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映画「そして僕は途方に暮れる」に出演 香里奈が追求したリアリティのある芝居

映画「そして僕は途方に暮れる」に出演 香里奈が追求したリアリティのある芝居

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香里奈 – 逃げたいからこそ、強くいる

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つらいとき、うまくいかないとき、どうすればいいんだろう?
映画『そして僕は途方に暮れる』に出演した香里奈へのインタビュー。

そのときにしか生まれないものがつながって作品になる

ー 映画『そして僕は途方に暮れる』では、藤ヶ谷太輔さん演じる主人公、菅原裕一の姉の香という役どころでした。台本を読んで、彼女をどのような人間として捉えていきましたか?

私は三姉妹の末っ子なので、自分の姉が怒っている様子を思い出したり、周囲に弟や姉の人がいたら聞いてみたりしながら、自分なりに姉と弟という関係性を想像してみました。

― ご自身や周囲の経験を参考にしたんですね。

香ってすごい無表情で怖いじゃないですか。

― ちょっと怖かったです(笑)。

女の人が怒るときって結構無表情で、そこが怖かったり。そういうところを意識しました。

― しっかりもので、弟への当たりが強めでしたね。

出演時間の9割ぐらい怒ってます、私。気の強そうな女性の役が多いので、また怒ってるなって思われるかもしれないんですけど(笑)。

でもこの映画の良いところってみんな完璧じゃなく、どこかしら欠陥を持っているところで。香も仕事はできるけどプライベートじゃダメダメみたいなところは、共感できるなと思いながら演じていました。

― 家族の空気が膠着したときに、それを壊すのも香で、物語を進めるためにもなくてはならない存在だと感じました。

そういう役目は、末っ子はやりたがらないんですよね。お姉ちゃんという存在が、仕切ってくれる。

― 三浦大輔監督からは、どのような演出が?

家族の会話って本当にこんな感じだよねという、リアリティやフラットさをより求められました。観ている人に伝わりやすいように表情や言い方を意識するのでなく、ボソっと文句を言ったり、なにかやりながら話したり。

ー 本作に限らず、香里奈さんがお芝居をするうえで大切にしていることがあれば教えていただきたいです。

作品にもよりますけど、三浦監督が求めていたように、本当にそこにいそうな、本当にこういうふうにしゃべるよねと思えるキャラクターを意識していることが多いかもしれません。

あとは私、人間観察が好きなんです。1人でご飯を食べに行ったときや、電車やバスでの移動中に、いろんな人を見るのがおもしろくて。あのときこういう人がいたなというのを思い出して反映することもあります。

― 人間観察はリアリティにもつながりそうですね。演じることは、楽しいですか?

演じていて楽しいというよりは、自分がこうやったのに対して、相手の役者さんがこういうふうに返してくるんだという驚きのような部分に楽しさがあるように感じます。

― コミュニケーションがあるうえで、楽しさを見いだせる。

そうですね。自分1人じゃなにもできないですし、相手の出方によってセリフの言い方も変わってくる。そのときにしか生まれないものがつながって作品になるという過程が好きなんだろうなって。

― 香里奈さんがお芝居を始められて20年以上経ちます。

早いですよね。

― いまでもお芝居で興奮する瞬間はありますか?

私の場合は最初のテイクで直感的に良いものができたって思うことが多いですね。あとは長セリフのシーンとか大変だけど、みんなが頑張ってつないでいって良いものが撮れたときは達成感があります。

とことん落ち込むだけ落ち込んだら、もう上がるしかない

― 本作はキャストがすごく豪華ですが、主役の藤ヶ谷さんが本当にダメな弟・裕一を演じきり、皆から責められることで、作品に芯が通っているように感じました。香里奈さんから見て、藤ヶ谷さんはどういう俳優でしょうか?

太ちゃん(藤ヶ谷太輔)はKis-My-Ft2のデビュー前から知っていて、「美咲ナンバーワン!!」(2011)というドラマで一緒だったんです。私が先生役で、太ちゃんが生徒役。それから何作か一緒にやってから、今回が久しぶりの共演で。20代前半で尖ってた太ちゃんも気づいたら30超えて、良い大人じゃないですか。あれから10年ぐらい経って、いろんな経験を積んで、人間らしさがすごく出ているなと。だから裕一のダメさも愛嬌も出せているんだろうなと思いました。

― 人間味があるというか、自分にもそういう部分があるなと気づかせるような演技ですよね。香里奈さんは、しっかりとした芯のある女性というイメージがあるんですけど、裕一のように逃げ出したい気持ちになることもありますか?

