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フランス映画界の新世代スター6人

フランス映画界の新世代スター6人の画像

『ディヴァイン』で怪演をみせたウーラヤ・アマムラ、『17歳にもなると』で青春時代を絶妙に描いたコレンタン・フィラとケシー・モテ=クレイン、『汚れたダイヤモンド』で名演をみせたニールス・シュネデールなど、現在のフランス映画界には才能溢れる新世代の俳優・女優たちがいる。

This article was originally published by i-D US.

フランス映画界は毎年、セザール賞でその年のスターたちを讃える。最優秀新人俳優賞と最優秀新人女優賞にノミネートされるということは、新世代の俳優・女優として、"次なるスター"として委員会にお墨付きをもらうことにほかならない。受賞者たちだけでなく、今年のゼザール賞最優秀新人俳優・女優賞にノミネートされた未来のスーパースターたちを祝福するため、i-Dフランスは彼らを集め、彼らにインタビューを行った。人間と人生の本質を演じようという情熱以外に、彼らに共通するもの----それは謙虚さだった。

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Corentin wear a Sacaï T-shirt and a Tilt vintage vest. Oulaya wears a Chanel tiara and bodysuit, Hermès trousers, and an Etudes belt. Kacey wears an Ami sweatshirt, a Hood By Air belt, and Lemaire trousers.

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Corentin wears an Etudes scarf, a sleveless jacket by Ami, and trousers by Margiela.

コレンタン・フィラ
アンドレ・テシネ監督作品『17歳にもなると』でノミネート

ゼザール賞最優秀新人賞にノミネートされた感想を。
素晴らしいこと。誇りに思います。

若手俳優にとってはこれ以上ない栄誉ですね。
はい、素晴らしいことではありますが、同時にこういうものが必ずしも公平な判断によるものとは限らないと肝に命じていなければと思っています。とはいえ、キャリアにとっては良いことでしょうね。

「公平ではない」というのは?
正当性のことです。秀でた俳優でも、生涯にわたってセザールやモリエール賞にノミネートされないひとがいるからです。

『17歳にもなると』の共演者で、友達でもあるケシー・モテ=クレインとともにノミネートされていますが、それに関してどう感じていますか?
とても嬉しいです。僕たちはとても親しく、映画の撮影時には多くの素晴らしい時間をともに過ごしました。弟みたいに感じます。

『17歳にもなると』の撮影からは何を学びましたか?
ひとを信頼し、その相手の自信を信じるということを学びました。テシネ監督も僕を信頼してくれ、それが大きな力となりました。「素晴らしい」と言ってもらえると、ひとは自信を持つことができるんですね。

観客が物語や登場人物に自己を投影することで、自身についての理解を深めていく----そんな映画の影響力を、重要だと思いますか?
年齢や国に関係なく、誰もが映画を通して人間と人生についての理解を深めていくべきだと思います。「たいしたことない」と思うようなことが、実は物事の本質だったりする----映画はそれを見せ、また現実のもつ穏やかな側面と脅威の側面を見せてもくれるものです。

これまでにもっとも衝撃を受けた映画は?
たくさんあります。世界観と詩的表現という意味では、ジム・ジャームッシュの大ファンです。特に『パーマネント・バケーション』が好きですね。ガス・ヴァン・サント監督の『ラスト・デイズ』も好きなのですが、『17歳にもなると』で演じる上でもヒントをもらいました。『ラスト・デイズ』は孤独を完璧に表現している。本当の孤独、ひとが死を前に感じる孤独です。カメラはロングショットで俳優を捉えていますが、観客はまるでその空間にいて、彼と一緒に孤独を感じられるような、自分も映画の一部になったような感覚を与えてくれる映画です。とても詩的だと思います。

俳優としての生活はどうですか?
変な感じですね。自問することが多くなり、自分の勝手さに愕然とします。人間は皆エゴを抱えて生きているんだと思いますが、俳優になるとそれが増すんでしょうね。映画に出ればいろんな人が自分を観るわけで、それは素晴らしいことですが、世界が自分中心に回っていると思ったらまったく違う。謙虚なひと、自問を繰り返しながら生きているひとに惹かれます。演技は好きですが、映画人を取り巻く状況には興味がありません。

