイリスト森田晃嘉に師事、独立。現在はTRON managementに所属し、雑誌や広告など幅広く活躍している。

(左から)YUKI HASHIMOTOデザイナー橋本祐樹、スタイリスト稲垣友斗

アーカイブを等身大のバランスで表現

稲垣:僕は<YUKIHASHIMOTO>のコレクションを1番初めから見させていただいて、ルックの完成度がすごく高いと感じていました。スタイリングやモデル選び、作り込まれたロケーション、とてもモードな雰囲気を感じていたんです。

デビューコレクションとなった2019年春夏コレクション。テーマは「BAD DAY CAMP」。10代の青年たちが持つ不安定なエネルギーを解放させるイメージを表現した。

稲垣:モードな雰囲気はとてもかっこいいし個人的にも好きですが、多くの場合ブランドが表現したいルックは、一般の方にとって距離を感じてしまうこともあるのかなと思っています。ならば今回は服を買う側が想像しやすいルックを作りたいと考えたんです。なのでモデルは日本人の平均的な170cmで、華奢な子を選び、表情もふとした瞬間の笑顔や変わった動きをしてもらったりと人間味のある写真を撮ってもらい、一般の方でも親近感を持ってもらえるような雰囲気を心がけました。

初のショー形式での発表となった2021年春夏コレクション。コレクションタイトルは「BLACK INTELLIGENCE」。アーティストのオラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)から影響を受け、「スペースリアリティ」というテーマのもと「宇宙での活動服」をイメージしたコレクションを制作した。

本企画で撮影したルック。テクニカルなジャケットをあえてハーフパンツと合わせることで、どこかリアルで可愛らしい印象をプラスした。

橋本:すごく新鮮に感じました。特にセットアップを同じ色と生地で整えたくなっちゃうんですが、ジャケットに長いブーツを合わせるスタイルや、下をショーツにしたり、色違いで合わせていたりして自分にはない発想だなと。作り手としては新しくコレクションを作っているとき、シーズンテーマに沿ったアイテムやグラフィックでコレクションを構成しているので、ルックのスタイリングが良くも悪くもテーマから外れることがないんです。だけど購入してくださっているお客さんはそこを意識してないし、もっと自由ですもんね。

稲垣:そうなんです。最近は新作だとか、トレンドだとかに重きを置かず自分が着たいように着る傾向にあるんじゃないかと思っています。街を歩いている若者を見ると、ヒップホップよりのストリートは終わって綺麗に着こなすモードな雰囲気が多いと感じていたんですが、よく観察しているとスラックスの裾が地面に擦るくらい溜めて履いている人がいて、僕にはない発想で面白いなと。僕だったらパンツは必ず丈に裾上げして心地いいバランスにしますが、綺麗に魅せられるスラックスなのに野暮ったく着こなす方が若者にとってより身近なんじゃないかと思い、今回は<YUKI HASHIMOTO>のパンツ丈を裾上げせずそのままにして野暮ったく履いてもらいました。

パンツは裾上げせずに野暮ったく履かせることで今のムードを演出。

橋本:その面白さってSNSの影響があると思いますね。昔は雑誌しかなかったから着こなしのルールがあってそれを真似したり、全身同じブランドの新作でそろえる人が多かったけど、今は情報が山ほどあるからスタイルの選択肢もいっぱいあるんだと思います。だから既存のルールに乗っかるよりも自己流で古着や雰囲気の違う他のブランドと混ぜることが主流ですよね。稲垣さんがおっしゃったように綺麗なアイテムを綺麗に着こなすんじゃなくて、それぞれが着たいように着るのが今のテンションなんでしょうね。

YUKI HASHIMOTOを象徴するアイテム「ジャケット」

稲垣:ジャケット・シャツ・スラックスのコーデが好きで他のブランドからもよく借りるんですが、僕は橋本さんが作るジャケットが特に好きです。モダンでありながらいろんなギミックが効いていて着まわしができる遊び要素も持っていて、スタイリング組むのがすごく楽しいです。これが一番スタイリング組むのが早かったですね。

