2大都市からみるイスラエルのファッション事情【前編:エルサレム】

エルサレムの旧市街 Photo by: FASHIONSNAP

 「イスラエル」と聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょう?「政治」「宗教」「和平」といったワードと共にニュースで目にするものの、現地の人々の暮らしに触れることは少ないのではないでしょうか。今回、イスラエル観光局主催でエルサレムとテルアビブの2大都市を巡るツアーに参加。前編では聖地・エルサレム(Jerusalem)を中心に、イスラエルの歴史や人々の装いから現地の暮らしをのぞいてみます。

イスラエルを知る

 イスラエルの歴史は、国家となる以前を含めると、約4,000年前(紀元前17世紀)の聖書時代にまで遡ります。長きに渡り迫害を受け、世界中に散らばるユダヤ人が安心して還れる場所として、1948年に今のイスラエルが建国されました。国境をレバノン、シリア、ヨルダン、エジプトと接し、中東の地中海・東海岸沿いに位置します。現在イスラエルに住む約840万人の人口のうち、約8割弱がユダヤ人、約2割がアラブ人という構成比です。

 日本からの直行便はなく、今回はソウルの仁川経由で現地入りしました。乗り継ぎ含め15時間ほどで、イスラエルの玄関口となるベン・グリオン国際空港に到着します。

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 到着後、まずはイスラエルの観光地を巡るツアーからスタート。空港から車で1時間ほどかけ「エルサレム」に向かい、新市街に位置するMahane Yehudaマーケットに到着です。訪問した金曜日は、ユダヤ教では「シャバット」と呼ばれる安息日にあたるので、「シャバット」が始まる夕方までは買い物客で大きな賑わいを見せます。「シャバット」では労働が禁じられているほか、電気製品の使用が禁止(エレベーターや電気のスイッチに触るのも厳禁)されているので、地元の多くの人が週末分の食料をまとめて買いに訪れます。

israel-20170310_002.jpgisrael-20170310_005.jpg 多くの成人男性が頭にのせているのは「キッパ」と呼ばれる小さな皿状の帽子です。ピンで留めて着用するそう。マーケットではニットで編まれたものや、カラフルな刺繍が入ったものも売られています。

israel-20170310_008.jpgisrael-20170310_004.jpg マーケットでは香辛料や穀物やナッツ類からできた郷土菓子のハルヴァ、シロップ漬けのペストリーなどの食料品から衣料品まで、様々な日用品がそろいます。

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 一般的なユダヤ人教徒の家族の装いです。男性はキッパを被り、女性は髪をはじめ肘や膝を隠すのが基本ですが、着用しているのはスニーカーやダウンジャケット、サングラスといった、カジュアルなアイテムが多いようです。

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 マーケットの次は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地である「エルサレム」の旧市街へと向かいます。宗教における歴史的にも重要な遺跡が多く点在し、観光客や巡礼者が多く訪れ、賑わい中にも厳粛さや静寂が流れる地区です。旧市街はキリスト教徒地区、ユダヤ教徒地区、アルメニア人地区

、ムスリム地区の4区画に分かれています。

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 巡礼に訪れるユダヤ教の超正統派と呼ばれる信仰の厚い成人男性は黒色の服ににシルクハットを被った出で立ちで、帽子の傾きや腰につけた紐の長さなど、細かい着こなしの違いで互いの宗派やグループを認識するそう。

israel-20170310_023.jpgisrael-20170310_027.jpgisrael-20170310_018.jpg 多くのユダヤ人巡礼者が家族連れで目指すのは、かの有名な「嘆きの壁」。エルサレム神殿の外壁のうち、高さ約20メートル、長さ約60メートルの現存する一部が祈祷エリアになっています。巡礼者たちは男女に別れ、額を壁につけ祈りを捧げます。祈祷の時間は人によって異なり数十分以上に及ぶことも。壁の隙間には、祈りを書き留めた紙切れがいたるところに挟んであります。

islael2-20170310_003.jpgisrael-20170310_021.jpgisrael-20170310_026.jpgisrael-20170310_025.jpg イスラエルには兵役義務(18歳で徴兵され男性は3年、女性は2年)があるため、週末には銃を携え制服姿で帰省する若者も多く見られます。

israel-20170310_019.jpg キリスト教徒にとって重要な建物が、イエスの墓があったとされる場所に建つ「聖墳墓教会」です。入り口の塗油の石には多くのキリスト教徒が祈りを捧げに訪れます。

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islael-20170310_004.jpg 旧市街では観光客向けの土産物屋も多く点在します。魔よけとして手のひらに目が書かれた「ハムサ」や水タバコなどが売られるほか、ピカチューならぬ「ピカジュー(Pika Jew)」Tシャツも発見してしまいました。

israel-20170310_029.jpgisrael-20170310_033.jpgislael3-20170310_001.jpg 

【番外編】イスラエルの名所・死海を巡る

 エルサレムを後にし、翌日はバスで2時間弱かけてユネスコの世界遺産でもある巨大要塞「マサダ」へと向かいます。麓からロープウェーで約5分ほどで要塞のある山頂へ。一面に広がる砂漠の地平線には死海を見下ろすことができます。

islael-20170311_007.jpg マサダはヘロデ王により紀元前100年頃に建設。高さ400mの岩山に建てられ、難攻不落の砦として栄華を誇りました。その後ローマ帝国の支配下にあったユダヤ人が決起し、ユダヤ戦争が勃発。西暦70年にエルサレムが陥落後、ユダヤ人約1000人がここマサダに立てこもり、集団自決という悲劇的な幕引きまで2年以上も抵抗を続けたことから、ユダヤ人にとって重要な場所の一つになっています。

israel-20170311_040.jpgisrael-20170311_041.jpg マサダから10分ほど移動し、イスラエル観光の名所「死海」へと向かいます。地表ではもっとも低い標高マイナス400メートルにある塩湖で、海水の塩分濃度は約30%と普通の海水の約10倍もの濃さになります。この濃度によって体が浮くことで有名ですね。

israel-20170311_043.jpgislael-20170311_008.jpgislael-20170311_009.jpg 傷などの治療には効果覿面とのことですが刺激が強すぎるため、15分以上の浮遊は禁物。10分ほど浮かんで塩水から上がると、肌に塩の結晶がたくさん。すぐに真水のシャワーでしっかりと塩分を洗い流しましょう。イスラエルには、この死海に含まれるミネラルを多く含んだ美容プロダクトも多く存在します。日本でも展開されている「サボン(SABON)」や「ラリン(Laline)」なども、イスラエル発祥のブランドです。

islael-20170311_010.jpg エルサレムやマサダ、死海など、歴史が深い観光地を巡ったあとは、イスラエルの"今"を象徴する街、テルアビブへと向かいます。

>>【後編】に続く