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【インタビュー】「ファッションの未来を担う」ITSグランプリ中里周子が思い描く"アカルイミライ"

中里周子 Photo by: Fashionsnap.com

 まだブランドも立ち上げていない25歳のデザイナーが"本場"で認められた。欧州最大のファッションコンテスト「ITS(イッツ)」2014において、ジュエリー部門のグランプリとなるSWAROVSKI ELEMENTS JEWELRY AWARDを受賞した中里周子(なかざと のりこ)だ。現在東京藝術大学大学院に通う学生ながら、乃木坂46のスタイリングや「シブカル祭。2014」のヴィジュアルを手がけるなど、これまで知る人ぞ知るデザイナーとして国内で評価を受けてきた。「ファッションの未来を担っていく」と真摯な眼差しで語る中里は何者か?

■欧州最大のファッションコンテストでグランプリ

「ITS」2014で、ジュエリー部門のグランプリとなるSWAROVSKI ELEMENTS JEWELRY AWARDを受賞

 今思うと正直よく受賞できたなという感じです(笑)。締め切りの一ヶ月前に作品を出すことを決めたこともあり、終始バタバタしていましたけど、これまで自分が培ってきたものを表現し、結果受賞できたのでとても嬉しかったです。

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ITS出展作品 ©Braian Weiland

−受賞作品のテーマは?

 「ジャパンテクノロジー」というテーマで作りました。昔の日本って今みたら正直"ダサい"と思うんですけど、一方で日本人のものづくりの強さを感じることも多くて。今回の作品では五円玉や般若の面など"ダサい"ディティールを取り入れながらも、抜け感を意識してモダンに仕上げました。

its_nakazato201458a-20140402_003-thumb-660xauto-279562.jpgITS出展作品©モニカ・モギ

−「ITS」ではプレゼン力が問われると聞くが。

 作品を作って終わりではなく、「ITS」ではしっかり作品の意図を伝えなければ勝ち上がれません。事前に何を話すかは準備していたんですが、いるはずの翻訳者がいなかったり、作品がずれていたりとトラブル続出で(笑)。幸運にも家族に英語ができる人がいたので、アドバイスをもらって何とか乗り切ることができました。

nakazato2014922-20140715_012.jpgITS作品

−プレゼンではどういった話を?

 会場では、テクニカルなことを話す人が多かったんですが、特別な技法を用いていなかった私はとてもじゃないけれどテクニカルの話をしても勝てないなと思いました(笑)。だったら夢を大きく語ろうと思い、こういうふうに生きていきたいですということを話しました。私はジュエリーがやりたいんじゃなくて、人間を取り巻く事象について考えていきたいということを熱く語ったら、拙い英語だったにも関わらず皆さん真剣に聞いてくれたのが嬉しかったです。

nakazato2014922-20140205_001.jpgプリズム・ロード ©Monika Mogi

−人間を取り巻く事象とは「ここのがっこう」で師事した山縣良和、坂部三樹郎の言う新しい人間観を提示するということ?

 それももちろん含まれると思うんですが、その次のステージがあるだろうと漠然と考えています。個人から出発した思想ではなくて、より普遍的で、より超越的な概念があるような気がしていて。ファッションについて考えることが社会の本質に辿り着くアプローチの一つなのではないかと思っているのですが、まだ実態は掴めていません(笑)。

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