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日本初 "デジタル×ファッション"メディア

"SNS 戦略最前線"では何が起きている?

2016年10月11日に東京アメリカンクラブで開催された「Decoded Fashion Tokyo summit 2016」。ファッションEC「Farfetch(ファーフェッチ)」の創立者/CEOのジョゼ・ネヴェス氏や、リサーチ企業「STYLUS(スタイラス)」でリテール部門責任者を務めるケイティ・バロン氏など、日本からはクリエイティブディレクターのムラカミカイエ氏やミレニアル世代の起業家ハヤカワ五味氏などが登壇し、計16のセッションが繰り広げられました。

Decoded Fashionは、ファッションとテクノロジー両業界の有識者たちが一堂に集う「場」として、2011年にニューヨークで誕生。ファッションのより良い未来を共に考え創出する、という世界初のグローバルイベントです。テクノロジーの急激な進化によって、価値観や思想が大きく変わろうとしている今、未来の社会においてもファッションが価値を持ち続けるためにすべきことは何か? カンファレンスや、スタートアップのコンペティション、小規模なネットワーキングシリーズであるミートアップといった活動を通して両者が意見を交換。自らを革新し、進化するためのさまざまな提案を行うというもの。

今年が第2回となるイベントのテーマは「THE NEW RULES OF LUXURY 〜ラグジュアリー体験の未来〜」。これまで「ラグジュアリー」を定義してきた、エクスクルーシブであることやきらびやかであること、高価であることなどだけでは、もはやラグジュアリーであるとは言えない時代になりました。最先端の事例を紹介しながら、「モノ(ものづくり)と体験(リテールやマーケティング)、それらを支えるインフラの面からも、テクノロジーによって変革されるラグジュアリーの新しい文脈や本質について考察する」というコンセプトの元では、どのような議論が行われるのか。DiFa編集部も現地でいくつかのセッションを拝聴してきました。

今回は、当日実際に取材した「SNS戦略最前線」パートのセッション内容を一部抜粋しながら、登壇者のお一人でもあるナカヤマン。氏にイベントの振り返っての感想や、FashionTech領域で起きていることに対して今思う事などを伺ったインタビューをお届けしたいと思います。

"SNS戦略最前線"コンテンツクリエーションが分ける明暗

ナカヤマン。氏からは、"SNS戦略最前線"に関する6つのトピックスがプレゼンテーションされました。主にラグジュアリーブランドのマーケター向けの切り口ではありますが、自分自身をブランド化していきたいインフルエンサーにも参考になるヒントがあるのではないかと思います。

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NKYMN(ナカヤマン。)のプレゼンテーション「SNS戦略最前線ーーコンテンツクリエーションが分ける明暗」

NKYMN(ナカヤマン。)

シナリオプランニング兼クリエイティブディレクター。ファッション領域に特化して活動するクリエイティブエージェンシーdressing Inc.代表。2007年の設立以降、SNSを用いたコンテンツ形成を、メゾンブランドからマスブランドまで、幅広いパートナーと行っている。2015年に『サプール・インク』を設立し、シンガポール及び海外での活動を開始。

#TOPICS1:Instagramの次に何が流行るんですか?

まず皆さんがやるべきことは、SNSのトレンドを追いかけることではありません。当たり前のような話ですが、「Instagramの次に何が流行るんですか」ボクはマネージメントレベルの方からですら、この質問をよく受けます。では例えばSnapchatが次に来るとして。ブランド戦略、デジタル戦略をSnapchat1つに絞って行うことはあり得ないはずです。戦略において意味を成すのは、どういう未来がきても対応し得る仕組みや企画をいかに作るかという点です。そこで今回は「Instagramのテクニック」などではなく、「コンテンツ」と「チャネル」というレイヤーを少し上げた話をしたいと思います。

#TOPICS2:ブランドとコンテンツとチャネルの関係性

コンテンツ」とは例えば"ネタ"とか"ギャグ"だと思ってください。「チャネル」はそれが繰り広げられる"舞台"です。例えばお笑い芸人さんには持ちネタ、つまり「ギャグ」がありますよね。これがコンテンツです。昔は演芸場でお客さんに届けられていました。演芸場がチャネルです。時代を経て、チャネルは演芸場からテレビへと変化ましたよね。そして2016年のいまを見渡すと、チャネルはテレビ、YouTube、SNSなど細分化されています。

