【連載:30歳の景色】HiRAO INC代表 平尾香世子

提供: SK-II
平尾香世子 Photo by: FASHIONSNAP

 女性にとって年齢は大きな意味を持つ。SK-Ⅱが1,400人の女性に対し実施した意識調査によれば、30歳は最も迎えることが不安な年齢であり、20代女性の過半数が30歳を迎えることに不安を抱いているという。女性にとっての年齢とは、どういう意味を持つのか。そして、人生の先輩たちはどのように年齢、そして30歳と向き合ったのか。短期連載「30歳の景色」、第三回はHiRAO INC代表の平尾香世子。

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- 30歳の頃、何をしていましたか?

 アッシュ・ペー・フランス(H.P.FRANCE)の中で、ヒラオインクの前身となるヒラオプレスを立ち上げたのが28歳のときで、仕事に邁進していた時期ですね。アッシュ・ペー・フランスに入って海外に行く機会が増え、アタッシュ・ドゥ・プレスという形態のPR会社がたくさんあることを知って。今は沢山ありますが、当時日本にはインハウスのPR会社ばかりで、アタッシュ・ドゥ・プレスはほとんどなかったんですよ。それで、未来があるのではないかと考え、新規事業を立ち上げたんです。

- 30歳を前に新規事業の責任者になったんですね。

 その頃が仕事に対する姿勢が変わった転換期でした。それまでもちゃんと仕事をしてきたつもりではいたんですけど、責任が増えたこともあり本当に身を入れて仕事をするようになりましたね。

- 仕事のプレッシャーはありましたか?

 部下には現ワンオー(ONEO)代表取締役の松井智則君とプレスルーム4Kのディレクターをしている河村充倫君がいて、当時はみんな20代だったということもあって何が正解なのかわからないけど楽しんでやっていこうという気持ちでいました。立ち上げてから1年ぐらい何も仕事がないという状況があって、会社の上司から「ちゃんと仕事しろ」と言われたこともありましたが、思いつめる性格でもなかったのでプレッシャーはあまりなかったです(笑)。「ルームス(rooms)」の立ち上げに関わったり、ソニーの案件で海外のブランディングチームと一緒に仕事してみたりと、チャレンジングで楽しい日々を送れたので本当に良い経験になりました。

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- 仕事を楽しむことができた理由は何だと思いますか?

 やりたいことがたくさんあったからだと思います。企画を作るのが好きで、自分がやりたいと思ったことを仕事でやるという感覚だったので楽しくて仕方なかったんです。そもそもアッシュ・ペー・フランスに入社したのは、社長の村松孝尚さんに直接「こういうお店が作りたい」と3時間の面接兼プレゼンをしたことがきっかけなんです。実は不採用だったらしいんですが、面接時の帰り際に「また連絡ください」と村松さんが言ってくれていたので、しばらくして「アッシュ・ペー・フランスに入るために会社を辞めたのでいつでも入社できます」と電話したら「なんで辞めたの?」と驚かれてしまって(笑)。村松さんも優しくて、無理やりなかたちで雇って頂けることになったんです。

hirao (1).jpg- その後なぜ独立を?

 異業種からの仕事がもっと増えるという未来を予感していたため、アッシュ・ペー・フランスの色が付いていないアタッシュ・ドゥ・プレスが必要だと考えました。村松さんにヒラオプレスを独立部署にしないかと相談したんですが、まだ社内を強化するタームだったようで断られたんです。ただ「どうしてもやりたいなら独立してもいいよ」と言ってもらえ、2006年に自分で会社を立ち上げることにしました。それが32歳のときですね。

- 恋愛やキャリアなどで"30歳"を意識する女性が多いようですが、平尾さんはいかがでしたか?

