【2016年版】注目される期待の若手ブランドベスト9 メンズ豊作年になるか?

 毎年期待される若手ブランドを取り上げる「若手ブランドベスト9」。今年も活躍が期待される日本人が手がける9ブランドを「打線を組んでみた」で紹介します。知名度はまだまだですが、一部で高い評価を受けるなど着実に力をつけているブランドが目立ちました。




1番・センター:「ダブレット(doublet)

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今年は初のランウェイショーも、国内メンズを牽引するブランドになれるか

「ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)」出身の井野将之が手がけるメンズブランド「ダブレット」は「違和感のある日常着」をコンセプトにアイテムを展開。2016年春夏コレクションでは「Fwd:make」をテーマに、パンクやミリタリー、ハワイアンなどの様々なジャンルのハンドペイントを重ねたライダース、スケートボードのクラッチバッグ、ポップコーン袋に入るパックTシャツなどを発表した。「2015 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」のショーで初のランウェイショーも経験し単独でのファッション・ウィーク・東京でのショー開催を視野に入れつつ、海外展開に向けて国外のタームに合わせたものづくりにも力を入れていくとのこと。クリエイションにビジネス、ブランディングと走攻守揃ったリードオフマン的なブランドです。

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2番・ショート:「ターク(TAAKK)

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新ブランドのデザイナー就任で新境地、今後は海外メンズのスケジュールに合わせた服づくりを

「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」、「イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)」でパリコレクションの企画デザインを担当した森川拓野が手がける「ターク」。2016年春夏コレクションでは、マルチカラーのプリント生地をリボン状にヒートカットしてねじ込みながら生地に留め付けるルーパー刺繍のブルゾンが注目された。また麻×ポリエステルの2重織り組織により、 軽さと機能性を持たせたデニムの表情を再現したブルゾンやジャンプスーツなども発表。立体的な刺繍で表現したカットソーなども高評価を獲得した。素材やテクニックにこだわりすぎるため、利益率が低くなってしまうことが目下の悩み。森川氏は、今シーズンから新ブランドメンズブランド「ミディウミソリッド(MIDIUMISOLID)」のデザイナーにも就任し、2ブランドのデザインを手がける予定。今後は「ダブレット」同様、海外メンズのスケジュールに合わせた服づくりでビジネスを展開する。2ブランドのデザインを手がける器用さと、仲の良い「タブレット」井野氏との連携を期待して2番バッターにしました。

TAAKK

3番・ライト:「ヨウヘイオオノ(YOHEI OHNO)

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リステア柴田麻衣子が認めた逸材、クオリティ向上で一気に日本を代表するブランドに?

早稲田大学を中退後、文化服装学院、文化ファッション大学院大学を卒業したデザイナーの大野陽平は、2012年に神戸ファッションコンテストで特選賞を受賞。特典として英ノッティンガム芸術大学へ留学し、帰国後の2014年にブランドを設立。2016年春夏コレクションは、バウハウスやドイツの家電製品、ブルーノ・ムナーリ著「My Futurist Past」などから着想を得て、少し滑稽でエネルギッシュな近代感を表現したという。洋服にプリントされたポスターは、グラフィックデザイナーの東海林氏が手がけた。早くもリステア(RESTIR)で取り扱いが決まるなど注目の高さは随一。学生時代野球部で、外野を守っていたという大野氏は「ブランドも自分も若いうちに、より幅広いフィードバックを得られるように、国外でも服を見せたいと考えています」と今後の展望について語った。トリプルスリーを達成した柳田選手のように日本を代表するブランドになれるのか注目です。

YOHEI OHNO

4番・ファースト:「リョウヘイ カワニシ(Ryohei Kawanishi)」(LANDLORD NEW YORK

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UNIQLOが支援、海外で評価される新進気鋭デザイナーの新たなプロジェクトにも注目

ロンドンのCENTRAL SAINT MARTINSで学士号、米国のParsons MFA Fashion Design and Societyで修士号を修了した超エリートデザイナー川西遼平が手がけるブランド。1987年生まれの川西氏は、イニシアチブとユニクロが協働し、次世代の教育支援「TOMODACHI-UNIQLO フェローシップ」にも選出されており、2016年春夏コレクションは「イッツ(ITS)」2015でグランプリを獲得した奥田浩太(KOTA OKUDA)とコラボレーションし、NYコレクションで作品を発表。フランスのセントエティエンヌ・インターナショナル・ビエンナーレストックホルムのLiljevalchsなど様々な国で作品を展示しており、そのデザイン性の高さから海外メディアにもフィーチャーされた。次のシーズンからはニューヨークを拠点に、メンズウェアを新ブランド「Landlord」として展開。フェデックス(FedEx)のロゴが入ったジャケットや傘、トイレットペーパーを用いたコレクションは、パンチ力がありホームラン量産間違いないし。「LANDLORD」の評価次第では、数年後に日本を代表するデザイナーになるかも?

