フランス発のグローバルスポーツブランド「デカトロン(Decathlon)」が、「スポーツの素晴らしさを通じて人を感動させる」というコンセプトのもと、新戦略を発表した。傘下ブランドのカテゴリー整理とロゴの刷新といった2軸で、グローバルでの存在感を強める狙いだ。
デカトロンは1976年の創業以来、全世界60ヶ国以上で1715店舗を展開するスポーツブランド。スポーツの種別ごとにオリジナルブランドを立ち上げ、高機能かつシンプルなアイテムを低価格で提供している。日本でも2019年から兵庫・西宮に、2020年から千葉・幕張にそれぞれ直営店を構えていたが、「日本でのブランド価値の向上と販路拡大」を理由として2022年に全店を閉店。以降、公式オンラインストアでの販売のほか、楽天市場と大型スポーツ専門店「ゼビオ(XEBIO)」への卸売を通じて国内ビジネスを展開してきた。
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Image by: FASHIONSNAP
新戦略「傘下ブランドのカテゴリー整理」では、これまでデカトロンの中に存在していた80のブランドを、「Quechua(マウンテン)」「Tribord(ウォーター&ウィンド)」「Rockrider(アウトドアサイクリング)」「Domyos(フィットネス)」「Kuikma(ラケット)」「Kipsta(チームスポーツ)」「Caperlan(野生動物)」「Btwin(アーバングライダー&モビリティ)」「Inesis(ターゲット)」といった9部門にカテゴライズ。デカトロンジャポンのニコラ・ロック(Nicolas Roques)CEOは「ブランドが細分化しすぎて消費者視点で分かりづらくなっていると感じたので、一度整理してシンプルにするのが狙いだ」と語る。
また、デカトロンブランドのなかでも特に専門性とポテンシャルがあると判断した「Van Rysel」「Simond」「Kiprun」「Solognac」といった4ブランドを「エキスパートブランド」と位置付け、デカトロンから独立させる。「デカトロンのブランドロゴを外すことで、既存の顧客以外にも届けていく」(ニコラCEO)ことを目的とし、将来的にはデカトロンと関わりのない店舗への卸売も視野に入れる。
このほか、新戦略発表のタイミングをもって、デカトロンのブランドロゴを刷新。これまでのシンプルなアルファベット表記の前に「オービット」と呼ばれる記号を追加した。ニコラCEO曰く「オービットはデカトロンの新たな高みへの野心と、持続可能な循環性を表している」という。
ニコラCEOは、国内の直営店再出店については「考えていない」と否定したものの、日本をアメリカと並んで重要なマーケットと位置付けており、今後はゼビオに続く新たな卸売パートナーを模索する方針。具体的な売上目標などは設定していないが、「日本には『モンベル(mont-bell)』や『アシックス(asics)』などブランド運営の参考になるブランドが多いので、それらのブランドをベンチマークしつつ、マーケットを分析して売上拡大に繋げていきたい」と話した。
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