 30歳というものを実感させられたのは体を壊した時ですね。若い頃から仕事だけではなく遊びにも全力を注いでいたのですが、ある日展示会中に立っていられなくなったことがあって。声まで出なくなったので、病院に行ったら肝臓に異常が見つかり集中治療室(ICU)に入ることになったんです。死を意識して、仕事をすることを控えたり、運動をしたり、食べ物に気を使うようになりましたね。30歳までは恋愛やキャリアで悩む精神的なものもあると思うのですが、体も大きく変化しますから。若い頃とは勝手が違ってきますよね。

- 恋愛面で言えば独立後に落ち着いた38歳で谷川さんとご結婚されていますね。

 結婚については常にしたいと思ってはいましたけど、正直焦ってはいませんでした。ファッション業界は30歳以上の未婚者が結構いるので、プレッシャーも少なかったんですよね。それでも、35歳を超えてから、理想のパートナーをどうやって見つけたらいいのか考える時期がありました。若い頃は恋愛で色々失敗もあったので、これまでを振り返り「なぜ付き合ったのか」「なんで別れてしまったのか」を全て書き出して分析することにしたんです。そうすると自分の中でのNGワードやパートナーに求めるものが可視化され、自分が理想としている人物像が自分自身で理解できるんです。私はこの方法で理想の人に出会えましたよ。

- それはすごいですね。

 不安だと感じた時に、自分自信を見つめ直す作業は大事ですよね。いわゆる自己分析ですが、恋愛だけではなく、平行して自分自身がどういう生活を送りたいのか、どういう自分でいたいのか、ビジョンを明らかにするとなお良いと思います。私個人の考えですが、結婚は晩婚の方がいいんじゃないかなと思っていて。現代社会では女性は30歳を超えてから、男性は40歳を超えてからがベストと言えるのではないでしょうか。

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- 女性は30を超えてから、はなぜですか?

 30歳前後の女性はキャリアを優先するのか、結婚して子供を産むのかの選択を迫られる時期でもあると思うんです。私は海外にも行きたかったし、やりたい仕事もあったのでキャリアを優先しましたね。でも、そもそも医療の発達も目覚ましいですから人間の寿命はこれからも延びていくばかりで、メンテナンスをすれば女性は綺麗で健康的に入られる時代も遠くはないと思うんです。そうなると働く期間は必然的に長くなりますから。それに、若い頃に妥協をして結婚してしまうと、成長したお互いの価値観が変わってきてうまくいかなくなってしまうという話も聞きます。「この人」と決めた人がいるのならいつでもいいと思いますが、迫ってきた年齢に怯えて結婚に逃げるのであればやめた方がよくて、自立を前提とした自分のビジョンを持つことが大事ですよね。

- 自身のビジョンはどうやったら見えてくるものなのでしょうか?

 恋愛でも仕事でも20代でどんどん挑戦して失敗することですね。比較的楽観的な私でも過去に一度だけ、クライアントに企画書を何度もダメ出しされ悔しい経験をしたことがあります。でも今ではその経験があったから、クライアントを納得させられるスキルが向上したと思っていて。さっきの結婚の時の分析もそうですが、失敗や経験を元に自分のビジョンを明確にしていくことが幸せの第一歩なのではないでしょうか?

平尾香世子:
 (株)HiRAO INC代表。H.P.FRANCE勤務後、PRエージェンシー「HiRAO INC」を設立。HiRAO INCはファッション、アート、ビューティなど幅広い分野でPR戦略を手掛け、クライアントには「ケンゾー(KENZO)」、「マルニ(MARNI)」、「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」、「ディプティック(diptyque)」などを持つ。

【連載:30歳の景色】
第一回 編集者 軍地彩弓
第二回 ストリートフォトグラファー シトウレイ
第四回 ファッションデザイナー コシノジュンコ

■動画「期限なんてない」


 SK-IIが女性にとって年齢の持つ意味を考えるキャンペーンを6月21日から開始。多方面で活躍する女性へのインタビュー企画に加えて、YouTubeでは日本や中国、韓国で生まれ育った女性が世間の意見に惑わされず自らの人生を切り開く様子を描いた動画が公開されている。

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