チャネル毎に視聴者の性質は違います。だからこそ同じネタでも、尺や見せ方、演出を変えながら提供されるのです。それでも「その人の持ちネタ」として、長く愛されるという結論にはブレがない。この構図の中で利を得るのは「ギャグ」を持っている芸人さんです。つまりこのポジションに該当するべきは"ブランド"というわけです。これがブランド、コンテンツ、チャネルの関係性です。

#TOPICS3:6年前に予測した出版社の未来

2010年の秋に、2015年までの5カ年計画として雑誌社はこうあるべきではないか、出版業界はこうなるのではないかという話を出版社の方に提案したことがあります。まず、進化版のブロガーが必要になる。これは今でいうインスタグラマーですね。そして出版社内に育成機能・事務所機能を持つべきで、特にファシリテータースキルが重宝されるとも伝えました。これは今でいうレセプションイベントのSNS拡散需要の形で具現化しています。出版社がその個人のトラフィックを束ねることで、オフィシャルサイトの広告獲得をも総取る事ができる、というものでした。

実際2016年になって、予測した未来は的外れではなかったようです。これは当時流行っていたコトラーの『マーケティング3.0ソーシャルメディア時代の新法則(朝日新聞出版)』をファッション業界に当てはめていくと、当然行き着く未来予想図であったということが重要なんです。現在は「どこかで間違えた不完全な状態」であると言えます。今、必要なのはその「不完全な状態を解消すること」であり、それこそがデジタル戦略のあるべき姿です。それを3つのポイントでご説明します。

#TOPICS4:未来予想図と現実の乖離をどう埋めていくか

1 「企画力」の強化
情報量が莫大に増えると、効率良く選別する必要が増します。解釈に時間のかかる文字情報から一瞬で判別できる画像情報へと置き換わっていくのは必然と言えるわけです。画像情報がティザーとなり情報の取捨選択を担う、興味喚起されたユーザーのみが次の情報溜まりに進む構造になるのが理屈です。とは言え一枚の画像が持ち得る情報量は少ない。Instagram一強時代は起こるべくして起きているとは言え、現状、Instagramでは個々の投稿にリンクを張ることはできません。ティザーの段階で塞き止めれられて、情報溜まりには行けなくなっている状態です。未来予想図とは異なる「不完全な現在」がここに見て取れます。この不完全性を解消するための「企画力」がまず必要です。

2 中期戦略立案と業務範囲の拡大
2011年頃は「バイラルキャンペーン」のような単発企画が中心でした。いまでは「中期戦略の立案と実行」を求める依頼が増えています。外資系企業で言えば「日本人インフルエンサーを組み込んだ国内向けデジタル戦略」というローカル戦略実行の許容を前提にしたものです。写真・動画時代の対策、インフルエンサーとのコミュニケーションから、投稿内容を含めたクリエイティブプランニングまでが議論されます。テレビ・雑誌の時代から比べれば、マーケティングが担う業務範囲や業務量は増加しており、今後もそれは加速していくと思います。

3 「どのインスタグラマーがいいか」なんて話をしている場合ではない
情報量が増えた場合と同じく、業務範囲と業務量が増えた皆さんが行うべきは効率的に課題を解決していくことです。「どのインスタグラマーがいいか、何人に依頼しようか」なんてディテールの話から始めるのはとても非効率的だと思いませんか。皆さんに必要なのは、何度も申し上げますが、あるべき未来予想図と不完全な現在との差分を解消することです。そしてそれはコンテンツとチャネルを組み合わせて「スキーム」を作ることで解消、効率化できるのです。

#TOPICS5:GUCCIとGUの事例より

2015年以降、僕は共通のコンセプトを掲げて各提案を行っています。それは「Single, Powerful Contents for Multiple Channel」というもの。これを体現する事例を2つ紹介します。

