コレクション

　「ミュグレー（MUGLER）」の2024年秋冬コレクション。

MUGLER

2024 Autumn Winter

インサイド

1980〜1990年代のファッションを牽引したティエリー・ミュグレー　ミュグレーは、1973年フランスのデザイナー マンフレッド・ティエリー・ミュグレー（Manfred Thierry Mugler）によって設立。今でこそ知られている「ボディポジティブ」「ジェンダーフルイド」「トランスフォーメーション」「コンフィデンス」といった要素をいち早く取り入れ、革新的なブランドとして注目を集めた。肩幅を広く見せるパワーショルダーや、ウエストを絞ることで逆三角形のシルエットを生み出したアイテムは、1970年代から1980年代のファッションをリード。身体の美しい曲線を強調するデザインは、彼がクラシックバレエのダンサーだったことを思い出させる。既存の枠にとらわれない大胆なスタイルは、マドンナ、グレース・ジョーンズ、デヴィッド・ボウイ、ダイアナ・ロスなどが着用することで、人気に拍車をかけた。　カンファレンスに登壇した、現在ミュグレーでクリエイティブディレクターとして指揮を取るケイシー・カドワラダーは「ミュグレーが表現したいのは自己の解放であり、ミュグレーに身を包めば、様々な自分になることができるということ」とブランドの真髄を表現。続けて、H&M クリエイティブアドバイザーのアンソフィー・ヨハンソンは「ミュグレーはメゾンとして時代を先取りしてきた」とし、「他のブランドよりもずっと前に、多様性、 ボディポジティブ、ジェンダーの流動性を受け入れていた。今ミュグレーのコレクションを見ても、人々の心を捉え、想像力を掻き立てるのも全く不思議ではない」と語った。ミュグレー氏の意思を継ぐ者たち　ミュグレー氏の後にクリエイティブディレクターを継いだのは、日本人の母を持つニコラ・フォルミケッティ（現在はユニクロのファッションディレクター）。続いて、デヴィッド・コーマが手掛け、そして2018年にケイシー・カドワラダーがその役職に就いた。ケイシーは「マーク ジェイコブス（MARC JACOBS）」「ロエベ（LOEWE）」「アクネ ストゥディオズ（Acne Studios）」などで経験を積み、ファッションデザインの経験は17年にも及ぶ。今なおファッションアイコン達を魅了するミュグレー　ミュグレーは、1980年代から1990年代にかけてファッション業界の中心的な存在として知られているが、現代の若いファッションアイコンにも愛されている。ケイシーが「私にとってこのブランドのレガシーとは、インクルージョンだ」と語るように、エネルギッシュで自信に満ち溢れたブランドのコレクションは、デュア・リパやキム・カーダシアン、ビヨンセ、クロエ・セヴィニーなど、ファッションアイコンが着用することもしばしば。ケイシーは、ミュグレーの新しい世代を「進み続けること、そして大胆でユニークな自己を確立すること」だと定義した。H&Mがミュグレーとコラボしたわけ　今回、なぜミュグレーとのコラボを決めたのかという問いかけに対し、アンソフィーは、H&M社内にある「憧れのブランドやデザイナーに関するリスト」の存在を明かした。「コラボするブランドは、デザインチームのディスカッションでリストアップされます。『いま、最も注目されているブランドで、コラボレーションして欲しいのはどこか』という議題に対して、満場一致でみんなが『ミュグレーとやりたい』と。ミュグレーが1980年から1990年代にかけて行ったことが、後進の若手デザイナーや若い人たちにも響くと考えました」（H&M クリエイティブアドバイザーのアンソフィー・ヨハンソン）　アンソフィーは、今回のコラボが、2022年1月にマンフレッド・ティエリー・ミュグレーが亡くなる前から始まっていたと続ける。「コラボが決まった時、すぐにマンフレッド・ティエリー・ミュグレーに会いに行き、『ミュグレーが創設し、ケイシーが生まれ変わらせた“ミュグレーの軌跡”に敬意を払いたい』と伝えました」（H&M クリエイティブアドバイザーのアンソフィー・ヨハンソン）　ミュグレー氏が亡くなった後、ケイシーが引き受けることで今回のコラボは実現。アンソフィーは「H&Mの歴史で、2人のクリエイターと一緒に働くのは初めてのことだった」と話し、「今回のコレクションは、実質マンフレッド・ティエリー・ミュグレーの最後の作品。大変誇りに思う」と振り返った。　アンソフィーの話を受けて、ケイシーは「アイテムをデザインするときに一番考えることは『どんな人が、どんなふうに使ってくれるのか』」と話し、「今回に関していえば、最大のメリットは誰もが手に取りやすい価格帯ということ。それを踏まえて『私たちの存在を知らない人たちに、何を見せたいのか』を考えた」と今回のコラボの意義について語った。「ファッションは楽しむもので、幸せを生み出すべきだと考えています。だから『ファッションが、ある種排他的であるべき』という考えはもう古い。今回のコラボでは、ラグジュアリーでエクスクルーシブなものを作ろうとしたし、それらが欲しいと思う若い人たちが手に取りやすい価格帯である必要がありました。H&Mとコラボすることで、全ての人に届くようになればと思っているし、特に若い人たちに楽しんでもらえるかなと思っています」（ミュグレー クリエイティブディレクター ケイシー・カドワラダー）　今回のコレクションは、ケイシー・カドワラダーが手掛けた近年のコレクションから生まれたヒットアイテムから、創業者マンフレッド・ティエリー・ミュグレーが生み出した作品の限定リメイクまで、一目で「ミュグレーだ」とわかるアイテムを手頃な価格で手に入れられるチャンスとなっている。特に、スポーツウェアのようなライトなアイテムは「ファッションは、一部の選ばれた人だけのものではあってはならない」というケイシーの価値観のもと製作したという。　スパイラルデニムや星型のイヤリング、コルセットジャケットなど、ミュグレーのシグニチャーアイテムが展開されたことについて、ケイシーは「デザインをする時に、過去にみんなが欲しがったミュグレーのアイテムを、より大衆向けに落とし込むことにモチベーションが上がった」と振り返る。ケイシーのデザイン精神は、ミュグレーとして初めてのメンズコレクションや、スカーフ、トートバッグの展開に繋がった。 「ミュグレーで挑戦してこなかったメンズコレクションを作ることを提案してくれて、とても興奮しました。H&Ｍの通常のメンズコレクションより幅を持たせられたのも面白みだと思っています。また、スカーフやトートバッグを作ったことがありませんでしたし、ミュグレーにとって初めてのことを模索する時間となりました」（ミュグレー クリエイティブディレクター ケイシー・カドワラダー）ケイシーとアンソニーのおすすめアイテム　好きなアイテムについて、アンソニーは「好きなものがありすぎて絞るのが難しい」とした上で、レザーブレザー、デニム、星型のイヤリングをチョイス。「長く愛用できるものが素敵」と話した。アンソニーの話を受けてケイシーはデニムについて「カッティングをクチュール風にしたのがこだわり」とし「今回のコラボのコアと言える」と言及した。一方ケイシーは、インラインでも登場し人気を集めたグリーンのレザートレンチをピックアップ。「あまりレザーは扱ったことがなかったが、H&Mが用意してくれたレザーの完成度に驚き、『あれも、これもレザーで！』とどんどんレザーアイテムが増えていった」と明かした。 