2017年に17歳であるというのは大変なことだと思いますか?
大変ですが、興味深くもあります。小説家やミュージシャン、映画監督にとって「現在よりもずっと作品を生み出しやすい時代がかつてあった」とよく言われます。現在、僕たちはとても豊かな社会に生きていて、一方で過酷なことも世界でたくさん起こっている----この先、何か素晴らしいことが起こりそうな気配がします。この前アテネに行ったのですが、ギリシャが大好きになりました。経済危機の後、多くの人が活動家のように強い意志を持つようになり、アーティスティックな取り組みもたくさん起こっている。17歳は多くの問題のために戦うことができる----世の中にはすべきこと、戦うべきものがたくさんあります。何かが起こるような気がします。

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Corentin wears Larose beret, Kenzo pendant, jacket Ami, Gap sweatshirt, trousers and shoes Maison Margiela, and bracelet Etudes.

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Damien wears a Prada jacket and trousers, and T-shirt by Sacaï.

ダミアン・ボナール
アラン・ギロディ監督『垂直のまま』出演でノミネート

ゼザール賞最優秀新人賞にノミネートされた感想を。
応援と励ましだったと捉えています。最高の気分です。

演技に興味を持ったきっかけは?
徐々に興味が湧いたんです。最初に興味を抱いたのは10年ほど前で、映画の世界では2年間ほど脇役を演じたりしていました。そこで演技を学びました。そうする必要があったのです。そして必死で練習しました。いまも毎日が学びです。新しいことを探り、どんな役にもなれるように、コーチをつけて学んでいます。

『垂直のまま』の撮影はどうでしたか?
楽でしたよ。全員がとても仲良く、皆で作品の方向性を共有していましたから。アランはとても単刀直入で、本当に楽しく愉快な現場でした。みんな子どもみたいでしたね。

この映画には魔法のような要素があります。いま世の中はファンタジーを求めていると思いますか?
そうですね、寓話の世界に立ち返る必要があるんじゃないでしょうか。現実的な物語も大切ですが、この映画のように寓話だからこそできることもある。ときにはクレージーなことをするのもいいものです。

現在のフランス映画界についてどう思いますか?
良い状態にあると思います。もっとクレージーでも良いような気はしますけどね。ちょっと遠慮がちというか、もっと挑戦する姿勢があっても良いような気がします。

映画観を完全に変えてしまった作品は?
たくさんあります。『サンセット大通り』は美しい映画ですね。『ミニー&モスコウィッツ』をはじめとするジョン・カサヴェテス作品は「素晴らしい」のひとことに尽きるし、スカーレット・ヨハンソンが出演している『アンダー・ザ・スキン』も良い。演技や映像の演出という点でも、今挙げた作品はどれも素晴らしいと思います。学校でアートを学んだので、そういった側面をとても重視するんです。

2017年、ご自身のキャリアに期待するものは?
去年、若手監督のネイサン・シルバー(Nathan Silver)と撮ったアメリカ映画の配給が決まれば嬉しいですね。それから、レオス・カラックスの映画に出てみたいです。

映画には世界に良い影響を及ぼす力があると思いますか?
思いますね。ひとに夢を見させ、人生について深く考えさせてくれるものだと信じています。ひとにとっての栄養のようなものだと思います。

『垂直のまま』のレオから、わたしたちは何を学ぶことができるのでしょうか?
この映画のなかでレオが探し求めているのは、ひとが生まれ、成長する過程で徐々に失ってしまうもの----いま僕たちがあるのととても近い状況です。愛するひとたちに囲まれ、生きていることを心から幸せと思える日がある----レオは、無意識のうちにそんな感覚を追い求めているんだと思います。

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Oulaya wears a Paco Rabanne bra, Off-white skirt, Loewe shoes, a necklace by Aurélie Bidermann, and Tiffany & Co rings

