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繊研plus北海道観光の名所の一つに札幌市のクラーク博士の銅像がある。明治の初期、近代農業の指導者を育成するため、札幌農学校(現北海道大学)の初代教頭として米国から赴任した。後進に大きな影響を与え「北海道開拓の父」と呼ばれ、現在は北海道大学構内だけでなく、羊ヶ丘展望台にも銅像が設置されている。
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博士が教え子に伝えた「ボーイズ ビー アンビシャス」(青年よ、大志を抱け)という言葉は有名。最近、当欄に昔の話を取り上げる時は、若い人たちに「知ってる?」と確認しているが、この言葉は20代の同僚も「教科書で習いました」とのことだった。
記者も中学生だった頃、先生がクラーク博士のもう一つの言葉を紹介してくれた。博士が来日した頃、札幌農学校には数多くの規則があったらしい。分厚い規則集を見た博士は、「こんなものは必要ない。大事なのは『ビー ジェントルマン』(紳士たれ)だけだ」と言い放ったという。
ビジネス環境が厳しさを増してきたからか、企業の不祥事が相次ぐ。日本を代表する大企業でさえ、世を騒がす。恐らく社内には膨大な規則、厳格な管理体制があったはずである。マニュアルや規則などを整備することは大事だが、その根底にある社会の一員としての自覚が欠けては意味がない。改めて「紳士たれ」という言葉をかみしめたいものである。
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