メイシーズ、2年半も客離れ続く

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■メイシーズが10日に発表した第2四半期(5月~7月期)決算では、引き続き既存店ベースが前年を下回った。売上高は店舗閉鎖により前年同期比5.4%の減少となる55.5憶ドルだった。純利益は前年同期の1,100万ドルから1.16億ドルと大幅に増加した。なお前年同期は2.49億ドルを減損費用に充てていた。粗利益率は前年同期の40.9%から40.3%と0.6ポイント減少。一方で一般販売管理費率は34.8%と前年同期の34.5%から0.3ポイントの増加した。メイシーズ店内で展開する提携業者からのコミッションを除く既存店・売上高前年同期比2.8%の減少だった。既存店ベースの減少は10四半期連続となっており、リーマンショック時に記録した11四半期連続前年割れに迫っている。前年同期の既存店ベースは2.6%の減少。なお、メイシーズは2年前に買収した高級美容・スキンケア用品スパチェーンのブルーマーキュリー(フリースタンディング)を5月~7月期中に16ヵ所オープンした。また、処分品や返品などを扱うオフプライス業態「メイシーズ・バックステージ(Macy's Backstage)」も12か所のメイシーズ店内等にオープンしている。メイシーズ・バックステージは婦人服や紳士服、子供服、下着、靴、アクセサリー、ジュエリー、ホームファーニッシング(小型家具や室内装飾品)などを扱い通常価格の20%~80%オフで提供するオフプライス業態。 メイシーズは今年1月、昨年8月に発表した本体デパートメントストア100店舗閉鎖で、68ヵ所の店舗閉鎖と従業員の約7%に当たる1万人以上を解雇を発表した。同社は2017年度の既存店・売上高前年比を2.2%減~3.3%減と予想している。

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メイシーズの既存店・売上高前年同期比推移グラフ(メイシーズ店内で展開する提携業者からのコミッション売上除く)。第2四半期(5月~7月期)の既存店ベースは2.8%の減少だった。これにより既存店ベースは10四半期連続の減少となる。リーマンショック時に記録した11四半期連続前年割れに迫っているのだ。大量店舗閉鎖後も客離れが起きており、本体デパートメントストアの回復の見通しは立っていない。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。オムニチャネル・リテーリングについては、ネットに無責任な記事が目立ちます。「メイシーズ オムニチャネル」と検索すると「メイシーズがオムニチャネル化で成功している」とする内容の記事がでてきます。その多くが2014年までに書かれたものです。「無責任」としているのは、記事を書いた方がオムニチャネルな買い物をしていないばかりか、メイシーズの売場さえ見ていないからです。自分自身が足を使い確認した一次情報ではなく、人から聞いた情報の二次情報を参考にして書いていたからです。三次情報は役に立たたないどころか、伝言ゲームのように勘違いや間違いから、逆に害になることもあります。当社のクライアントにはこういった間違いの悪影響を受けないよう、メイシーズの売場でいくつかのワークショップをおこなっています。ちなみにメイシーズはオムニチャネル・リテーリング化を大手チェーンストアでは結構、早くから宣言した企業です。

⇒で、ワークショップ後に今度はなぜオムニチャネル化が進まないのかを考えてもらいます。こういったワークショップを通じて、当社のクライアントは自分自身の五感を使った一次情報を得ることになります。私はコンサルティングにも気づきが必要だと思っています。専門家から良い話を聞いただけでは、人は動きません。腹の底から腑に落ちるアハ体験に、後藤のアドバイスで実行・実践に弾みがつくのです。私はよく経営者やトップに「コンサルティング・セミナーから、ちゃんと儲けてください」と念を押しています。アメリカ小売業をみてまわる観光をするつもりはなく、(当たり前のことですが)儲けるためにコンサルティングを行っているのです。成功事例からは儲けのネタやヒントがあり、オムニチャネル化の失敗事例からは、リスク管理となる「大損しない」ノウハウを得られるのです。不採算店を大量閉鎖したにも関わらず、客離れが10四半期連続しているメイシーズは貴重なケーススタディです。
「あ~、なんてありがたい!!!」とメイシーズには感謝しています。お礼に買い物したいのですが、嗚呼、買いたいものがない!

後藤文俊