;

【5分でわかる】あのブランドの顔は誰に?メゾンデザイナーの去就まとめ〜17年秋〜

 激しい変化にうねる今日のファッション界。ブランド移籍、若手の抜擢、古巣復帰といった、トレンドの先端で舵を切るデザイナーらの去就は、時に時代の流れをも左右する。今年に入ってからも、多くのブランドが新しい顔を迎えた。新体制を築いているブランドや、これから新任デザイナーのもとデビューコレクションを発表するブランド、そして今後去就が注目されるデザイナーなど、それらの動向をまとめた。

■ 新任ディレクターのもと初のコレクション発表を控えるブランド

【ジバンシィ(GIVENCHY)】

cwk_givenchy-20170310_001-thumb-400xauto-672641.jpg

 12年間にわたりメゾンを手がけてきたリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)が今年2月にクリエーティブディレクターを退任。後任には、今年1月「クロエ(Chloé)」のクリエーティブディレクターを退任したクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が起用され、デビューとなる2018年春夏コレクションはパリ・ファッションウィーク期間中の10月1日に発表される。

<関連記事>
▶︎「ジバンシィ」ティッシ後任に元クロエのクレア・ワイト・ケラーを起用(2017年3月17日)

【ランバン(LANVIN)】
 lanvin_logo-20041115_001-thumb-660xauto-722341.jpg

 2015年にアルベール・エルバス(Alber Elbaz)がブランドを去ったのち、ブシュラ・ジャラール(Bouchra Jarrar)が後任に起用されるも今年7月に退任が発表。ジャラールの後任には、「バルマン オム(BALMAIN HOMME)」で経験を積んだオリヴィエ・ラピドス(Olivier Lapidus)が任命された。2018年春夏ウィメンズのプレタポルテコレクションでデビューする。

<関連記事>
▶︎「ランバン」新ディレクターにオリヴィエ・ラピドスが就任(2017年7月11日)

【クロエ(Chloé)】

natacha_chloe-20170302_001-thumb-400xauto-669139.jpg

Photo Credit : Paolo Roversi

 
2011年からクリエーティブディレクターを務めてきた現「ジバンシィ」のクレア・ワイト ・ケラーが今年1月に退任を発表。4月に2013年から「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」でウィメンズのレディ トゥ ウエアのクリエーティブディレクションを手掛けてきたラムゼイ・レヴィ(Natacha Ramsay-Levi)が後任に指名された。9月に行われる2018年春夏パリファッションウィークでデビューする。

<関連記事>
▶︎「クロエ」新ディレクターにルイ・ヴィトンのナターシャ・ラムゼイ・レヴィを起用(2017年3月10日)

【ロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)】

robertocavalli-20170509_001-thumb-660xauto-697628.jpg

Photo Credit : Toni Thorimbert


 昨年10月に退任が発表されたピーター・デュンダス(Peter Dundas)の後任として、新クリエーティブディレクターにポール・サリッジ(Paul Surridge)が就任。ポール・サリッジは「カルバン・クライン(Calvin Klein)」「バーバリー(Burberry)」で経験を積み、2007年にはラフ・シモンズ(Raf Simons)指揮下の「ジル・サンダー(JIL SANDER)」でメンズ部門のデザインディレクターを歴任した。また「ジーゼニア(Z Zegna)」や「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」のクリエーティブに携わったのち現職。9月にミラノでデビューコレクションを披露する。

<関連記事>
▶︎ロベルト・カヴァリ、新クリエーティブディレクターにポール・サリッジを起用(2017年5月10日)

【ブリオーニ(Brioni)】

abrioni_logo-20170615_001-thumb-660xauto-710178.jpg


 ブリオーニは2016年4月、バイヤー出身のジャスティン・オシェイ(Justin O' Shea)をクリエーティブディレクターに抜擢するも、半年で退任を発表。後任となるニナ・マリア・ニーチェ(Nina-Maria Nitsche)は、1989年に「メゾン・マルタン・マルジェラ(Maison Martin Margiela)」に加わり、2009年からはクリエーティブディレクションを引き継いだ。2016年にデムナ・ヴァザリア率いる「ヴェトモン(VETEMENTS)」に加入後、今年6月にブリオーニに移籍しクリエーティブディレクターに就任。ニーチェは今後、ブランドのクリエーティブ全般を手掛け、来年1月の2018年秋冬コレクションでデビューする。

<関連記事>
▶︎「ブリオーニ」新ディレクターにマルジェラ出身デザイナーが就任(2017年6月15日)

