【木下優樹菜インタビュー】マウジー販売員から「Avan Lily(アヴァンリリィ)」立ち上げまでの秘話

 世界に向けたグローバル旗艦店「The SHEL'TTER TOKYO」にて、今春デビューした話題の5ブランドが一挙ラインナップされます。そこで、新ブランドを仕掛ける3名のディレクター&プロデューサーにインタビュー。新ブランドのことや、渋谷・原宿という街についてのお話も聞きました。

最終回のインタビューは、モデルでタレントの木下優樹菜。18歳の頃「moussy(マウジー)」でショップスタッフとして働いていた彼女は、同社バロックジャパンリミテッドから新ブランドをプロデュース。「Be Free and Easy」をコンセプトに掲げた、ウィメンズブランド「Avan Lily(アヴァンリリィ)」を2012年春夏シーズンよりデビューさせます。

ーブランドをプロデュースすることになった経緯は?
 もともとファッションが好きで、ブランドを作る側の仕事に携わりたいという思いから「moussy」でショップスタッフを始めたのですが、働いているうちに全然違う道に行っちゃって(笑)。タレントをしながらモデルの仕事をスタートさせたんですけど、仕事がら、いろいろな洋服を着るようになって「こういうのがあったらいいなぁ」っていう思いが強くなってきたんです。今回のお話を頂いた時には自分が好きな物やスタイルの明確になっているものを形にしたい!と思っていた頃だったのでバッチリのタイミングでしたね。

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ーブランドのテーマはありますか?
 ブランドのテーマは"ヴィンテージ感を取り入れつつ、さくっとゆるっとキめすぎない"すごくざっくりしたテーマですよね(笑)。簡単に言えば、頑張りすぎないっていうのがキーワードです。これまでに、ギャル系やBガールとか、様々なジャンルのファッションに挑戦してきて、結果、辿り着いたのが"シンプルイズベスト"だった、という感じ。ナチュラルでラフだけど強さを感じる、男性に媚びらないファッションですね。

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ーインスピレーションはどこから?
 海外のスナップはよく見ますね。さらっと着こなしているんだけど、なんか"サマ"になるというか。かっこいい!と思っちゃうのは、見た目が全然違うというのが理由のひとつなんだろうけど。あ、それ言っちゃおしまいですね(笑)。そんなかっこ良さを実現できるブランドとして「Avan Lily」から素敵なアイテムを提案していきたいです。

ーブランドのターゲット層は?
 下は16~7歳くらいから、上は30歳くらいの女性まで、幅広いお客様に着てもらいたいです。トレンドを追いかけすぎてないベーシックなアイテムが多いですし、トレンドもきちんと押さえているので、クローゼットにあっても困らないと思います!


ー出来上がったアイテムを見てどうでしたか?
 自分が思っていたより、意外と形になるんだなって思いました(笑)。何もかもが初めての体験だったのですごく不安だったんですが、 モデルやタレントの仕事とは全然違う感覚で仕事に向き合っている自分がいて、すごく新鮮な感じでしたね。ただ、これまでの仕事がとても利点になっていることもあります。例えば、ビジュアル撮影も、自分がモデルの仕事をやっているので、どういう風に洋服を見せたら良いかがわかるのですごく楽しんでできました。

ーブランド立ち上げからデビューまでに苦労したことはありますか?
 特にないですね。でも、これから多分、そういう壁にぶち当たっていくんじゃないのかなと思う。強いて言うならスケジュールがタイトだったくらいかな。タレントの仕事をやりつつなので、始めのうち、ちょっと訳が分かんなくなっちゃった時もありました。この仕事を本格的に行うためにiPadも買ってみたんですけど、よく分かんないっていう(笑)機械が苦手なんです(笑)。追々ちょっとずつやっていこうかと思っています。

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ー逆に嬉しかったことはありますか?
 オープンもしてないので、期待状態。いいね!って言ってくれる反応を期待してる自分がいる。ほんと、まだ、どきどきしてますね。

ーブランドプロデュースの件を発表されたときの反響は大きかったですよね。
 発表時期にブログを始めたんですけど、いきなり1位になってびっくりしました。地元の友達は、「やると思ってたよ」みたいな反応。芸能界一仲の良い青山テルマちゃんは、「ほんと頑張ってね!」って楽しみにしてくれています。テルマは、すごくファッションに敏感で、色んなファッションショーなどにも行っていますね。好きなジャンルは全然違うんですけど刺激を与えてくれています。

ー「moussy」は今でも好き?
 今でもほんと好きですね!意識していなくてもやっぱり「moussy」を買ってしまいます(笑)


ーSHIBUYA 109で働いたのは何かきっかけがあったんですか?
 高校生の時は自分が好きじゃない仕事をしたくないっていう考え方だったので、バイトにも全く興味が無かったんです。渋谷にある通信制の高校に行っていたので、普通の高校生よりもバイトをする時間があったんですが、いざバイトを始めても長くは続かなかったり・・・でも色々と落ち着き始めた高校3年生の時に、友達と渋谷のセンター街のマックで「将来どうしようか?」という話になったんです。その時からオシャレが好きだったし、髪も爪もオシャレの一部なんだから、"ネイルがNG"なんて職場では働きたくないって思ったらショップスタッフしかない!って。その頃のマルキューの中で、一番かっこいいと思っていたのが「moussy」だったんですよ。友達も自分も「moussy」が好きで、ショップスタッフさんを見ていても、他の店員さんと違うなって思いましたね。


