コスチューム業界のパイオニア、クリアストーン代表が語る現実「市場は飽和状態」

クリアストーン小野志堅代表 Photo by: FASHIONSNAP

 今年もハロウィンの季節がやってきた。近年は、日本でも街中が仮装をした人々で溢れるようになり、秋の一大イベントとして定着している。アパレルブランドもコスチュームの販売に着手するなど市場が広まっているが、コスチューム業界を18年にわたり牽引しているのがクリアストーンだ。業界の現在、そして未来をどう見ているのか。小野志堅代表に聞いた。

 クリアストーンは2004年4月の設立当初、チャイナドレスを輸入販売していたが、その後コスチューム市場に参入。当時はコスチュームに特化した事業の会社は少なく、小野代表も「見えない市場」と考えていたが、日本で成功する自信があったという。理由は、当時のアメリカの市場規模が30億ドル以上と急成長していたからだ。日本でも成長が見込めると考え、業績が振るわない状況でも投資し続けた結果、4〜5年前に展望が大きく開けたという。ホームパーティーの需要が主だったが、ハロウィン市場の急拡大が追い風となり、2017年度前期決算で売上高15億円規模に到達するまでに成長した。

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 アニメ、ゲーム、シネマなど、コスチュームはさまざまなジャンルがあるが、同社が得意とするのはパーティーコスチューム。ファッションモデルのAMO植野有砂とのコラボレーションやでんぱ組.incの公式コスチュームを手掛けるなど、メインターゲットとなる20代のニーズを掘り起こすオリジナル商品を開発することで市場を牽引している。商品開発から店頭に商品を並べるまで一括で管理しているため「市場の動きをいち早くキャッチし、反応できるのが強み」と、スピード感が武器になっている。新商品は毎年500近くを投入し、今年はベビーグッズにも展開を広げるなど差異化を図る。

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今年初めて展開したベビー向けコスチューム

 事業を開始してから18年。コスチューム市場を開拓したパイオニアとして名を馳せているが、業界自体は飽和状態にあり、同社としても今後の伸びしろに期待できなくなってきたという。小野代表は「コスチュームにもトレンドがあり、古くなったら翌年の売上は立たない。その点はファッション業界と似ている」と捉える。特にこの2〜3年で新規参入が増え、似たような商品が他社からも出されるようになったことで低価格競争に陥っているという。「安売りを仕掛ける会社は1年目に売れても3年目になると在庫が溜まり、自滅して倒産することもある。参入は歓迎だが、強いライバルが欲しい」。パーティーグッズに関しても、100円ショップの台頭もあり競争が激化。その競争を避けるためにあえてコスチュームに特化しているという小野代表も「この悪循環から抜け出したい。決して楽ではない」と漏らす。

 新たな施策として、バースデーパーティーのスキルが身に付く「日本バースデープランナー協会」を立ち上げた。また、アーティストのグッズ・コスチューム販売といった音楽分野を取り込むなど、事業の多角化を推進している。「参入障壁の低い市場に参入すると必ずライバルがいる。その場合、社員の質、資金、価格などあらゆる面での競争が発生する。それはできれば避けたい」。

 また新たなニッチ市場への進出として、先月には"コスプレ専用"のドローンの展開を始めた。「コスプレを趣味にしている女性の方は国内に20万人ほどいて、週末にいろいろなイベントに参加している。誰かに撮影してもらう機会が多いと思うので、ドローンによってその需要を満たせるのでは」。同社が独占的に卸を手掛け、来春には折り畳み式など女性でも使いやすい機種の販売を計画しているという。

 コスチューム業界を先導し独自のカルチャーを形成してきたクリアストーンだが、小野代表は「20年後にはコスチューム事業はやっていないかもしれない」と話す。ビジネスの基軸になっているのは、潜在ニーズを満たすこと。時代の変化をキャッチしながら、独自の視点で需要に応えていく姿勢だ。

■クリアストーン:公式サイト