■ 上半期新体制でデビューしたブランド

【カルバン クライン(Calvin Klein)】

CK-20160801_001.jpg

 2015年10月の「ディオール」電撃退任を経て、ラフ・シモンズによる新生「カルバン クライン」が本格的に始動。拠点をニューヨークに移し迎えたデビューコレクションは、今年2月のニューヨークファッションウィークで発表された。アメリカで活動するデザイナーに送られる「CFDA ファッション アワード」では今年、ウィメンズとメンズ部門のデザイナー・オブ・ザ・イヤーの2冠に輝き、早くもその存在感を示している。


【ジル・サンダー(JIL SANDER)】

jilsander_newdesigners-20170220_001-thumb-660xauto-684712.jpg

 2015年春夏シーズンからコレクションを手掛けてきたクリエーティブディレクターのロドルフォ・パリアルンガ(Rodolfo Paglialunga)が今年3月に退任を発表。後任にルーシー・メイヤー(Lucie Meier)&ルーク・メイヤー(Luke Meier)夫妻を新クリエーティブディレクターに起用しデビューコレクションを発表。ルーシー・メイヤーはマーク・ジェイコブス指揮下の「ルイ・ヴィトン」、ニコラ・ジェスキエールの「バレンシアガ」、ラフ・シモンズの「ディオール」でそれぞれ経験を積み、ラフ・シモンズがディオールを去った後は、同ブランドの共同クリエーティブディレクターとして5つのコレクションを手掛けた。ルーク・メイヤーは、メンズブランド「オーエーエムシー(OAMC)」の共同設立者でもある。

< 関連記事>
▶︎「ジル・サンダー」ラフも注目するデザイナー夫妻を起用(2017年4月7日)


【エルメネジルド ゼニア(Ermenegildo Zegna)】
 zegna-20131203_001.jpg

 アレッサンドロ・サルトリ(Alessandro Sartori)は、「ベルルッティ(Berluti)」のアーティスティックディレクターの退任後、以前在籍していたエルメネジルド ゼニア グループのアーティスティックディレクターとして古巣に復帰。デビューとなった2017年秋冬コレクションを今年1月のミラノコレクションで披露した。

<関連記事>
▶︎「ゼニア」新デザイナーが全ラインを統括、上陸50周年の限定コレクションも(2017年6月9日)

【カルヴェン(CARVEN)】

carven_serge_portrait-20170120_001-thumb-400xauto-640266.jpg

 昨年10月ウィメンズウエアのアーティスティックディレクターを務めたアレクシス・マーシャル(Alexis Martial)とアドリアン・カヨド(Adrien Caillaudaud)の退任が発表。今年2月にセルジュ・ルフュー(Serge Ruffieux)を新クリエーティブディレクターに迎え、2018年リゾートコレクションでデビューした。ルフューは、ラフ・シモンズが「ディオール」を去り、マリア・ グラツィア・キウリがアーティスティックディレクターに就任するまでの期間、「ジルサンダー」の新ディレクター ルーシー・メイアと共にインハウスデザイナーとしてコレクションを手掛けたことで知られている。

<関連記事>
▶︎「カルヴェン」新クリエーティブディレクターに元ディオールのデザイナー起用(2017年1月19日)

【アルフレッド ダンヒル(Alfred Dunhill)】

dunhill-20170421_001-thumb-400xauto-697723.jpg

 「アルフレッド ダンヒル(Alfred Dunhill)」は、ジョン・レイ(John Ray)の後任としてマーク・ウェストン(Mark Weston)を新クリエーティブディレクターに起用。マーク・ウェストンはこれまで、「バーバリー(Burberry)」メンズウエアのシニアバイスプレジデントとしてキャリアを積んできた。ウェストンによるコレクションは、6月に開催されたロンドンファッションウィークで2017年秋冬および2018年春夏コレクションとして初披露された。

<関連記事>
▶︎「ダンヒル」元バーバリーのマーク・ウェストンが新クリエーティブディレクターに就任(2017年5月11日)

【ティファニー(Tiffany)】

krakoff_tiffany-thumb-400xauto-637852.jpg

 今年の初旬、約3年半の間デザインディレクターとしてジュエリーデザインを担当してきたフランチェスカ・アムフィテアトルフ(Francesca Amfitheatrof)が退任。新設職となるチーフ・アーティスティック・オフィサーにリード・クラッコフ(Reed Krakoff)を起用した。リード・クラッコフは、2013年まで16年間にわたって「コーチ(COACH)」のクリエーティブディレクターとして活躍。「ティファニー」では、ジュエリーとラグジュアリーアクセサリーのデザインを手がける。

