渋谷109、ファッションに特化したポップアップスペースを初オープン　ECで人気の20代女性向けブランドなど誘致

FASHION

ポップアップスペース「Limited POP UP BRIDGE.」のイメージ

Image by: SHIBUYA109渋谷店

　SHIBUYA109エンタテイメントが、「SHIBUYA109渋谷店」の1階にファッションに特化したポップアップスペース「リミテッドポップアップブリッジドット（Limted POP UP BRIDGE.）」を3月24日にオープンする。同店1階へのポップアップスペースの開設は、1979年の開業以来初の試みとなる。

　リミテッドポップアップブリッジドットは、ポップアップストアを出店する際のハードルを最大限低くしながらも、訴求力に優れた環境を完備することで、出店者側と施設側双方の成長や発展を目指す戦略的なポップアップスペースとして展開。「ブランドとお客様との架け橋になりたい」「ブランドファンの期待を超えたい」という思いを込めた「BRIDGE.」というネーミングのもと、EC限定で展開しているD2Cブランドなどのリアル店舗での出店・販売を積極的にサポートするほか、SHIBUYA109 lab.や施設運営で培ったZ世代へのマーケティングのノウハウも提供予定だという。

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　同スペースは、現在「M･A･C（メイクアップアートコスメティックス）」が位置する区画に配置。1階正面入口から文化村通り入口に抜ける通路に隣接した通行量も多く視認性のある場所に位置しているほか、文化村通りに面したショーウィンドウや店内サイネージも完備するなど、館内告知媒体と併せて多くの来館者への訴求ができる点を強みとしている。また、店内には大理石調のウォールをはじめ、商品をより良く見せるための高級感のあるデザイン什器を導入するとともに、フィッティングやストックスペース、レジ、ハンガーといった備品類も用意し、出店ブランド側の労力やコストを最小限に抑えることを目指す。

　出店ブランドは、「ものづくりにこだわりを持ち、ブランドコンセプトが確立されている20代女性をターゲットとしたブランド」「未だリアル店舗がなくEC限定で活躍しているD2Cブランド」などを主軸に、SHIBUYA109独自の基準により選定。出店実績や話題性、成長性、希少性といった定量的側面と、コンセプトの明確さや感度の高さ、ものづくりやデザインに力を入れているプロダクトアウト型かといった定性的側面から分析を行い、それらを点数化した上で基準を満たしたブランドを誘致するという。第1弾は3月23日から31日まで、双子のディレクター「ふみあみ」が手掛けるブランド「ジュメロ（Jumelle）」を、第2弾は4月3日から14日まで、解放感のあるストレスフリーなワードローブで大人のためのコンテンポラリースタイルを提案するブランド「ミエット（miette）」の展開を予定している。

第1弾の「ジュメロ（Jumelle）」

Image by: SHIBUYA109渋谷店

第2弾の「ミエット（miette）」

Image by: SHIBUYA109渋谷店

　開業以来初となるファッションに特化したポップアップスペースの設立について、同店運営事業部リーシング部ディレクターの三角淳氏は「SHIBUYA109渋谷店は『ファッションビル』としてスタートし、これまでファッションカルチャー発信の一端を担ってきた。今回このスペースの設立によって改めて『ファッション』という原点に回帰し、館のファッション感度を上げていくとともに、『Around 20』と言われる10代後半〜20代前半のお客様が多い中で、20代の方に魅力的に映り、10代の方にも憧れられるような場所を目指していきたい」とコメント。同スペースにはアウトレット催事や季節催事などは入れず、あくまでファッションや感度の高さにこだわって運営していくという。

　運営事業部店舗運営部兼リーシング部リーダーの敦賀美紀氏は、「まずはこの場所を長期的に続けていくことが大切だと思っているので、出店ブランドにしっかりフィードバックをいただくことで、より多様なブランドが出店しやすい環境づくりを追求していきたい」と同スペースの展望について言及。同じブランドの複数回の出店や、ポップアップを経ての本出店など、ブランド側との長期的な関係性構築を目指すとしている。

　今年で45周年を迎えるSHIBUYA109渋谷店では、2024年2月上旬から4月下旬にかけて大規模なリニューアルを実施。同ポップアップスペースのオープンに加えて、新規出店の7店舗を含む計19店舗のリニューアルオープンを予定しているといい、2023年春に実施した18店舗の改装と合わせて館内の約3分の1が一新する。同店総支配人の丸山康太氏は、「Z世代についての継続的なリサーチの結果、今の若者はファッションと同じくらい推し活を楽しみたいという気持ちを強く持っている。そのため、ファッションやクリエイティブの感度を高めていくとともに、中長期的にはファッションとエンタメの両軸を融合するような取り組みを行っていきたい」と館全体の今後の方向性を示した。