●GUCCI

GUCCI渋谷ジャックの企画では、街頭ビジョンを含めた5つのチャネルを用いました。チャネルを並列するのではなく、3層のレイヤー構造になっています。

1つ目のレイヤーでは「アレッサンドロ・ミケーレのNYクルーズコレクション」の動画をスクランブル交差点にあるビジョン5面でシンクロ放映しました。これだけでは唯のビジョン広告です。その広告をコンテンツに昇華させるのが2つ目のレイヤーです。渋谷だけで観れるコレクション動画を、各地方から集まってもらったインスタグラマーが、自らのアカウントを使って自身の活動エリアに配信する、という企画によって、スクランブル交差点のビジョン広告という「点」が、渋谷のプロモーションイベントという「面」に変わるわけです。

3つ目のレイヤーでは面を広げる工夫をします。2つ目のレイヤーでは、コンテンツは起用したインスタグラマーのフォロワー相当にしか行き渡りません。そこで彼女たちを含めて渋谷起きた「コト」を動画にまとめました。これが、SNSかニュースサイトで皆さんが目にしたかもしれない「GUCCI渋谷ジャック」の動画です。「コト」をまとめることで、広く浅く拡散していく最後のレイヤーをSNSやメディアというチャネルを介して成立させたというものです。

●GU

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「GU TimeLine」はSNSがコンテンツとして機能した事例です。Instagramから引用した写真がコンテンツとなり、GUが持つ膨大なオウンドメディアのトラフィックがチャネルとなりました。そもそもはInstagramありきでなく「売れるデジタルカタログ」という依頼を受けて2014年に企画・制作しています。

Instagramを採用した理由はコンテンツのバリエーション、更新の容易さを見据えてのことでした。最終的にタレント、アイドル、有名モデル、インスタグラマーが混在した企画になったことからも、この種明かしは納得してもらえるものだと思います。日経MJの記事から引用すると「多い時はGUのオンライン売上の2割」がGU TimeLineから生まれています。

この企画の面白いところはGU TimeLineのチャネルの中でも、WebとLINEのトラフィックは買い足せるという点。集客コストを上げればトラフィックが増える仕組みです。商品やシーズンの計画上、売上を上げるべきタイミングで投資を上げることにより、一定の売上コンバージョンを以って、売上と利益が向上する。その為のブラックボックスがGU TimeLineという位置づけです。Instagramの写真にBUYボタンを付ける事例は、これ以降多数見受けられるようになりましたが、上手くいかない理由はおそらく、この仕組みまで採用されていないからだと思います。

色々な派生企画もやらせていただきました。雑誌『NYLON JAPAN』での表紙ジャック企画は、候補3種類の画像をGU TimeLine上で先行公開し、最も「いいね」数を獲得した画像を実際の表紙にするというものでしたが、掲載アイテムがECどころか店頭まで全て在庫がなくなる状態になりました。

また、別企画でテレビ番組との連動も行いました。テレビを扱うとチャネルのバリエーションが膨大に増やせます。収録の際には、放映時間の約3倍ほどの動画素材が保有できるからです。これだけの量があれば、チャネルに上手く振り分けることで膨大なトラフィックが獲得できます。番組MCに起用したスピードワゴン小沢さん(@ozawakazuhiro)にInstagramを始めて頂けたことでも、かなり強力なチャネルとコンテンツが獲得できました。

テレビ番組連動企画は、ニュースサイトで約150媒体、Yahoo!ニュースだけでも5回掲載されました。こういったパブリシティによるニューストラフィックの獲得を立案時から狙うことも重要です。また、LINE LIVEも組み込み収録風景も活用しています。ここで重要なのはチャネルを増やせば増やすほど、チャネルごとに最適なコンテンツアレンジが必要ということ。収録前にコンテンツの切り取り方がすべて決まっている状態でないと、同じビジュアルをコピペで貼り付けているだけに過ぎない状態になり、手間だけが増えて効果が出ない状態に陥ります。全ては「企画力」に依存します。