しょっちゅうあります。できるならずっと逃げたいです(笑)。だからこそ、強くいなきゃいけないんだというのがあるのかもしれないです。

― 自分自身を鼓舞しているような?

そうです。

― たとえばどういうことから逃げ出したいですか?

朝起きるのが嫌だとか、いろんな締め切りに追われるのも苦手だとか。裕一の気持ちがわかります。

― 夏休みの宿題は……?

最終日にやります(笑)。最初にちょっとやるけど、残りは最後に。

― 9月1日はロスタイムで。

そうですね(笑)。

― 裕一は家族、恋人、友人など、人間関係に苦しめられますが、だれもが多少なりとも悩まされることですよね。人と人がうまくやっていくために、必要なものってなんだと思いますか?

あまり溜め込まないことでしょうか。仕事でもプライベートでも、自分の意見を伝えるのはすごく大事なことだなって。意見を言うのと、わがままなのは、紙一重だから難しいけど、自分はこう思ってるってことは相手に伝えないとわからないことが多いから。

― 伝えるって、なかなか勇気がいることでもあります。

だからもう嫌われても良いやってつもりで。ただ私の場合はにっこり笑っていても、言い方が強いので良くないなって思います(笑)。あとで後悔することもあるんですけど。

― そうやって悩んだり行き詰まったりしたときに、本作ではある言葉が裕一を奮い立たせてくれます。香里奈さんには、自分を後押ししてくれるものってありますか?

私、犬を飼ってるんですね。自分がいくら落ち込んでても、怒ってても、犬って変わらない感情で来てくれるじゃないですか。そういう愛情を受け取ったり、トイレやご飯のお世話をしたり、そのおかげで気が紛れるんです。

あとはとことん落ち込むだけ落ち込むこと。家で1人で飲んで、寝て、ひたすらダラダラして動かない。そうすれば、あとは必然的にお腹も空くし、お風呂も入らなきゃいけないし、やらなきゃいけないことが出てくるので、あとは登っていくしかないなっていう切り替え方をしています。

― 状況が後押ししてくれることもありますよね、きっと。

そうですね。

― 完成した作品をご覧になった感想と、これからご覧になるかたにメッセージをお願いします。

台本を読んだときはちょっと暗いお話なのかなという印象だったんですけど、映画を観たら結構ポップで、笑える要素も多々あって、前向きになれる映画だなって思いました。

いろんなキャラクターがいるので、観てくれたかたそれぞれがきっと共感できる部分があるのではないでしょうか。こんなにダメなやつが頑張って生きている姿を観て、きっと自分も生きていける、やっていけると思わせてくれるような映画です。気を楽にして観ていただきたいですね。

― 最後に、香里奈さんの2023年の目標を伺えますか?

占いによると、いろいろ欲張って良い年ということなので、仕事だけじゃなくて、いろんなやったことがない経験を積める年になったら良いなと思います。

Profile _ 香里奈(かりな)
1984年2月21日生まれ、愛知県出身。モデル・女優として活躍。初主演を務めた『深呼吸の必要』(04/篠原哲雄監督)で第14回日本映画批評家大賞 新人賞を受賞。主な映画出演作は、『天国の本屋~恋火』(04/篠原哲雄監督)、『海猿』シリーズ(04~10/羽住英一郎監督)、『パレード』(10/行定勲監督)、『あしたのジョー』(11/曽利文彦監督)、『うさぎドロップ』(11/SABU監督) 、『ガール』(12/深川栄洋監督)、『おもいで写眞』(21/熊澤尚人監督)など。また、NTVドラマ「真犯人フラグ」(21~22)で木幡由実役を演じ話題を集めた。
Instagram

Information
映画『そして僕は途方に暮れる』
2023年1月13日(金)公開
出演:藤ヶ谷太輔、前田敦子、中尾明慶、毎熊克哉、野村周平/香里奈、原田美枝子/豊川悦司
脚本・監督:三浦大輔
映画『そして僕は途方に暮れる』公式サイト

©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会

Photography : Eri Morikawa
Styling : Takashi Yamamoto(style³)
Hair&Make-up : Atsushi Takatori(SPEC)
Art Director : Kazuaki Hayashi(QUI)
Text&Edit : Yusuke Takayama(QUI)

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