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メルカリ×ヤッホーブルーイング、成長を続ける2社の組織作りに迫る

mercari-20170529_001.jpgヤッホーブルーイングとメルカリは5月11日、トークイベント「メルカリ×ヤッホーブルーイング ビアトーク~"バリュー"が誰にも真似できない会社をつくる~」を開催した。ヤッホーブルーイングの井手直行社長(㊨画像=以下、井手)とメルカリの小泉文明社長兼COO(㊦画像=以下、小泉)が登壇。モデレーターをリンクアンドモチベーションの麻野耕司執行役員が務め、成長を続ける2社の組織作りをテーマに「ミッション」や「バリュー」について語った。

井手 「主力商品『よなよなエール』などのクラフトビールを製造販売している。経営理念の上位概念に『ミッション』を置き、『ビールに味を人生に幸せを』を定めた。ミッションを受けて、あるべき姿として『ビジョン』置き、これを支える『文化』『価値感』『バリュー』を設けた。バリューは3つあり、『革新的行動』『顔が見える』『個性的な味』だ」

mercari-20170529_002.jpg小泉 「CtoCアプリ『メルカリ』を運営している。ミッションは『新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを作る』とし、世界を意識した組織作りを行っている。バリューは『GoBold(大胆にやろう)』、『All for One(すべては成功のために)』、『BeProfessional(プロフェッショナルであれ)』の3つを定めた」

──両社のバリューはいつ、どのような方法で決めたのか。

井手 「ミッションは08年に作った。97年に創業して、クラフトビールのブームとともに順調に売上が伸びていた。ただ、ブームが終わると何をやってもうまくいかない。そうすると、社内が険悪な雰囲気が広がり、社員が減るなど苦労した時代があった。当時は経営理念がなく、社員が同じ方向を見なかったのでこれを解消するために、08年にミッションを作り、同年に2020年のビジョンを決定。その後、文化・価値感・バリューを作った。08年に策定したビジョンは半分ほど達成したので14年に見直している。
バリューの策定は、会社が大きくなる中で、支持される理由が見えにくくなった。その不安を解消するために、顧客の声を分析し、米国クラフトビールメーカーを調査した。そこで洗いだしたものを絞りに絞った。バリューを守っていれば、世界に出ても支持されるものになっている」

小泉 「ミクシィのCFOを務めていた経験を踏まえると、強いプロダクトがあれば経営陣とは関係なく会社は成長する。一方で、プロダクトのライフサイクルが下がると、会社の求心力も下がってしまう。社員それぞれが持つ勝手なイメージで語られるようになる。
メルカリに参画して最初の仕事は、ミッションとバリューを作ることだった。会社の未来を語ってミッションを作り、達成すべき行動をポストイットで貼り出して分類。徹底的に減らして、人が覚えられる3つにした」

──理念を作ったが浸透していない会社は多い。浸透させる秘訣は。

井手 「うまくいくかは1つで、トップがあきらめないこと。研修を行い、ミッションやビジョンを壁に張り出す。バリューを覚えていないチームには覚えてもらって発表してもらう施策もある。徹底していたら浸透しないはずはない」

小泉 「まったく同じ。メルカリはバリューを英語で定めているため、日本語でサポートし、イメージがぶれないようにした。さらにそれを見える化し、例えば会議室の名前にしたり、Tシャツを作ったりした。社員が口に出す機会を増えると浸透しやすい」

井手 「理念が浸透すると社員が自ら意識するようになる。会社が大きくなる中で新しい人が増えたときに社員が勝手に『日めくりカレンダー』を作ったことがある。ユーモアのあるビジュアルを撮影し、解説を加えたものだった。遊びを入れたことが良かった」

小泉 「社員同士で言葉遊びを始めるようになれば、社員にとって消化していることになる」