ニーマンマーカスが高級ブランド中古EC「リアルリアル」と戦略的提携を発表

■高級デパートメントストアのニーマンマーカスは22日、セレクトショップ型ファッションリセール通販サイトのリアルリアル(The RealReal)と戦略的提携を結んだことを発表した。リアルリアルは、顧客から委託されたラグジュアリーブランド商品をフラッシュセールで委託販売するECサイト。委託される中古品はルイヴィトンやグッチ、エルメスなど高級ブランドに限られており、専門の鑑定士がチェックすることで、委託者となる顧客には売価の60%以上が手元に入る仕組みだ。戦略提携によりニーマンマーカスではスタッフが顧客にリアルリアルを紹介し、鑑定士となるリセールコンシェルジュが直接自宅にうかがい商品を査定して預かる「ホワイトグローブサービス」のアポを設定するというもの。委託販売払いをニーマンマーカスのギフトカードを選択した場合、換金率が10%プラスされるサービスも行う。リアルリアルでは年間の支払額が7,500ドル未満だと換金率が売価の60%となる一方、7,500ドル以上では70%となる。ニーマンマーカスのギフトカードでの支払いを選択することでさらに高い換金率となるのだ。ニーマンマーカスでは2月から6店舗でテストを行っており、好評により34店舗で同様なサービスを実施する。
2011年に創業したリアルリアルは昨年、売上高が1億ドル以上となり今年は2億ドルを目標としている。

トップ画像:セレクトショップ型ファッションリセール通販サイトのリアルリアルの説明動画(日本向け)。リアルリアル(the realreal.jp)は日本にも2年前に進出している。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アメリカではラグジュアリーブランドのリサイクル市場は大きく分けて2つしかありません。一つはネットオークション。もう一つはリアルの委託販売店(コンサインメントショップ:consignment shop)です。ちなみに一般的に中古品の買い取りを含め、一部委託販売も行っているのが「セコンドハンドショップ:second-hands shop)」で、買い取りだけの中古品を扱う店を「ポウンショップ(pawn shop)」と言います。ブランド品を並べる日本の質屋と違い、ポウンショップとセコンドハンドショップはしょぼいですね。最近ではブックオフがアメリカで挑戦しています。で、ラグジュアリーブランドのリサイクル市場はオークションと委託販売店ぐらいでしょう。委託販売店もほとんどがパパママショップの個人経営ですね。リアルリアルのビジネスモデルは、ラグジュアリーブランド品の委託販売をオンラインで、期間限定となるフラッシュセールで行うものです。

⇒このビジネスモデルのボトルネックは、委託者となるコンサイナーをどうやって集めるかです。ラグジュアリーブランド品を多く所有するアクティブな層なら、コンサイナーとならずに、より換金率の高いネットオークションに自分で出品するでしょう。ブランド品を持つ多くは富裕層でしかも年齢も上です。手間のかかるオークション出品など、面倒なことはしません。また、リアルリアルのようなネット委託業者を探し出して、自分で連絡してリセールコンシェルジュに来てもらい、さらに他人にクローゼットの中を見せたりはしないでしょう。ましてや自分で商品をパッキンして送る、セルフパッキングもしません。リアルリアルはこのボトルネックを高級デパートメントストアと組むことで解決しているのです。ニーマンマーカスの顧客層は富裕層でありながら、オークションで売り買いする層ではありません。せいぜい積極的な人は、委託販売店に商品を持っていくぐらいです。ただしお金持ちは委託販売店に行くのを嫌がります。

⇒高級デパートのニーマンマーカスを贔屓にする顧客のクローゼットは、リアルリアルから見ればまさに宝の山。ほとんど使用していないバッグやアクセサリーなどのブランド品が数多く積みあがっていると思います。ニーマンマーカスの販売スタッフなら、クローゼットが宝の山となる贔屓客が誰かも知っています。馴染みのスタッフから「信頼ある(他の誰にも知られない)プライベートな委託販売サービス(trusted and private consignment service)」を紹介されれば、「クローゼットに眠っているだけ」だし「お金にもなる」し、「他人に委託販売を知られない」し、「オークションより楽だから」と頼んでみようという気にもなりますね。換金が10%お得となるニーマンマーカスのギフトカードなら、在庫一掃してニーマンマーカスで新たにブランド品を購入できます。ニーマンマーカスにとってもメリットが大きいのです。なぜなら、ニーマンマーカスに再び来ることにもなり、ギフトカード利用者は額面以上で購入するからです。
ニーマンマーカスとリアルリアルの戦略的提携はコンサイナーを含め、win-win-winの三方良しとなりますね。リアルリアルで中古ブランド品を安く購入した人も含めれば四方良しです。

後藤文俊