LOEWE

H＆M

Fashion

「ミュグレー × H&M」発売前におさらい　ミュグレーってどんなブランド？

ニュース

　会場となったパークアベニュー・アーモリーは、19世紀後半にニューヨーク州軍の本拠地として建設された歴史的な建物で、「エルメス（HERMÈS）」が、世界3都市を跨いで披露した2021年秋冬コレクションのニューヨーク会場に選ばれた場所でもある。イベントの会場は、円を描くように設置された3つのステージと巨大モニターで構成されており、ディスコホールを彷彿とさせる内装に仕上げた。　会場には世界中からセレブリティーやメディア関係者が多数招待され、日本からは西内まりや、現地からはkemioが来場。そのほか、パメラ・ヒルバーガーらの著名人を含む約800人が、サウンド、スタイル、ライブパフォーマンス、クラブカルチャー、ダンスを融合させた多面的なイベントを楽しんだ。　イベントは、同コラボのキャンペーンのために制作された「Mugler H&M」のミュージックビデオに出演しているミュージシャンのシャイガール（Shygirl）、アマリー（Amaarae）、アースイーター（Eartheater）らによるスペシャルコンサートにより幕開け。各アーティストが、自身のヒット曲を歌い上げると、コラボアイテムに身を包んだモデルたちが、キャットウォークを披露。ゴールドとブラックをメインカラーに、ミュグレーのブランドアイデンティティーを踏襲したエンパワリングなデザインを披露した。　コンサート終盤では、同キャンペーンのために特別に制作された1990年代を代表するクラブミュージック「Music Sounds Better With You」の新バージョンをシャイガール、アマリー、アースイーターの3人が歌唱。フィナーレにはミュグレーのクリエイティブディレクターであるケイシー・カドワラダー（Casey Cadwallader）も登場し、同イベントに華を添えたアーティストたちとハグをして幕を閉じた。　その後、アフターパーティーが開かれDJセットが登場。枠にとらわれない独特の世界観が演出された。　ミュグレーのクリエイティブディレクターであるケイシー・カドワラダー（Casey Cadwallader）はイベント開催に際して「このイベントは私たちと音楽、ダンス、パフォーマンスとの長年の関係性を祝福する理想的な祭典。ブランドの世界に人々を迎え入れるのに完璧な方法であり、『自由』『個人の表現』『解放的で大胆なファッション』を中心にした忘れられない一夜だった」とコメント。H&Mのクリエイティブアドバイザー アン=ソフィー・ヨハンソン（Ann-Sofie Johansson）は「このイベントは真の文化的瞬間であり、人々を変容と自己表現の世界へ迎え入れてきたミュグレーの長い歴史への賛辞でもある」と話した。　同会場で行われた先行発売会では、同ブランドのシグネチャーである星を模ったピアスと、ブラックナイロンが重ねられたアイコニックなデニムパンツが人気を集め、販売開始直後に完売した。Mugler H&Mは、H&M限定店舗および公式オンラインストアで5月11日に販売される。 

