ドライファイバーテクノロジーで解繊した繊維を50%使用したコットンの糸(試作)
セイコーエプソンは2月5日、繊維を解きほぐす独自のドライファイバーテクノロジーを応用し、香港に拠点を構える香港繊維アパレル研究開発センター(The Hong Kong Research Institute of Textiles and Apparel、以下HKRITA)と共同で衣料品から繊維を再生する技術の開発に取り組むと発表した。
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セイコーエプソンは、紙のリサイクルから生まれた独自の技術を応用して、反毛機を使用した従来の再生繊維の生産方法では解きほぐせなかった強撚糸素材や伸縮性混紡素にも対応できる技術の確立を進めていく。
強撚糸素材はシャツやシーツに、伸縮性混紡素は機能性の高い衣料品に使用され、アパレル製品では一般的に広く採用されている素材だ。また、現在は糸に再生するためにバージン材を加える必要があるが、将来的には繊維再生率100%を目指すという。
アパレル業界は、サステナブルが大々的に叫ばれる一方で、作りすぎや売れ残りによる商品の大量廃棄という課題を抱えている。さらに欧州連合(EU)では、2025年からアパレル業者が売れ残った衣料品を廃棄することを禁じており、大量廃棄問題は日本のみならず世界的にも喫緊の課題だ。
セイコーエプソンはこうした課題の解決に向けて大きく動き出している。セイコーエプソンの再生繊維がアパレル業界に広く普及すれば、環境負荷の低減に大きな貢献となる。
今回、再生繊維技術の開発に共同で取り組むHKRITAは、2006年に設立され、繊維およびアパレル産業をサポートするための応用研究に取り組んでいる。スウェーデンのファストファッション大手「H&M(エイチ&エム)」が資金協力するなど、その技術開発力は世界的に高く評価されている。
セイコーエプソンは、早ければ2025年にも再生繊維の事業をスタートするとしている。セイコーエプソンの技術力もまた世界的に高く評価されており、HKRITAとの取り組みには大いに期待したい。
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