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Googleの「似ている商品」「スタイルのアイデア」機能がファッションECを変える?

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SNSやコーディネートアプリで見つけた商品や、それとよく似た商品を画像検索機能を使って探したことがある方も多いのではないだろうか。Googleが最近リリースした「似ている商品」「スタイルのアイデア」機能は、まさにそうしたイマドキな商品の探し方にフィットしたサービスだ。

Googleが画像検索にさらに大きく一歩踏み込んだことは、ファッションECに新しい流れをつくるだけでなく、いずれファッションEC全体に思いのほか大きなインパクトとなるかもしれない。

Googleが「似ている商品」「スタイルのアイデア」機能をリリース

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-「似ている商品」機能で、Google画像検索でさらに見つけやすく Googleウェブマスター向け公式ブログ

Googleは、2017年の4月11日、画像検索において「似ている商品」機能をリリースした。これは、機械学習による画像解析技術を採用したもので、画像検索についてユーザから要望が多かった価格・在庫状況についての情報の提供を目的としたもの。従来の「関連画像」機能と異なり、現在ECにて取り扱いのある商品が価格とともに表示されるところに特徴がある。

検索エンジンのユーザにとっては、探している商品に類似した商品を簡単に見つけることができるメリットがある一方、EC運営者にとっては、自らのサイトに消費者が訪れなくとも、Googleが提供する"ショーケース"に商品を並べることが可能という利点がある。
ほどなくして、「スタイルのアイデア」機能も追加された。やはり画像解析技術を採用し、当該商品およびそれに類似した商品を使ったスタイル画像を表示するというもの。こちらは必ずしもECに限定されず、 SNSやブログなどから抽出した画像も提供される。複数のアイテムを使ったコーディネート画像が対象となるため、ユーザが検索する商品そのものを扱うサイトでなくとも表示させることができ、画像検索を経由した流入への期待も高まる。

ただし、現在のところは、「似ている商品」「スタイルのアイデア」いずれの機能も、バッグや靴、アイウエアが中心。モバイルウェブとAndroid版の検索アプリのみで使用可能だ。

「似ている商品」「スタイルのアイデア」の利便性

「似ている商品」では、高い画像解析技術によって、画像検索した商品と同じもの、あるいは外見上よく似た商品が高い確率で表示され、価格と、ファッションモールやフリマアプリなど、リンク先のおおまかな情報が記載される仕組みになっている。欲しい商品を少ない手数でピンポイントで購入できるという意味では、かなり利便性が高いと言えるだろう。

他方、「スタイルのアイデア」は、イメージの宝庫だ。若い世代は、とりわけファッション関連の情報収集において、検索プラットフォームとして、 GoogleではなくSNSを活用していると言われている。「スタイルのアイデア」は、そうしたSNSやファッションコーディネートサービスを利用する層を意識したサービスである。漠然としたイメージを抱きながらも、欲しい商品が決まっていない消費者は、特定の画像を起点として、実際の商品やスタイル画像に導かれる形で、商品を絞り込んでいくことができるのだ。

ECの垣根を取り払うのは、やはりGoogleか?

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-似ている商品


EC上では、機械学習を利用した類似商品のレコメンデーションはこれまでにも行われてきている。膨大な商品の中から目指すアイテムを選り分ける上での、手軽で便利な機能として重宝されている。従来のECでは、レコメンデーションの対象となるのは、特定のECが取り扱う商品に限られていた。つまり、どれほど高い機械学習機能を備え、消費者が欲している商品を見つけられたとしても、ECの外の商品が消費者に対してすすめられることはないというわけだ。

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-スタイルのアイデア


ところが、Googleの「似ている商品」機能は、そうしたEC間の垣根をすっかり取り払い、ウェブ上にある全ての情報をふるいにかけることが可能だ。現時点では、画像解析技術が未熟なせいもあり、当該商品とはまるで違う商品や、シーンもテイストも異なる様々なスタイル画像が表示されることもしばしばだが、従来のECのレコメンデーション機能が抱える、「検索対象の狭さ」という課題が克服され、膨大な情報の中から、よりユーザが欲している商品を的確に提供できる可能性を秘めている。

「似ている商品」の美学

「似ている商品」という時、どうしても"次席"・"次点"など消極的な意味合いが感じられるものだ。将来的に、個々のユーザの好みやライフスタイルをも反映する形で画像検索機能がさらに精度を高めたなら、「似ている商品」という言葉に、もはやそうした否定的な要素はともなわない。

特定の画像がきっかけとなって、価格・デザイン・使用するシーンなど、あらゆる要素において自分にふさわしい商品がたちどころに見つかる。それは、トレンドに同調しつつも差異化を可能にする、機械学習機能が世界中から特定のユーザのために探し出してきた、似ているようで、他のどれとも違う、「最高の商品」であるに違いない。

ファッションECは将来を見据えた連携を

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-「似ている商品」機能への対応には、schema.orgの商品メタデータの追加が必要 - schema.org/


Googleによる「似ている商品」「スタイルのアイデア」のリリースを受けて、多くのファッションECは、まっさきにschema.orgの商品メタデータを追加したり、洗練されたスタイル画像を増やすなどして、トラフィックの増加の手立てを考えるはずだ。

それももちろん有意義ではあるが、やがて実現する高い機械学習機能を消費者に資するためには、むしろEC同士が連携する仕組みを強化するような施策こそが望まれる。Googleのような大企業にオイシイところを全てもっていかれないためにも。

◆こちらは「FASHION EC Lab」 編集部からの寄稿記事です。