「ミュグレー× H&M」がニューヨークで3年ぶりのグローバルイベントを開催、会場即完アイテムは？

■創業者 マンフレッド・ティエリー・ミュグレーってどんな人？1948年フランス生まれ。パリの美術学校でデザインを学び、1973年に自身の名を冠した「ティエリー・ミュグレー（Thierry Mugler）」を設立した。香水を展開した後、1992年に初のコレクションを発表。クリストフ・ルメール（Christophe Lemaire）や、ルシアン・ペラフィネ（lucien pellat-finet）らが同ブランドで働いた経験を持ち、多くのデザイナーに影響を与えた。マドンナ（Madonna）やビョーク（björk）、ダイアナ・ロス（Diana Ross）などのアーティストの衣装を手掛けたほか、フォトグラファーや映画監督としても活動していた。2022年1月23年に逝去。享年73歳。■ミュグレーとは？1973年にフランス人デザイナー、マンフレッド・ティエリー・ミュグレーによって設立。現在のファッション業界を席巻するボディポジティブ、ジェンダーフルイド、トランスフォーメーション、コンフィデンスといった、既存のルールに縛られない自由な表現をいち早く取り入れ、常に時代の先駆者として大胆かつ挑戦的なスタイルを提供しています。2018年にアメリカ人デザイナーのケイシー・カドワラダーがメゾンに加わり、新しい風を感じさせつつ、一目でミュグレーだと分かるようなデザインを生みしています。ウィメンズ編　ウィメンズではドレスやジャケット、ボディスーツなど全38型を展開します。ドレス　ドレスでは、ミュグレーの代表的なスタイルとも言えるグローブ付きのドレスをはじめ、ウエスト部分のシースルーパネルが特徴的なブラトップ付きのブラックドレスや、硬質なウール素材で引き締まったウエストとパッドが施されたヒップで美しいフォルムを形作っているブラックミニドレス、ライムとブラックのハイネックミニドレス、ブラックとクラインブルーのコルセットドレスなど10型を展開。中でも注目は、アーカイヴコレクションである、1990年代に流行し、現在ヴィンテージアイコンとして注目を集めているブラックベルベットドレスと、1990年代後半に発表され、透け感のあるメッシュパネルが付いたレースアップロングブラックコルセットドレスの2型です。アウター　主役級のクロムフリーレザーのロングトレンチは、リッチなグリーンカラーで、体に巻きつけることができる長いスカーフのディテールが特徴。このスカーフのディテールは、ウエストを絞ったブラックのクロップドレザージャケットにも同じく施されています。ミュグレーのシグネチャーであるコルセットがついたジャケットは、肩パッド付きで、ヒップもパッドで丸みを帯びたシルエットになっています。襟が無いルーズカットジャケットは普段使いにも◎。一際目を引く、アンティークピンクジャケットは1990年代半ばに製作されたアイテムを着想源にしたもの。胸元には、印象的なメタルボンデージのディテールが付いています。パンツ、スカート　コレクションの中でも注目なのは、ミュグレーのアイコンであるデニムパンツ。ブラックナイロンが重ねられており、バックに施されたTバックのディテールは、リフトアップ効果をもたらします。ミニスカートは、長く伸びたウエストバンドをベルトのように使用することができ、ジャケットとのセットアップを楽しむことができます。トップス　ミュグレーらしい、力強いショルダーやタイトウエストはそのままに、よりカジュアルダウンしたアイテムも数多く用意。中でも、ボンディング加工を施したピタッとフィットするボンデッドコルセットと、丸みを帯びたショルダーが特徴的なフーディは、マストバイアイテム。ボディスーツ、ランジェリー、スイムウェア、タイツ　ねじれた縫い目や、筋肉や体の曲線の輪郭を描くようなパネルが施されたボディスーツやタイツが多数登場。