真っ先に組んだというジャケットとベストを合わせたルック

橋本:「ジャケットが好きです」って言ってもらえたのはすごく嬉しいですね。僕はオーダーメイドと同じくらいのクオリティと生地にこだわってジャケットを作ってます。コレクションを作るときはジャケットが一番時間がかかるんです。例えば、ジャケットのラペル(下襟)だけでも、ピークドラペル(タキシードなどのドレス風)かノッチドラペル(ビジネススーツなどのフォーマル風)で全く変わってきますし、シングルなのかダブルなのか、ウエストがくびれているのか真っ直ぐなのか、それによってアメリカンなのかイタリアンなのかとスタイルも変わってくるので一つ一つを決めていく作業なんです。

稲垣:ジャケット一つですごくエネルギーを使いますね。

橋本:ジャケットを作っているみなさんもそうだと思いますが、僕の場合は特に重きを置いてますね。ジャケットが決まったらパンツはワイドにするかストレートにするか靴はどんなものか。とりわけジャケットスタイルにはルールがあるので、則るか外すかでまた違ったコレクションにもなります。シンプルに見えますがデザインを決める要素がたくさんあるので伝わってよかったです。

ピュアな青春時代に影響を受けたもの

稲垣:僕は兄の影響もあって<VANS>や<Dickies>から入ったんですが、面白いと思ったのはマルジェラですね。だけど世代が違うので、リアルタイムで衝撃を受けたのは2000年代の<Dior Homme>でした。

橋本:僕はスポーツをやっていたのでファッションの入りは遅かったですが、稲垣さんと同じ当時の<Dior Homme>ですね。エディスリマンのコレクションはかっこいいと思いました。今思い出すと2000年当初、ハイブランドが発表していたコレクションでメンズはテーラードジャケットが多かったですよね。今の<BALENCIAGA>みたいにパーカーとかMA-Iとかは少なかった印象です。

稲垣:確かにジャケットスタイルが主流でしたね。阪急メンズ館ができたときテーラードで埋め尽くされてましたね(笑)

橋本:そうですよね。目をつぶって触ったら、ほとんどテーラードジャケットみたいな(笑)でもそれくらい多かったです。僕がジャケットにこだわるのは、その影響もあったのかなと今になって思います。エディスリマンの<Dior Homme>2006年のコレクションは、全ルックがジャケットのシーズンで今でも覚えています。

※エディスリマンは筋肉質な男性が美しいとされていた時代に細身のメンズモデルを起用し”男らしくない”というマイナスイメージを払拭した。彼のコレクションはファッション業界にとってセンセーショナルだった。現在は定番になっているメンズスキニーパンツや細身のライダースも彼の作品。故カールラガーフェルドもエディに影響を受けスキニーパンツを履く為に痩せたという有名な話もある。

今回の撮影を振り返ってみて

稲垣:僕はスタイリングを組むとき、一度全て自分で着て確かめてるんです。僕は髪が長くて背丈もあって痩せ型、この雰囲気に似合うものを考えると中性的なスタイリングがしっくりきます。なので柔らかくて繊細そうな雰囲気やジェンダーフリーを感じさせるものが多いです。いつもだと肩やウエストなど体のラインを強調したり、靴下やパンツの丈には特にこだわっていますが、今回の企画では僕にはない要素を取り入れているので挑戦的なスタイリングになりました。

橋本:ブランドとしてシーズンの違うアイテムを合わせる提案ができないので面白い企画だなと感じました。アーカイブをごちゃ混ぜにするってことは、僕がシーズンごとに決めたテーマや情報を入れずフラットにアイテムを見てもらえるし、こんな機会って滅多にない。当たり前ですが、毎シーズン半年間かけて作っているので、シーズンが終わってもアイテム一つ一つの価値は変わらないと僕は思っています。なので改めて稲垣さんにスタイリングしていただきよかったです。

YUKI HASHIMOTOのコレクションはこちらから

Text : Keita Tokunaga

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