コレクション

　デザイナー伊澤直子が手掛ける「ペイエン（PEIEN）」の2024年春夏コレクション。

PEIEN

2024 Spring Summer

　デザイナー伊澤直子が手掛ける「ペイエン（PEIEN）」の2023年秋冬コレクション。

2023 Autumn Winter

　「ペイエン（PEIEN）」が「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 S/S」で発表した2023年春夏コレクション。

2023 Spring Summer

ポスト

　1日目のフェティコ（FETICO）に触発されて、フェティッシュを女性が女性のために再構築したらどんな表現になるのか、ということをなんとなく、ずっと考えていたらおもしろくなってきた。　日本人の中には秘すれば花という美意識があるが、フェティッシュには、隠していたものを暴力的に引き摺り出すとか、剥ぎ取るというニュアンスがある。そこに私は嫌悪を感じるのだけど、逆にフェティッシュに美を感じる人は、合法的でないからこそ惹かれるのだろう。まあ、その辺の深層心理は各人にお任せするとして、FETICOで興味を持ったところは、肌が露出することが、剥ぎ取られることでなく、女性自身の解放としての露出だったことだ。記者会見でのデザイナーの明快な受け答えにもそれを感じた。「女性の身体が好きなのです」。なんというストレートな表現だろう。かつての日本のファッションデザイナーたちが、西欧人の身体と日本人の身体とを比較して、コンプレックスをどうやって克服するかに腐心して新しいデザインを考えた時代はもうすっかり終わったのかもしれない。　というのも、フェティコに限らず、今シーズン、2日目の「ペイエン（PEIEN）」、「フミエ タナカ（FUMIE＝TANAKA）」のコレクションにも、露出度の高い「フェティッシュ」なデザインは登場していて、フェティコほどの中心テーマではないにせよ、共に女性デザイナーならではのこだわりを感じた。前回の恵比寿ガーデンプレイスで開催したショーに引き続き、新人の域を超えた密度の濃いコレクションを発表したFUMIE TANAKA(今年度の毎日ファッション大賞新人賞資生堂奨励賞を受賞)が、デザインの様々なバリエーションの中にフェティッシュな表現を潜ませる（それも慎重に）のはともかく、興味を惹かれたのは、中国生まれのデザイナー伊澤直子のペイエンだ。北京服装学院でグラフィックデザインを学んだ後、文化ファッション大学院大学でファッションデザインを学んでいる。ショーではなく、映像での参加だ。　グレート・ギャツビーにインスピレーションを得たという自然の中での映像も、添付されたルックの画像も、暗く、儚い。でも、作品の中心をなすニットには、儚い美しさと新しさを感じる。このところ、女性デザイナーを意識的に観察したことはなかったが、女性たちがセクシャルな表現を発信し始めた現象は、とても気になる。・新しさを探りあてる vol.1 FETICO

Mariko Nishitani

新しさを探りあてる vol.2 PEIEN

ニュース

　ペイエンは、2016年にブランドをスタート。「単に強い・可愛い・綺麗な女性を表すだけではなく儚さや少し毒のある女性を表現できる服、そして周りに流されることなく個々の自由を表現できるdaily wearの提案」をコンセプトに創作活動を続けており、これまでの展示会ベースの発表とは違った方法で新作を発表したいと考え、今回「Rakuten Fashion Week TOKYO」への参加を決めた。　インスタレーションが行われたのはプラダ青山店横の建物の地下。会場には、明るさを抑えた空間に新作を身に纏ったモデルが直立し、宙を見つめて微動だにしないため、一見すると精巧なマネキンかと錯覚するほど。いくつかの小部屋に分かれており、小部屋を覗くとモデルのほかに妖しいライトに照らされた服やアトリエ空間をそのまま持ってきたかのようなデザインの着想源となった資料などを展示。自身のファッション観を服だけでなく空間も用いて表現したいとの想いから、モデルが闊歩するランウェイ形式ではなく、観客自身が見て回るインスタレーション形式を採用した。　コレクションは、ショルダーを分解し裏地や芯地が露わになったジャケットやコートなど、ペイエンらしい既存のデザインを解体、再構築したアイテムのほか、ニットや布帛をフェイクレザーやエナメルと切り替えたアイテムをラインナップ。部屋のリノベーションの際に剥き出しになった水道管やガス管からインスピレーションを得て、「普段は隠れていて目に見えないが、いつも存在しているもの」の強い意志を表現したという。　インスタレーションを振り返り、伊澤は「まるで夢のよう」とコメント。現在は日本での取り扱いのほか、伊澤の出身地中国の北京に自身のショールームを構えるなどして海外展開を加速している。今後はパリでのコレクション発表を視野に入れる。

Fashion

伊澤直子が手掛ける「ペイエン」がインスタレーション初開催、自身のファッション観を空間を用いて表現

　デザイナー伊澤直子が手掛ける「ペイエン（PEIEN）」が「Rakuten Fashion Week TOKYO 2022 A/W」で発表した2022年秋冬コレクション。

2022 Autumn Winter

　デザイナー伊澤直子が手掛ける「ペイエン（PEIEN）」の2022年春夏コレクション。

2022 Spring Summer

　デザイナー伊澤直子が手掛ける「ペイエン（PEIEN）」の2021年秋冬コレクション。photographer：Yuji Watanabe  stylist：Kanako Sugiurahair：Nori Takabayashi make：ANNAmodel：Kovich 

2021 Autumn Winter

　デザイナー伊澤直子が手掛ける「ペイエン（PEIEN）」の2021年春夏コレクション。