ウーラヤ・アマムラ
ウーダ・ベニャミナ監督の『ディヴァイン』に出演して最優秀新人女優賞を受賞

今日の気分は?
力みなぎっています。今年は特に、ジェットコースターに乗っているような毎日です、上下があって。でも幸せです。姉(監督)にこの役をやらせてくれと頼み、あのキャラクターを作り上げるのが大変でしたね。自分の演技を認めてもらえて、誇らしいです。

この映画はあなたにとってどんな意味を持っていますか?
この映画はヒューマニスト的なアプローチで、矮小化されている人々を描いています。喊声----黙殺されてきた若者たちの怒りを見せてくれます。様々な問いを投げかけてくる作品です。元フランス大統領のフランソワ・オランドは、この映画を観た後に、「取り組まなきゃならない問題が山積していると気づかされた」と言っていました。それを聞いて、とても感動しました。今でもまだフランスには飲める水も、雨風をしのいでくれる屋根もなく、学校にも行けていない子どもがたくさんいるんです。でもそれを知らない国民も多いのです。

『ディヴァイン』が物語るあなたの世代とは?
存在を認めてもらいたい、精神的なリーダーがほしい----そう願っているのがわたしの世代です。この映画は、お金や物質主義がいかに人間を動かしてしまえるかを物語っています。悲しいことですが、それが現実ですね。

あなたにとって最初の大切な映画は何でしたか?
『王妃マルゴ』のイザベル・アジャーニです。彼女から目が離せませんでした。あの映画には圧倒されました。それと、9歳のときにコメディ・フランセーズ劇場で見た、モリエールの『病は気から』にも影響を受けました。あの舞台を観て女優になろうと決めたんです。映画より先に舞台に興味を持ちました。映画と舞台はまったく違う世界ですが、どちらも強烈にひとの心を動かすことができる。舞台は観客との距離が近く、親密な空間で「キャラクターとしてその瞬間を生きる」のが好きです。舞台でも映画のセットでも、そこに真実を浮き彫りにするという意味では似ているところがあると思います。

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演技には忍耐が必要ですね。
いつも、「名声のためではなく情熱があるから続けている」と言っているんです。映画が成功したら、それは喜ばしいことです。でもそうでなかったとしても、わたしは演技を続けます。時間をかけて成長していきたい。パリ国立高等音楽舞踏学校で演劇を学ぶつもりですが、3年後になんでも演じられるようになっている。学校で学ぶことで、より自由に演じられるようになると思っているんです。あらゆる芸術には基本があると信じています。ずっとクラシック・ダンスを学んできたので、どんなダンスを踊るにしてもクラシックが基になっています。舞台も同じだと思う。偉大な戯曲家が書いた素晴らしい言葉をもって、自分を暴いていく----高等学校で学ぶことで、さまざまな失敗を体験したり、自分を見失ってみたり、まったく異種のキャラクターになる術を追求できるわけです。

今後のキャリアはどうしていきたいですか?
コメディ・フランセーズの一員になりたいです。そして、ミヒャエル・ハネケ、マーティン・スコセッシ、パク・チャヌクといった憧れの監督の作品に出たいです。

2017年のこの世界に何を望みますか?
私たちが一丸となる必要がある。団結することによって力が生まれるのですから。そうしたからこそフランス革命は起こったのです。1789年のように、また皆で団結しようじゃないですか。

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Jonas wears a Maison Margiela trench and hoodie by Kitsuné

ジョナ・ブロケ ポール・バーホーベン監督の『エル ELLE』出演でノミネート

ゼザール賞最優秀新人賞にノミネートされた感想を。
大きな喜びと充実感があります。ビックリしましたよ!

