パリで行くべき、日本人シェフのレストラン3選

 パリでは日本人シェフの活躍がめざましい。フランスの高品質な食材を用い、日本人ならではの繊細な味を生み出す彼らによる美しい皿の数々は、フランスのみならず、世界中の食通たちの舌をもうならせる。今回はパリに数多く存在する日本人シェフの中でも料理の実力はもちろん、個性とカリスマ性を備える"食の三銃士"に注目。ファッション関係者も足繁く通う、その味とは?(text:Mami Okamoto)

1. DERSOU

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カクテルと料理のペアリングを提案する、アイディアあふれるレストラン

 バスティーユ広場近く、12区にあるレストラン「デルス(Dersou)」。パリをはじめ、海外の数々の名だたるレストランで腕を磨いたのち、2014年パリにお店を構えた関根 拓氏がオーナーシェフのお店だ。彼の料理に合わせて、共同経営者で世界的に有名なフランス人のバーマン、アモリ氏が作るカクテルを味わえるこのレストラン。料理1品ごとにカクテルをペアリングした新しいコース料理のスタイルが話題を呼び、パリのフード業界を席巻している。

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 フレンチをベースに、アジア料理の要素を取り入れるなど、ジャンルの垣根を取り払った独創的な料理は、常にインプットを欠かさず、新しい知識と好奇心で新しい料理作りにチャレンジする関根氏ならでは。料理界のパリコレともいえる世界的イベント「Omnivore」で最優秀賞を獲得。また、グルメガイド「Le Fooding」では2016年のベストレストランに選ばれるなどメディアにも度々登場する彼は、美食の街フランスでも著名な料理人としてグローバルに活動する。

 また、このお店は週末限定でブランチ営業もしていて、創作料理を手頃な価格で気軽に楽しめるというもう1つの顔がある。メニューはラーメン、素材にこだわったパンケーキ、餃子やキムチ、肉まん、丼ものまで......。関根氏の好きなものや、作ってみたいものをゼロから手作りする、まさに国籍を問わない食のるつぼ。そんなジャンルレスな皿も関根氏の手にかかれば、見た目も味も洗練された装いに。そちらもぜひ注目したい。

DERSOU / 関根 拓シェフ

derso_20170702_03.jpg【住所】
21 Rue Saint-Nicolas, 75012 Paris

【電話番号】
09 81 01 12 73

【営業時間】
夜:火曜~土曜19:30~23:00
昼:土曜、日曜12:00~15:30 ※月曜、日曜夜休

【メニュー】
夜のコース 95ユーロ(5皿5カクテル)、115ユーロ(6皿6カクテル)、135ユーロ(7皿7カクテル)
週末のブランチ アラカルトで14~25€程度

【HP】
http://www.dersouparis.com


2. Le Clown Bar

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若手日本人シェフによる、本当に美味しいフレンチと自然派ワイン

 感度の高い人々が集う北マレ地区にある「クラウン・バー(Clown Bar)」。店名「クラウン」とは、サーカスのピエロのことで、もとは100年以上の歴史がある往年の老舗。20世紀初頭にはサーカス関係者が集ったという店内の一部は歴史的建造物で、壁や天井にはサーカスやピエロがモチーフが多数。そんなクラシックな雰囲気を活かしたモダンな内装、良質な素材を使ったシンプル&スタイリッシュな料理とエッジの効いた自然派ワインの組み合わせで、連日賑わう人気店だ。

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シェフは日本人の若手実力派、弱冠31歳の渥美 創太氏。若くしてパリの有名店で活躍、20代半ばでシェフに抜擢されただけあって、その実力はフランスでもお墨付き。そんな彼が手がけるのは、シンプルでまっすぐな美味しい本格フレンチ。とはいえメニューはアラカルトで、肩ひじ張らずに楽しめる。

 ジビエなどの肉類、バターやチーズなど、現地パリで食べるからこそ美味しい食材を吟味し、センスよく組み合わせた料理は、シンプルで本当に美味しい。また、柚子や土佐酢などの日本食材を使ってアクセントを効かせるなど、味のコントラストの付け方が絶妙で、豪快だけど繊細。

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 メインの鳩のロースト、鴨のパイ包み焼きなども重すぎず、クラシックかつ洗練されたフランス料理を堪能できる。また、ワインは自然派のみのラインナップでボトルでもグラスでも楽しめる。内装、料理、ワインどれをとっても魅力的な、予約の取りづらい人気店。

Le Clown Bar / 渥美 創太シェフ

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【住所】
114 Rue Amelot, 75011 Paris

【電話番号】
01 43 55 87 35

【営業時間】
昼 12:00~14:00
夜 19:00~23:00頃
※月・火定休

【メニュー】
アラカルトで10~35€程度

【HP】
http://www.clown-bar-paris.com/





3. Restaurant AT

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色彩にこだわる、コンテンポラリーアートのような美しい料理

 セーヌ川にほど近いパリ5区に位置する「AT」は、コンテンポラリーでモダン、まるでアートのような美しい料理が評判のレストラン。オーナーシェフの田中淳氏は、ピエール・ガニエールに感銘を受け、パリ「ピエール・ガニエール」やスペイン「キケ・ダコステ」、ベルギー「デ・パストラル」などで修行を重ねた後、2014年に自身のレストランをオープン。「色からひらめく」という田中氏の料理の特徴は、なんといってもその言葉通り美しい色彩にある。色鮮やかな料理と、逆に黒やグレーという無彩色、またカモフラージュ柄のような料理を、巧みにコースに組み込んでいるのが印象的だ。夜のコースは11皿という品数で、様々な色彩を楽しめる。皿に載ってはじめてデザインが完成されるアート作品のように、食器と料理とのカラーバランスにもこだわっている。

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また、モノトーンを基調にした店内も、シンプルモダンで料理を引き立たせる。その美意識は、レストランの内装からも伝わってくるよう。空間までトータルバランスを大切にした、まさにコンテンポラリーでクリエイティブな新世代のフレンチである。ワインは、自然派を数多くラインナップ。料理とワインのペアリングを提案している。ちなみに田中シェフは自他ともに認めるファッション好き。リック オウエンスなどを着こなし、常にスタイリッシュなモノトーンスタイルで、自身のファッションからも色彩へのこだわりと美意識が伝わってきます。

Restaurant A.T / 田中 淳シェフ

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【住所】
4bis Rue du Cardinal Lemoine, 75005 Paris

【電話番号】
01 56 81 94 08

【営業時間】
12時~14時・19時~21時30分
定休日:日曜、月曜日

【メニュー】
ランチ/7皿55€のコース
※ワインペアリング30€

ディナー/11皿95€のコース ※ワインペアリング70€

【HP】
http://www.atsushitanaka.com/

(text:Mami Okamoto)