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独断で選んだアニマル映画5作

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Netflixオリジナル映画『オクジャ』独占配信中

「動物は快い友達だ。質問もしなければ、批判もしない」とイギリスの作家ジョージ・エリオットはいった。だけど映画のなかでは、彼らは手ぶりを交えて饒舌にしゃべり、ときに反旗を翻して人間を襲う......。i-D Japan編集部が、独断で選んだアニマル映画5本を紹介する。

『オクジャ/okja』(2017)
ペットを除けば、僕たちが動物と接触するのは大抵口を介してだ。韓国の鬼才ポン・ジュノ4年ぶりの最新作は、遺伝子組み換え食品として大企業に開発された味のいい「スーパーピッグ」と、韓国の山奥で暮らす少女の友情物語。食品産業とグローバル資本主義の暗部を描いている、かと言われるとたしかにそうなのだけれど、カーアクション満載の逃走劇でハラハラし、スーパーピッグ「オクジャ」の愛らしい動きや表情に見とれていると、もはや主題なんてどうでもよくなってくる。とはいえ、観終えた後には喉の奥に奇妙な後味が残る。なんていうか、オクジャの味が。(S)

『ペット・セメタリー』(1989)
スティーヴン・キングのホラー小説の映画化作品。もしも、かわいがっていたペットが死んでしまったら、可愛い盛りの子どもを失ったら、愛する人を失ったら、どんなふうになってでも戻ってきてほしいという気持ちはわかるのです。だから、にゃんこが悪い子になって帰宅しようが、可愛さバツグンだった息子が大暴れしようが、"もしかしたら"という希望にすがって愚かなことを繰り返してしまう登場人物がみんな切なくて、エンディングではなんとも言いようのない悲しい気持ちに......。と思ったら原作者の希望によりラモーンズが担当したエンディング曲が謎にロックンロールで、ともかく最後まで目が離せない。(A)

『鳥』(1963)
もしも身近にいる鳥が人々を襲いはじめたら......。ヒッチコックが手がける『鳥』は、1970年代に量産された動物パニック映画ブームの火付け役となった映画だ。原作には描かれている"鳥が人を襲う理由(結末)"をカットし、観客に想像させて恐怖をあおるあたりはさすがヒッチコック。ただ、本作を見た後に散歩に出かけるのはあまりおすすめできない。(T)

『Perri』(1957)
いまから約60年前。東京タワーがついに完成し、ロカビリーが大流行、少女たちはフラフープに夢中になっていた。『武器よさらば』や『悲しみよこんにちは』といった名作が映画館でかかっているかたわらで、ひっそりと(?)公開されたリス映画『Perri』。アニメーションと実際の動物を記録した映画製作に進出したディズニー・プロが、3年かけて制作した、当時としては革新的な一作である。女の子リス、ペリは自然のなかでヤマネコやモモンガ、イタチなどさまざまな生物に出会い、成長していく。その一方で、男の子リス、ポロとの愛の物語が展開される。ちなみに当時、日本で公開されたときのパンフレットには、日本画家の山下清による「『ペリ』をみて面白く思ったこと」というレビューが掲載されているのだとか。(N)

『レミーのおいしいレストラン』(2007)
2017年にピクサーが公開したのは、"RAT(ドブネズミ)"が主役のアニメ映画『レミーのおいしいレストラン』。地方出身のグルメなドブネズミ・レミーが今は亡き著名なシェフ(人間)に憧れ、自身もシェフになることを夢見て都会のレストランに行きつく。そこで出会った頼りないシェフの見習いがレミーの相棒となって二人三脚で夢の階段を登っていくサクセス・ストーリーなのだけど、動物を擬人化させるだけでは終わらないのがピクサーだ。誰もが人生に悩み、夢を抱いている。多様化が先走りしているこの世の中で、正解の有無なんて誰も教えてくれない。それでも自分の想いを伝える勇気を振り絞れば、凝り固まったルールや周りの固定観念を吹っ飛ばせる。物語のキーポイントにもなっている、フランスの家庭料理"Ratatouille(ラタトゥイユ)"が 主役の"RAT"にかかっているところもジョークが効いている。(C)