演技を始めたキッカケは?
10年ほど前、15歳のときに映画のオーディションを受けたのがキッカケです。その映画で主役に抜擢されました。学校を15週間休んで撮影をしたんですけど、みんな僕を王子様のように扱ってくれました。甘美で気楽な時間でしたね。それが今は仕事になっているなんて。

『エル』の撮影で印象に残っていることは?
バーホーベンの仕事ぶりを見れたことです。イザベル・ユペールとのシーンも印象に残っています。現場での彼女のあり方や、彼女がキャラクターとしてシーンに挑む姿----それを見れたのは貴重な経験でした。ユペールは撮影の合間に舞台を観に行ったりするとき以外は、映画のキャラクターに入ったままでいるんです。今回初めてアリス・イザズにも会いましたが、素晴らしいコメディアンですね。

何を学びましたか?
演技について多くを学びました。バーホーベンは素晴らしかった。もう80歳なのに、寝る間も惜しんで作品作りに取り組み、健康そのもので、いつもニコニコしていて落ち着いていました。素晴らしいひとです。

好きな俳優や監督とディナーをともにできるとしたら、誰と?
トム・ハーディですね。素晴らしいひとときになるに違いありません。監督も呼べるなら、デヴィッド・フィンチャーを招きたい。訊きたいことが100000くらいある。コメディアンたちからどうやって演技を引き出すのか、どんな手法を用いるのか、1シーンに何テイク撮るのか----彼の頭の中で何が起こっていて、どうやって完璧な演技を引き出しているのかを知りたいですね。

あなたの夢は?
情熱を仕事と直結させることです。

今後の予定は?
1ヶ月間、ロサンゼルスでいろんなオーディションを受けます。その後は未定です。

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Niels wears Dries Van Noten jacket.

ニールス・シュネデール
アルチュール・ハラリ監督の『汚れたダイヤモンド』出演で最優秀新人男優賞受賞

最優秀新人俳優賞を受賞したことは、あなたにとってどんな意味を持っていますか?
監督のハラリとともに作り上げたものを誇りに思いますし、とても幸せな気持ちです。一緒にあの役に命を吹き込んだからです。血の通った魂をそこに作り上げたという感覚は、撮影中ずっと感じていました。撮影が終わったので、もうこの映画を観ることなどありませんが----自分が出ているものは観られないんです。自分が出ていると映画として観られなくなってしまうので。僕にとっては、映画を作り上げていくプロセスがすべて。あとはハラリの手腕に委ねられるわけですが、彼ほど信頼にたる監督はいません。

新しい世代の俳優の一員であるという自覚はありますか?
セザール賞にノミネートされた役者をそう括ることはできるかもしれませんが、これといった"世代"があるとは僕は感じません。シネマを変えるものがあるとすれば、それはヴィジョンだったり、ひとりの監督や脚本家が書く脚本だと思うんです。俳優はそれを体現するものでしかない。クリエイティブな体現者なんです。

"フランス映画"をどう定義しますか?
僕はカナダのケベックで育ったのですが、フランス映画を観て映画狂になりました。トリュフォーやレオス・カラックスといった名匠たちの映画から、ヌーヴェルヴァーグまで......フランスは芸術的な実験が盛んで、ジャンルとアイデアが混ざりやすい場所なんだと思います。フランス映画界は大きな家族のようだと言うひともいますが、僕はそう思いません。コメディアンのダニー・ブーンとカラックスとデプレシャンが3人でテーブルについているところなんて想像できませんからね。そういったまったく異なる類いの才能とヴィジョンを共存させているフランスという国が重要なんだと思います。

強く印象に残っている出演作は? どの役を演じたことで人生が変わりましたか?
まちがいなく、今回の『汚れたダイヤモンド』です。道徳観や価値観が問われ、とても感情がかき乱される映画でした。僕が生きる現実とも、普段求められる演技ともまったく異なっていたんです。ハラリは素晴らしい監督で、撮影中は二人三脚でキャラクター作りをしてくれました。彼の映画は、既存の映画に囚われていないんです。一見すると、そのリアリズム的な表現はモーリス・ピアラやエリック・ロメール、ジャン・ルノアールに連なる系譜だと思うかもしれません。しかし、ハラリは強いヴィジョンを持った、形式主義的な作家でもある。彼の持っている美学が物語を駆動させていくのです。ハラリの作品は、個人的かつ大衆的です。彼が発しているメッセージは明確で、「これは復讐がテーマ」だと誰もが思うわけですが、そこには普遍的で個人的な物語も同時に描かれているのです。

