手仕事を操る新星「フォスティン・スタインメッツ」ロンドンコレクションにデビュー

Faustine Steinmetz 2015年春夏コレクション
Faustine Steinmetz 2015年春夏コレクション
画像: Yu Masui

 セントマーチンズ美術大学のMAでファッションデザインを学び、ジェレミー・スコットやヘンリック・ビブスコフで経験を積んだFaustine Steinmetz(フォスティン・スタインメッツ)は、フランス人で初めて英国ファッション評議会(BFC)とトップショップがスポンサーする「ニュージェネレーション」を受賞した注目デザイナーだ。2シーズン目にしてロンドンコレクションの公式スケジュールにデビュー。The ICAで行われた初のプレゼンテーションには、多くのプレスやバイヤーが集まった。(取材・文・写真:ファッションジャーナリスト 益井祐

 「スタンダードアイテムであるデニムジャケットとジーンズに集中する事で、様々なテクニックを見せる事が出来る」と話すSteinmentzの最新コレクションは、高度な手仕事によって制作されたという。手織りのデニムだけではなく、スラッシュを入れてフリンジを生み出したヴィンテージ加工や、糸を抜いて解体したデニムをフェルト加工で再構築、あるいはインディゴの糸をボンディングで固めて構成したガーメントが目を引く。また日本の伝統技術である"しぼり"を取り入れ、ポリエステル素材に立体感を表現し、糸を縫い込む事でプリーツのような風合いを作り出した。アクセサリーにも力を入れており、商品タグをつけるプラスティックや店舗で使用されているセキュリティタグを象ったピアスやブローチをシルバーで制作。紙袋からインスパイアされ、紙とコッパーのミックス素材で形状を変える事できるバッグなど、ユニークな視点と独自のアプローチが特徴だ。

 Steinmentzは、クチュールハウスにリスペクトを払い、手織りや手染め、ハンドペイント、ハンドエンブロイダリーなどの人類の暮らしの中で常に存在していた手仕事を重視。ほとんどがイーストロンドンにあるスタジオで製作されている。クリエーションの高さからジーンズ1本20万円超と高額ではあるが、既に伊勢丹やロンドンのオープニングセレモニーなど有力店で取り扱われており、今後の展開も注目されそうだ。(取材・文・写真:ファッションジャーナリスト 益井祐