#TOPICS6:本質的にいい物でないと何をやっても人の心は動かせない

今回のテーマ「ラグジュアリー体験の未来」に立ち返ると、先ほどもお話ししたコンセプト「Single, Powerful Contents for Multiple Channel」に鍵があると思っています。

ラグジュアリーブランドはすでにコンテンツとしていい商品・歴史・カルチャーなどの資産をお持ちだと思います。それを語ることは難しいことではありません。また、アートというパートナーもありますよね。ラグジュアリーブランドはアートとの関係性が密接です。商品でのコラボレーションもありますし、美術館を保有するブランドすら少なくありません。商品コラボ自体はリアルクローズやファストファッションでも行われているものですが、強力なアーティストを本当の意味で理解し、本質的なパートナーシップを形成できるのは、やはりラグジュアリーブランドが持つバックグラウンドが必要な気がします。

商品やブランドの魅力をどれだけ上手く説明しても、本質的に良いものでないと人の心は動かない時代に到達しました。ただ、届く価値のあるものを届ける際にも、様々な課題を乗り越え、複雑なコミュニケーションによって成立させなくてはならない時代になりました。それはこれまでに比べるとすごく手間のかかることでしょう。

だからこそ、視点を変えてみてください。それを助けるためにデジタルは発達しているんです。「デジタルが発達したせいで仕事が複雑になった」のではなく「世界が複雑になったから、ツールとしてデジタルが発達した」と考えてみませんか。2016年現在にボクが描く未来予想図の中では、皆さんがそのツールを上手く使う状態は「当然実現するべき未来」です。もちろんSNSもそこに含まれます。

本質され理解すれば未来は見える。平坦で真直ぐな道だとは限りませんが、到達すべき地点は意外と見つけやすい場所にあるはず、というのが本日お話ししたかったことです。二回目の「不完全な現在」を経験しなくて良い様に、一緒に動いて行きましょう。

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事例紹介のパートでは、懸命にメモを取る参加者の様子が印象的でした。

セッションでの空気感、伝わっているでしょうか? ナカヤマン。氏の例え話に出てきた"演芸場"だって、ミレニアルズにはさっぱり何のことかわからないかもしれない。もしかすると「チャネル」という概念もミレニアルズとそれ以上の世代では違った捉え方があるのではないかな、と思って拝聴していました。

すべてが「自分事」か「他人事」かのように区分の次元が違うミレニアルズには、オンラインもオフラインも境目がない。この世代がラグジュアリーブランドのマーケターを担う時代が、もうそこまでやってくるんですよね。と考えると、冗談ではなく「どのインスタグラマーがいいか」とか言ってる場合では、なさそうです。

"現場の最前線"で想うことを訊いてみました

ナカヤマン。氏に当日の感想も踏まえつつ後日談を伺ってきました。ある程度セグメントやフィルタリングのかかった来場者に向けてのプレゼンテーションと、フリースタイルな生々しい最前線で感じる事は少々違うのではないかな、とも思ったんです。

--当日の会場の様子やイベント全体を通じての印象はいかがでしたか?

ナカヤマン。:イベントにどんなスタンスで参加するのか、それによって印象も異なると思いますけど、こういったイベントを行うこと自体に意味があると思います。聴講にあたって費用面でも敷居は高く設定されているので、登壇者には話しやすい、適切なセグメンテーションが掛かっている印象を受けました。

逆に、あの場にミレニアルズの学生が参加したらどんな反応があるのか、業界人ではない、属性や世代の違う聴講者にアンケートを取って比較するのは面白そうですけれどね。

講演内容も、ポジショントークに終始するわけでもなく、テーマに対してフラットにチャレンジしているものが多いのは好感を持って頂けたポイントだと思います。逆に言えば国内はまだまだそのレベルで及第点だと言って頂けるところが伸びしろであり、業界構造の課題であり、ボク達の世代で解決して行きたい部分だと感じます。米国側のDecoded Fashion Summitとはまた課題が違うのかもしれません。

--ナカヤマン。氏がいまFashionTech界隈で気になっているトピックスってどんなものでしょう?

