デザイナー近藤悟史が手掛ける「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」が、2024年秋冬コレクションをパリで発表した。「What Has Always Been」をシーズンテーマに、一枚の布をまとうという、ブランドの原点に焦点を当てたコレクションとなっている。
会場は、パリ12区の「ポルトドレ宮(Palais de la Porte Dorée)」のバンケットルーム。1931年にパリで開催された植民地博覧会の会場となった建物で、室内の壁には、植民地時代のフレスコ画が。そこに描かれている16世紀の人々は、シンプルな布をまとっている。一枚の布をまとうことは、太古から続く営みであるというテーマを示唆しているようだ。
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ニットをまとうという発想
Image by: ISSEY MIYAKE
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ショーは、アサガオのようなフォルムが特徴の無縫製ニットシリーズからスタート。袖口や裾の花のような造形はガーター編みで、筒状のフォルムが生き生きとした立体感をプラス。袖を首元に巻きつけたり、帽子のようにかぶったりと、ニットを自由にまとうことができるプレイフルな仕様だ。
立体造形のドレスを和紙素材でソフトな印象に
Image by: ISSEY MIYAKE
続いて、造形的なフォルムの布帛シリーズへ。2024年春夏コレクションで発表した和紙素材をアップデートさせた素材使いで、立体的なデザインを柔らかな印象に落とし込んでいる。また、左右非対称のパンツシリーズは、ほぼ四角形のパターンからなるシンプルな構造。どちらも一枚の布をまとうことを着想源とした、今シーズンを象徴するルックだ。
鮮やかな色彩のコントラストが、華やかさをプラス
Image by: ISSEY MIYAKE
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ショー中盤に登場したのは、色彩を重ね合わせるというコンセプトで作られた、重ね着しているように見える二重構造の無縫製ニットシリーズ。さらに続く、秋の七草をイメージした柄のシリーズは、繊細さと荒々しさを兼ね備える。ヴィヴィッドなカラーコントラストが、コレクションに華やかさをプラスした。
Image by: ISSEY MIYAKE
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旅人を連想させるハンドプリーツシリーズ
Image by: ISSEY MIYAKE
終盤は、有機的なフォルムのハンドプリーツのルックが登場。空気を含んだゆとりのあるシルエットが、どこか旅人を想起させる。布をまとうというシンプルな行為から生まれる、ドレープやねじれ、非対称なパターン。一枚の布が持つ本質的な美しさや強さを、イッセイ ミヤケらしい素材使いやテクニックで、潔く魅せたコレクションだった。
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