ボディスーツやビキニは、コレクションアイテムのインナーとして着用するのもおすすめで、レザーブラは、テーラリングとのスタイリングに最適です。アクセサリー　アクセサリーは、性別に関係なく身につけられるようにデザイン。キーカラーであるブラックとメタリックは、クラシックなブラックと大胆な輝きを併せ持つコレクションの全体的なムードを引き立ててます。ブーメラン型のイヤリングや、大ぶりなティアドロップ型のイヤリング、カクテルリングなど、アーカイヴにちなんだものも数多く登場。キャップはレザーとコットンの2種類を展開し、ミュグレーの特徴的な星柄が渦巻いたスカーフは、オーガニックシルクを使用しています。大きな「M」の文字が入ったベルトは、ミュグレーのアイコニックなブランドロゴを思わせ、オーバーサイズのレザートートには、
ほかのアイテムにも使われている星型の金具があしらわれています。メンズウェア編　メンズでは、コートやシャツ、パンツなど20型を展開します。アウター　ブランドのシグネチャーでもあるスターのロゴボタンが付いたブラックレザーのロングトレンチをはじめ、襟のないレザーブレザーやパラシュートジャケット、ショルダーに入ったパッドと袖のツイストシームでシルエット形を強調させた彫刻のようなデニムジャケットなどを用意。アシッドグリーンのテーラードジャケットは1990年代にデヴィッド・ボウイが着用したことでも知られているアイコニックなアイテムです。パンツ　パンツは、ジッパーフライが見える官能的なレザーパンツや、ウエストにカットアウトディテールを施したワイドパンツなどのほか、ミュグレーのシグネチャーであるツイストジーンズからは、ブラックのナイロン生地とクラシックデニムを組み合わせた2スタイルをラインナップします。シャツ　マストバイアイテムは、カドワラダー氏が好んだスタイルにちなんだ、オーバーサイズのデニムシャツと、1999年代のアイテムをリメイクしたブルボタンが付いたエレガントなターコイズブルーのオーガニックコットンシャツ。ブルボタン付きのシャツは今回新たにホワイトのカラーを加えました。また、日常使いしやすい、ミュグレーのロゴとモチーフがダイナミックに描かれたTシャツを展開します。トップス　トップスでは、コルセット付きのウエストが印象的なフーディや、ラインストーンの輝く星があしらわれたパーカーをラインナップ。また、星柄のフロッキー加工とクリスタル装飾を施したシースルーメッシュトップや、コルセット付きタンクトップ、胸元をカットアウトしたライクラトップなど、フィット感のあるアイテムも展開し、レイヤードを楽しめるアイテムも数多く用意します。※価格は全て税込表示

【完全網羅】どれを狙う？「ミュグレー×H＆M」の全アイテム公開

　同コレクションでは、肩パッドやタイトなシルエットを採用し、体の曲線を強調したミュグレーのフィットを表現。2022年1月に逝去したミュグレー創設者のマンフレッド・ティエリー・ミュグレー（Manfred Thierry Mugler）に敬意を表し、1980～90年代のアーカイヴから現クリエイティブディレクターのケイシー・カドワラダー（Casey Cadwallader）が選出した限定版のリメイクも登場する。なお、両ブランドはミュグレー死去以前から、コラボに同意していたという。　H&Mのクリエイティブアドバイザーを務めるアン＝ソフィー・ヨハンソン（Ann-Sofie Johansson）は、「私たちは、このコレクションをマンフレッド・ティエリー・ミュグレーの遺産として大変誇りに思います。マンフレッドと知り合うことができたのは非常に光栄なことで、彼がケイシーやミュグレーのメゾンとともにこのコレクションの初期段階から関わっていたことは、この上なく特別なことだったと感じています」とコメント。ケイシーはコラボに際し、「今回H&Mと一緒に働けて、とても光栄です。私たちの代表作となったボディスーツから、シャープなテーラリング、ワークデニムなど、全てのアイテムが真のミュグレーを築いていたものです」と述べた。

