2021-22年秋冬ウィメンズパリファッションウィーク(以下パリコレ)の公式スケジュール(暫定)が発表された。仏オートクチュール・プレタポルテ連合協会(Federation de la Haute Couture et de la Mode)が主催し、日程は2021年3月1日から9日までの9日間。ショー枠およびプレゼンテーション枠で全93ブランドが参加し、新作コレクションを発表する。
雪に覆われた壮大な山の麓に立つ男。シルバーのモノグラムのトランクを持った男はこう呟く。「I’m no stranger anymore. The world is love to me. (私はもう部外者ではない。世界は私を愛してくれている)」。こんなヴァージル・アブローの心の内を代弁するようなシーンから、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2021秋冬メンズコレクションのフィルムが幕を開ける。ヴァージルが掲げたコレクションのキーワードは「Ebonics(黒人英語の意味) / Snake Oil / The Black Box / Mirror, Mirror」だ。 (文:ファッションジャーナリスト 増田海治郎)
Nico Vascellari(ニコ・ヴァシェラーリ)とNinos Du Brasil(ニノス・ドゥ・ブラジル)が手掛けたテクノミュージックに合わせて、人工雪が吹雪くランウエイをモデルたちが足早に闊歩する。暗闇の中を駆け抜ける演出だから、いつものような底抜けの明るさはないけれど、重苦しい雰囲気というわけでもない。でも、2021-22年秋冬の「MSGM」のコレクションは、想像以上に深い思考から生み出されているのだ。 テーマは「Vertigine」。イタリア語で「強い戸惑いや混乱の感覚」を意味する言葉だ。それがコロナ禍の現在の世界を意味しているのは間違いけれど、マッシモ・ジョルジェッティはその言葉に、極限的...
「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(Children of the discordance)」がデジタル版ミラノ・メンズ・ファッションウィークで、日本のヒップホップとリメイク服の最先端を動画でブチかました。日本の現在進行形の最高峰のストリートが共演した動画を堪能してみよう。 (文:ファッションジャーナリスト 増田海治郎)
ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズの協働による初のコレクションとなった2021年春夏は、ラフのグラフィックを長年にわたって手掛けてきたピーター・デ・ボッター(Peter de Potter)のアートワークを前面に押し出したこともあり、想像以上にラフ風味が強い印象を受けた。ピーターのグラフィックを封印した2021年秋冬メンズコレクション(メンズ単体の協業は初)は、2人の天才の強みが高い次元で融合している。 (文:ファッションジャーナリスト 増田海治郎)
「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」が、東京で新作コレクションを発表するのは約40年ぶり。1981年からパリコレクションに参加し続けてきたが、新型コロナウイルスの影響で今シーズンは参加を取りやめ、南青山の本社で2021年春夏コレクションのフロアショーを開催した。デザイナー川久保玲による創作のテーマとなったのは「不協和音」。
10月7日、小田原文化財団 江之浦測候所で「サカイ(sacai)」が2021年春夏コレクションを発表した。例年はパリで新作を発表しているため、国内でショーを開催したのは2017年の「アンダーカバー(UNDERCOVER)」との合同ショー以来。秋雨に濡れるランウェイに、シャーデー(Sade)の名曲「Kiss of Life」がしっとりと響いた。
「ジバンシィ(GIVENCHY)」が、新クリエイティブディレクターのマシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M Williams)によるデビューコレクションを発表した。ウィリアムズのシグネチャーであるテクニカル素材を用いながら、メゾンのアーカイヴや伝統を更新し、男女の隔たりなく提案する2021年春夏コレクション。上部がV字にカットされている「カットアウトバッグ」や、つま先が3つに分かれた「トライプ・ トゥシューズ」など、新たなアイコンとなりそうなアイテムも登場している。