ー実際に「moussy」で働いてみてどうでした?
 楽しかったですね。合格して実際にショップスタッフになって改めて感じたのは、「moussy」がほんとにかっこいいなって思ったこと。スタッフ間のミーティングでも、他のブランドとは違って、一本筋みたいなのを感じられた。お客様への「いらっしゃいませ」のお声がけひとつにとっても、言い方やイントネーションにこだわったり。とにかく何においても一つ一つにすごくこだわりがあって、やっぱりこのブランドかっこいいなって思いました。

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ーそこから 6、7年を経て自身のブランドを立ち上げることになるんですね
 はい。縁ってほんとにあるんだなって思いました(笑)でも、それはバロックだからこそ実現したんだと思います。

ー今戻ってきてどうですか?
 良かったです、帰るところがあって(笑)。プロデュースさせてもらうことになって、「moussy」で働いていたことは今となってはとても勉強になっているし、良い経験。働いていた頃は、朝、店舗に着いてから髪型のチェックもあったし、会社が開催するメイク講習にも参加していました。今後、ユキナもプロデューサーとして、例えば今シーズンのメイクはこんな感じ!っていうようなことも発信していきたいですね。


ー学生の頃の渋谷ってどんな印象でしたか?
 毎日渋谷にいました。その頃の渋谷はいわゆる"マンバ"が流行っていた時でした。ハイビスカスのモチーフの服を着たりして、「moussy」で働く前の話しですが、超ギャルでしたね。とにかく楽しかったです。学生だったし、働いてないし(笑)。


ー原宿って行ったりしますか?
 行きますよ。デビューしたばかりの頃は渋谷に頻繁に行ってました。マルキュー(=SHIBUYA 109)に行くと「ユキナちゃんだ!」ってバレちゃって、警備員さんが出動するなんてこともありました。最近では自分が好きなファッションのテイストも変わってきたので、原宿ばっかりです。キャットストリートを散歩するのが楽しくて好きですね。

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―今の原宿と渋谷は木下さんにどう映っていますか?
個人的には、最近、渋谷と原宿の境目が無くなってきたんじゃないかなって実感します。昔だと、原宿に何の用も無かったんですけどね(笑)。人によっては境目がきちんとある人もいると思いますけど、前よりも境目が無くなってきたんじゃないかなっていうのはすごく感じています。

ー境目がなくなってきて何かファッションにも反映されていると思いますか?
 例えば、原宿の子が好きだったであろうタイツを、渋谷系のファッションの子たちが原宿に買いに行ったり、髪の色も、赤系やピンク、グラデーションとか、前までは所謂"原宿系"寄りだったと思うものを渋谷系の子が取り入れていると思う。多分男の子の方が原宿文化を吸収して、境目が無くなっていると思うんですよね。たまに渋谷で絵に描いたような典型的ギャル男を見ると「あ、奇跡」みたいな。「あ、いたの?いたのね!? いいじゃんいいじゃん」って言いたくなっちゃう(笑)。


―ブランドの初お披露目が「The SHEL'TTER TOKYO」ですが、SHIBUYA109でデビューしたかった!なんてことはないですか?(笑)
 それは無いです(笑)オシャレな街"原宿"で初お披露目っていうのは嬉しいですよ。しかも原宿を象徴するあんなところに!この間も行きましたけどすごいかっこいい店舗になっていますよ。次の日(4月19日)にはダイバーシティにも店舗オープンするんですけど、お台場はお台場で原宿と全然違う雰囲気。渋谷でも原宿でもお台場でも、ブランドが出店する先ならどこでも楽しみです!


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ーではブランドと自分自身の今後の目標を聞かせて下さい。
 ブランドの目標は、まだ始まったばかりですが、皆さんに披露した後に、「すごく良いね!」ってストレートに言ってもらえることが今の目標。逆に「もうちょっとこうした方がいいんじゃない?」って言われるのも楽しみ。普通に街を歩いている時に、「あ、あの服"アヴァン"じゃん」って話している女の子や、ブランドのショッパーを持っている人に遭遇したりとか。普通すぎますか?(笑)個人的な目標はですね、あんまり欲が無いんですけど、「働く頑張る母ちゃん」みたいな感じになりたいです。


ー旦那様用のメンズとか、キッズとか考えてたりしますか?
 「考えてる?出すんでしょ?」って周りからは言われるんですけど、今の段階では全く考えてもいないです。旦那は全然、ユキナの仕事に関して全く言えない、言わない、言わせないって感じなので(笑)。これはかっこいいね、と褒めてくれるくらい。「ブランドどうなってるの?」という言葉も一切無いし、家に仕事の資料があっても何も言わずに温かく見守ってくれています(笑)。


■Avan Lily
URL:http://www.avanlily.com/


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