H&Mとミュグレーコラボのルックが公開　1980年代アーカイヴのリメイクも

　同コレクションは、ミュグレーのクリエイティブ・ディレクター ケイシー・カドワラダー（Casey Cadwallader）が指揮。ミュグレーのユニークさや活気のある精神を表現したという。コラボアイテムの詳細は、追って発表される。　H＆Mは、2004年にデザイナーとのコラボレーションをスタート。カール・ラガーフェルド（Karl Lagerfeld）とのコレクションを皮切りに、川久保玲やイザベル・マラン（ISABEL MARANT）、アレキサンダー・ワン（Alexander Wang）など、毎年異なるデザイナーとタッグを組んできた。2021年には「シモーン・ロシャ（Simone Rocha）」や「トーガ（TOGA）」とのコラボレーションを発表した。

H＆M、今年はミュグレーとコラボ　ケイシー・カドワラダーが指揮

　ブラックピンクは、新曲「Pink Venom」のティザービデオとヴィジュアルの中で、全身ミュグレーを着用。メンバー全員がミュグレーの衣装を着用するのは今回が初だという。スタイリングはPark Min Heeが手掛けた。

BLACKPINKが新曲「Pink Venom」でミュグレーを着用

　事業別では、「ラロッシュポゼ（La Roche-Posay）」や「セラヴィ（CeraVe）」「ヴィシー（Vichy）」などを有するアクティブコスメティックス事業部が、皮膚科学に基づくダーマコスメティックスの需要拡大などを受けて前年比30.3％増の39億2400万ユーロ（約5109億円）と高水準となった。オンライン売上も10億ユーロを超えるほどの好調だった。　リュクス事業部は同21.3％増の123億4620ユーロ（約1兆6075億円）で、コンシューマープロダクツ事業部を抜いてグループ最大のカテゴリーとなった。「ランコム（LANCÔME）」や「ヘレナ ルビンスタイン（HELENA RUBINSTEIN）」のほか、「キールズ（Kiehl’s）」のレチノール入り美容液など、エイジングケア商品が後押し。また、フレグランスでは「イヴ・サンローラン・ボーテ（Yves Saint Laurent Beauté）」の「リブレ」、「ミュグレー（MUGLER）」の「エイリアン・ゴッデス」や「プラダ（PRADA）」の「ルナ・ロッサ・オーシャン」が人気を牽引した。　コンシューマープロダクツ事業部は「メイベリン ニューヨーク（MAYBELLINE NEW YORK）」のマスカラ「スカイハイ」などが好調だったほか、Netflixのドラマシリーズ「ペーパー・ハウス（La Casa de Papel）」とのコラボが人気を博すなど堅調に推移し、同4.5％増の122億3350万ユーロ（約1兆5928万円）だった。　サロン向けヘアケアなどを擁するプロフェッショナルプロダクツ事業部はアメリカと中国の成長が顕著で、また「ケラスターゼ（KÉRASTASE）」の人気が貢献し、全体で同22.2％増の37億8390万ユーロ（約4926億円）に成長した。　地域別では、ヨーロッパが同10.7％増の101億8480万ユーロ（約1兆3261億円）、北米が同18.1%増の81億5590万ユーロ（約1兆619億円）、北アジアが同18.6%増の98億6330万ユーロ（約1兆2842億円）、SAPMENA-SSA（東南アジア、中東、北アフリカ、サブ-サハラアフリカ）が同10.0％増の23億1200万ユーロ（約3010億円）、ラテンアメリカが同20.6%増の17億7150万ユーロ（約2307億円）で全地域で2桁成長を達成。なお、全体でeコマースも堅調に推移し同25.7％増となり、売上高の28.9％を占める。

PRADA

Beauty

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　ミュグレーは、1948年フランス出身。パリの美術学校でデザインを学び、1973年に自身の名を冠した「ティエリー・ミュグレー（Thierry Mugler）」を設立した。香水を展開した後、1992年に初のコレクションを発表。クリストフ・ルメール（Christophe Lemaire）や、ルシアン・ペラフィネ（lucien pellat-finet）らが同ブランドで働いた経験を持ち、多くのデザイナーに影響を与えた。マドンナ（Madonna）やビョーク（björk）、ダイアナ・ロス（Diana Ross）などのアーティストの衣装を手掛けたほか、フォトグラファーや映画監督としても活動していた。