セブン&アイ・ホールディングスが、同社子会社でセブン&アイグループのデジタル戦略を担うセブン&アイ・ネットメディアが保有する通信販売大手のニッセンホールディングスの発行済全株式を売却すると発表した。譲渡先は医療関係者向けに通信販売などを行う歯愛メディカルで、譲渡価格は41億円。7月1日に株式譲渡が実行される予定だ。
セブン&アイグループは2014年にTOB(株式公開買い付け)と第三者割当増資によりニッセンホールディングスの株式を過半数取得して買収。セブン&アイ・ホールディングスの孫会社、セブン&アイ・ネットメディアの子会社となったが赤字が続き、セブン&アイグループはセブン&アイ・ネットメディアを通じて2016年11月に完全子会社化し、ニッセンホールディングスは上場廃止となった。
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セブン&アイグループは、「セブン-イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革命を主導する『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」をグループ像に掲げ、これに伴いイトーヨーカ堂ではアパレル事業から撤退する方針を決定。また、これまでに高級セレクトショップ「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」を日本で展開するバーニーズジャパンや、百貨店のそごう・西武、スポーツショップを運営するオッシュマンズ・ジャパンなどを手放すなどポートフォリオの整理を行ってきた。今回のニッセンホールディングスの売却も経営方針に沿った抜本的な事業ポートフォリオ変革の一環とし、歯愛メディカルがニッセンホールディングスにとってのベストパートナーとして譲渡を決断したという。
ニッセンホールディングスの2024 年2月期の連結実績は、売上高395億7100万円(前期比96.3%)、営業利益2億1100万円(同59.9%)、純利益1億1500万円(前期は純損失600万円)。直近3年間は債務超過に陥っているが、譲渡実行日の前日までに、セブン&アイ・ネットメディアによるニッセンホールディングスの第三者割当増資を引き受けることで、ニッセンホールディングスにおけるグループ内貸付の全額返済および、債務超過の解消が見込まれるという。
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