Fashioninterview

【インタビュー】モードに挑む東京デザイナー FACETASM 落合宏理

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PHENOMENONとファッションウィークのトリを務めた2012-13年秋冬コレクション「Because I Was Cartain That It Must Be Something Ahead Of This, I Made It」


―「ヴァーサストーキョー」では、2012年1月にイタリアのメンズ見本市「ピッティ・ウオモ」にも出展しましたね。

 僕らのようなインディペンデントのブランドが国内でトップクラスのバイヤーに見てもらう機会を得るのは、実際とても難しいんですよね。「ピッティ・ウオモ」では、海外に出て初めて国内外の多くのバイヤーやジャーナリストの目に触れる機会になりました。

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「ピッティ・ウオモ」展示会場

 印象的だったのが、現地にレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を東京ポップの感覚でモチーフに使ったアイテムを持っていったんですが、日本の人には「欧米では(宗教的なモチーフは)タブーなんじゃないか」と言われていたんです。でも実際に出してみたら海外メディアに「面白い」と捉えてもらえて、ものすごく嬉しかったですね。海外に対しても視野が広がりました。

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ファッションウィークのオープニングを飾った2013年春夏コレクション「FLAVOR」


■心の奥に響くエモーショナルな表現を

―一方で東京のストリートでは、インクジェットプリントのダウンマフラーがヒット。シグネチャーでもあるプリントにこだわりはあるのでしょうか。

 僕自身が単純にプリントが好きなんですよね。毎シーズンオリジナルで制作していますが、特に自由で無限の可能性を感じるインクジェットプリントは、僕らの表現にマッチしていると思っています。常に思っているのは、人の心が動くような、心の奥に響くようなものを作りたいということ。プリントだけではなくて、2014年春夏コレクションでは形の強さだったり立体的なものをより美しく見せる方法といったことを意識しました。大切にしているのは誰もが持っている「気持ち」の部分で、エモーショナルな表現をしていきたいと思っています。

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2度目の「ヴァーサストーキョー」参加2013-14年秋冬コレクション「MONTAGE」

―10月に発表した2014年春夏コレクションのランウェイショーは、初の単独開催。「FACETASM」ならではのクリエイションについて"タウン感"と表現していましたが、その意味は?

 僕は東京出身で、東京で生活してきました。そのリアルな部分をモードの舞台で表現したいと思っています。例えば今回のショーで意識した"クロスジェンダー"も、僕らなりの解釈で取り入れました。街には色々な人が行き交っていて、男性は強さだけじゃなくて女々しさも持っているだろうし、逆に女性ならではの強さもある。女性の服を男性が着るという単純なものではなくて、感情のクロスジェンダーというか。三つ編みの男の子がいたり、逆に女の子がショートカットで男っぽいメイクだったりとか、色々なものが自由に混ざって不器用な感じ。それが"タウン感"で、僕らのクリエイションを言葉で表現するのにぴったりだと思っています。


■ルーツの東京とカルチャーミックス

―「東京」という自身のルーツは意識していますか?

 よく「東京っぽい」と言われるんですが、実はずっと住んでいる場所だから「ぽさ」がわからなかったんです。スタイリングについて"スーパーレイヤード"などと言われる事があるんですが、僕らにとって重ね着はごく普通にやってきたので特別ではないんですよね(笑)。でも最近、そういった僕らのルールとか、もしかしたらみんなが駄目だよって言うことを簡単に飛び越えていたりする。そんな感覚が「東京っぽさ」だったりするのかなと感じてきました。「服は自由で楽しくあればいい」と思っていて、それが東京らしさだったりルーツなのかもしれません。

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