Ryohei Kawanishi

5番・キャッチャー:「キクスドキュメント.(KICS DOCUMENT.)」<Women's>< Men's>

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パリの合同展示会TORANOIに初出展、着用するとわかる独自パターンで作られたシャツが魅力

2012年に創業したキクスドキュメントは、人間工学を取り入れた立体パターンと、素材から縫製・加工まで全てメイド・イン・ジャパンに拘ったもの作りが特徴のブランド。ジャケットに用いられる前振り袖を採用したシャツが人気で、2016年春夏コレクションでウィメンズラインもデビュー。今年はじめて合同展示会トラノイ(TORANOI)に出展したことで、アメリカ西海岸やロンドン等のショップで取り扱いが決まるなど着実にビジネスが拡大中。デザイナーの武石佳南子は来年の目標について「Made in Japanという言葉だけに頼らず、そのクオリティを生産サイドと共にブラッシュアップし続けるため、生産工場・パタンナー・職人達との密なコミニュケーションをとっていきたい」とコメント。冷静な分析力=リードに適しているという点と、いきなり海外で結果を出したこと=確実に打点を上げてくれそう、という期待から5番キャッチャーが適任と考えました。

KICS DOCUMENT.

6番・レフト:「ティー(TTT)

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デザイナーは22歳、モダンストリートを提案する期待の新星

ブランドテーマに『ジャンルレス、ジェンダレス、ボーダレス』を掲げるモダンストリートウェアブランドのティー。様々な特殊素材を巧みに使用したリアルクロージングを展開するブランドで、着心地、機能性を重視したプロダクトを提案している。原宿ストリートカルチャーに根ざしたデザインを得意とするTAMASHABU(玉田翔太)は若干22歳の若きデザイナー。2月11日からニューヨークで初めて単独での期間限定店を行う予定となっており、日本の新世代の服が海外でどう受け入れられるのか注目。「WBSCプレミア12」で大活躍した中田翔選手のようにブレイクなるか。

7番・セカンド:「ミューラル(MURRAL)

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繊細を武器に2017SSに東コレデビュー?乃木坂46の衣装でも注目

杉野学園ドレスメーカー学院出身の村松祐輔と関口愛弓のデュオが手がける「ミューラル」は、【服を着るという行為を服を着たという意識へ そこから生まれる新しい日常】というコンセプトのもとコレクションを製作。2016年春夏コレクションでは「思春期」をテーマに、純粋さの中に潜む反発心や不安定さ、少し大人びた様子等を散りばめたコレクションを提案。イメージソースは映画「The Virgin Suicides」で、ガーリーな世界観にメンズライクなミリタリーテイストやネイティブアメリカンなどのディテールやモチーフを加え独自の世界観に落とし込んでおり、得意のチュールを使った繊細なデザインはセカンドのイメージにぴったり。また今年は12月17日〜18の間行われた武道館での乃木坂46のライブや柴崎コウさんのライブツアー衣装を提供したことでも注目を集めた。なお2017年春夏シーズンには、ファッション・ウィーク・東京の参加を検討しているとのこと。

MURRAL

8番・サード:「メタファー(Metaphor...)

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デビューシーズンで代々木上原の名店DELTAで取り扱いが決定、地盤を固めゆくゆくは世界へ

エスモード出身の深津研人が2015年に立ち上げた新ブランドの「メタファー」。ブランド立ち上げ前には、セレクトショップCANDYでのエキシビション開催や、レディー・ガガ(Lady Gaga)に2度衣装提供したりとブランド設立前から注目を集めた。物事の視点を変える手法を用いて製作したアイテムが特徴で、ファーストシーズンはタグを全面に押し出したワンピースなどを発表。深津氏は将来は海外進出も視野に、ビジネスとクリエイションを両立させていきたいと語っている。まだデビュー間もないですが、21歳のときに8番サードで好成績をあげた掛布雅之氏のような活躍を期待します。

9番・ピッチャー:「オールモストブラック(ALMOSTBLACK)

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小木"POGGY"基史も注目、新人離れした安定感とグラフィックが武器

中嶋峻太と川瀬正輝が2015年に創設したメンズブランド。ブランドネームの由来は古くから日本人に愛されてきた「褐色」で、日本人のスピリットを感じさせる「褐色服」を目指している。2016年春夏コレクションでは、「CAPRICIOUS 破調」をテーマに陶芸家で人間国宝の松井康成の作品「破調」や「90年代のパンクからスケートへの変遷」をデザインソースにしており、ハンドメイドキャップブランド「PICKLES」に制作を依頼したベースボールキャップやドロップショルダーのファティーグブルゾンなどを発表。2シーズン目にしてすでに「idea by SOSU」や「ユナイテッドアローズ&サンズ(UNITED ARROWS & SONS)」のウェブ、香港のI.T.など有名ショップで取り扱われている。着実に成長を続ける安定感と斬新なグラフィック=鋭い変化球というイメージから、ピッチャーに抜擢しました。

ALMOSTBLACK


今回は前回よりもメンズブランドが多くなりました。「サカイ(sacai)」のように世界で活躍するブランドに成長できるのか、紹介したブランドの今後の活動に注目です。

2015年に注目したい期待の若手国内ブランドベスト9