ナカヤマン。:VRかな。シナリオプランニングという立場で試してみたいことが沢山ありそうな気がしています。体験する空間とか時間の経過、リアルとバーチャルの行き来も含めて、数え切れない設計ポイントがあるじゃないですか。それを綿密に作り込んだら、かなりいいコンテンツができあがる予感がする。VRの分野は「VRの体験自体」を売りにしている段階で、コンテンツの進化はまだ始まっていないレベル。クリエイティブで成功する事例が出てこないうちに、VR体験前後のシナリオプランニングを含めてやってみたいですよね。

--セッションでもお話しされていましたが、このところブランドコンテンツやクリエイティブの傾向に、"ストーリーを体験する"とか"現代アート"とか幾つかトレンドが出て来ていると思うのですが、実際いろんな事例をご覧になってみてどういう感想をお持ちでしょうか?

ナカヤマン。:マーケティング・トレンドワードとしての「ストーリー」や「アート」を、ただ施策に組み込むだけでは効果がないと感じることは多いです。「インフルエンサー施策をしなくてはならない」と焦って「とりあえずお金だけバラまいて着せ込み、投稿をアップしてもらう」というのと大差はないですよね。

例えば「ストーリー」って、流布できる情報単位が小さくなった今、どうやって情報に深度を付けるかという課題を解決するものです。つまりブランドが本来訴求したい情報を掘り下げないと価値は出て来ません。キャッチーなコンテンツを作ったところで、ユーザーから得られるのは「あー楽しかった」の一言でしかない。接触時間は伸びるかもしれませんが、情報の深度は上がっていないはずです。

先日「UN3D.」とのコラボ事例をDiFaでもピックアップして頂きましたが、前衛的なアーティストやテクノロジーを使ったコンテンツも同様です。研究開発としての"目新しさ"を企画の中心に据えている時点で、やはり効果は出ないのではないでしょうか。そこにコンセプトが無いと、施策には連続性が出せません。「新しいことをする」のが連続性を持つコンセプトであり得たのは、もう過去のことなのです。

とにかく、皆さん何かしらのフォーマットや公式を欲しています。成功事例を積み重ねて「成功の方程式」を見出すことは有り得ると思いますし、ボクにもそういう経験は何度かあります。ただ、デジタル戦略のテーマで今現在、方程式を示せるほど多数の成功事例を抱えているところはあるでしょうか? この激動の時代においては、及第点を連続させることすら課題になって来ているというのが、正直な状況ではないかと思います。

何年もこの領域で新たな仕掛けに取り組んでいると、企画を真似られること自体は何とも思わなくなってくるんです。ただ、出来たものからパクったところで、企画の全体像を読み取れる時代ではなくなりましたし、オリジナルより効果が出ることはないのでは、と思うんです。今回、かなり細かい構造まで解説したのは「成功事例を真似ることよりも、本質的なところから企画をした方が早い」ということを伝えたかったというのはあります。企画の構造は伝わったかもしれませんが、本質の部分も伝わっているよう祈っています。

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リアルな現場での様子が垣間見えるセッション内容からは、取り組むべき課題は何も変わっていないのに、目の前に出てくる新たな標的に振り回されてしまっていないだろうか、深めるポイントはどこにあるのかを見失わないように、というメッセージが汲み取れます。

SNSは舞台のひとつ。それぞれの来場者の傾向から、ウケるネタや話術をシナリオに落とし込み、キッカケやさじ加減を演出し、個性でファンを惹きつけ10年20年と息の長い"役者"を育てる。マーケターに求められるものは、ただ瞬間風速の高いバズを喚起させることだけではなく本質を描くプロデュース力であり、シナリオを継続して安定運用するエンジニアリング力でもあるんですね。

法人個人問わず、SNSとの向き合い方については、2017年もますます根幹から襟を正さなくてはならない課題となりそうです。ブランド内部におけるシビアなディレクション、企画実装や長期間の運用、それらに対して主体的に取り組む姿勢が問われるのではないでしょうか。

Edit & Interview & Text:Miho Iizuka
Photo & Movie by Ayano Fukuoji and dressing Inc.
Special thanks to Decorded Fashion summuit 2016