<関連記事>
▶︎「ティファニー」の新設職に元コーチのリード・クラッコフが就任(2017年1月17日)

■ 現在ディレクターが不在のブランド

【エミリオ プッチ(EMILIO PUCCI)】

MSGM_20160407-20160408_001-thumb-660x440-540023-thumb-660xauto-684590.jpg

 「エミリオ プッチ」でクリエーティブディレクターを務めたマッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)は、2015年4月の就任から約2年で退任を発表。ジョルジェッティは、ピーター・デュンダスの後任として同職に就任以来、自身のブランド「エム エス ジー エム(MSGM)」と「エミリオ プッチ」のクリエーティブディレクターを兼任してきた。今後は自身のブランドに注力していくという。後任は未定。

<関連記事>
▶︎マッシモ・ジョルジェッティ「エミリオ プッチ」去る MSGMに注力(2017年4月7日)


【クレージュ(courrèges)】

 2015年にウィメンズウエア アーティスティックディレクターに当時25歳と26歳の若さで抜擢されたアルノー・ヴァイヤン(Arnaud Vaillant)とセバスチャン・メイヤー(Sébastien Meyer)。デビューとなった2016年春夏コレクションではブランドにとって13年ぶりにランウェイショーを復活させるなど話題を呼んだが、2017年秋冬コレクションを最後に約2年での早期退任となった。後任は近く発表される予定。

<関連記事>
▶︎クレージュ、アーティスティック・ディレクターの若手デザイナーデュオが早期退任(2017年7月21日)

【ヴェルサス ヴェルサーチ(VERSUS VERSACE)】


 前任のアンソニー・ヴァカレロが「サン・ローラン」へ移籍してから同職は1年以上空席のまま。ヴェルサーチブランドを統括するドナテラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)と親交が深いことから「ジバンシー」を去ったリカルド・ティッシが就任するという噂が有力視されているが、公式発表は未だ行われていない。

■ デザイナー退任の噂があるブランド

【マーク・ジェイコブス(MARC JACOBS)】

 「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のクリエーティブ ディレクターを務めるマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)が、同職を退任するのではないかという噂が浮上。本人は自身が出演したトークショーでこの噂を否定したというが、クリエーティブを他のデザイナーに一任する可能性もあり、今後の動向が注視される。

<関連記事>
▶︎マーク・ジェイコブスが自身のブランドを退任する噂が浮上(2017年7月29日)

■ 現在ディレクター職に就いていない大物デザイナー

アルベール・エルバス(Alber Elbaz)

avant-converse-20170324_001-thumb-660xauto-679561.jpg

 アルベール・エルバスは、「ギ・ラロッシュ(Guy Laroche)」や「トム・フォード(TOM FORD)」、「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」などのメゾンで経験を積み、2001年から「ランバン」のアーティスティック・ディレクターを歴任。14年の在籍期間には、「ランコム(Lancôme)」や「H&M」と協業するなど、ブランドの成長に貢献するも2015年10月に退任。その後はデザイナーとして目立った活動はしていなかったが、日本限定展開の「アヴァン コンバース(AVANT CONVERSE)」でデザインを手掛け、来日を果たすなど今後の動向に注目が集まる。


★エディ・スリマン(Hedi Slimane)

 エディ・スリマンは、1997年から「イヴ・サンローラン」メンズのディレクターとして活躍。2000年に同職を辞してからは「ディオール オム(DIOR HOMME)」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、2006年まで在籍。デザイナーを退任した後、フォトグラファーとして雑誌や広告などで活動していた。2012年からは「イヴ・サンローラン」メンズ・ウィメンズをはじめとする全コレクションを統括し、デザイナーとして復帰したが、在籍4年で同職から退任することが発表された。現在は写真家としての活動が目立つ。


★リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)

 リカルド・ティッシは、2005年秋冬オートクチュール・コレクションで「ジバンシィ」ウィメンズ部門の主任デザイナーに就任後、2009年春夏コレクションからはメンズウエアも担当。2017年春夏オートクチュールコレクションを最後に今年2月、12年間在籍したメゾンを去った。退任発表後は「ヴェルサーチ(VERSACE)」への移籍が取り沙汰されたが、現在までに公式発表はされていない。