あなたは演劇学校に通い、舞台の勉強をしてきたわけですが、舞台と映画というふたつのまったく違う領域をどう生き分けているのでしょうか?
俳優の観点から見れば、舞台は映画よりも深く劇中の世界を理解することが許される空間で、また俳優だけがその戯曲の世界をそこに作り出すことができます。映画では失敗もリスクも許されません。時間が限られているから、最初から完璧でなくてはならない。舞台ではより自由と可能性が与えられるのです。

あなたの考え方に影響を与えた映画は?
映画に感動すると、ひとは変わる----それが感情というものだと思います。映画には、ひとを変えてしまう力がある。そういった意味で、多くの映画が僕を変えてくれましたが、特に『オープニング・ナイト』や『ハズバンズ』といったジョン・カサヴェテスの作品には衝撃を受けました。

未来にかける願いは?
今、僕たちは恐怖と孤立化の時代に生きている。だから、もっと他人を思いやることのできる世の中になってほしいです。歴史から学び、同じ過ちを繰り返さない----そんな世の中になればいいですね。昨日マリーヌ・ル・ペンとナジャット・ヴァロー=ベルカセムのテレビ討論会を見ていたんですが、そこに書き込まれるコメントを読んでいたら怖くなりました。ドナルド・トランプがアメリカ大統領に選ばれてからというもの、フランスでも他者に理解を示さないひとが非人道的な発言をするようになってきました。世界とは、一歩間違った方向へ進み始めるとこうなってしまうものなのでしょうが、世の中がこんなふうに混沌としているときこそ、わたしたちは自分らしさを失わず、強く生き続けなければならないのだと思います。ポピュリズムと、それを先導する政治家たちの罠にかかってはなりません。心から人民のために活動したいと願うひとに投票しなければならないのです。

映画が持つ力を信じますか?
映画には感情を通して力強いメッセージを広める力がある----だから、はい、信じます。プロパガンダ映画が利用したのはその力ですからね。どんなものでも映画は政治的です。『真夜中過ぎの出会い』や『Belle Dormant』のように、一見して政治的でないように見える映画も、現実世界の新たな展望を打ち出しているという意味において政治的です。それが文学や映画というものなのだと思います。夢果てて危機的な状況にある世の中で必要となる新たな展望と信念を示してくれるのが、文学や映画なのです。

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Kacey wears T-shirt J.W.Anderson, trousers Lemaire, and shoes Maison Margiela.

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ケシー・モテ=クレイン
アンドレ・テシネ監督作品『17歳にもなると』出演でノミネート

最優秀新人俳優賞を受賞したことは、あなたにとってどんな意味を持っていますか?
努力が報われ、評価されたということですね。友人でもある若手俳優たちと、ひとつのチームを作っている感覚で、とても嬉しいです。

若くして素晴らしいキャリアを歩んでいますが、この成功とどう向き合っているのでしょうか?
僕はスイスで映画の世界に育ったので、当初は自分に与えられたチャンスの大きさに気づきもしませんでした。スイスではすぐに悪評がたち、たしかにバカなことをしていたなと思います。映画の世界に足を踏み入れたのは11年前、これまでに素晴らしく美しい映画に出させてもらう機会に恵まれました。学校を中退したので、映画の現場以外の経験がほとんどない----それがたまに怖くなります。

アンドレ・テシネとの現場で何を学びましたか?
自分の中にある女性的な部分に気づき、また自分の繊細な部分を再発見しました。アンドレは偉大な監督ですが、とても繊細なひとでもあって、僕たちを真に理解するよう尽くしてくれました。僕たちの話をじっくりと聞いてくれたんですよ。彼の映画がとても現代的で、若者がステレオタイプな描かれ方をしないのはそのためだと思います。

印象に残っている出演作は?
『シモンの空』に出演させてもらったとき、「これだ。僕は俳優になりたい」と思ったんです。このあいだ、マルク・デュガンの映画『L'enchange des Princesses』で、アンナ=マリア・バルトロメやランベール・ウィルソン、オリヴィエ・グルメらと共演したことも印象深いです。中世を舞台にした映画で、僕はスペインのフィリペ5世の息子、ルイス1世を演じているんですが、素晴らしい体験でした。中世の衣装やかつらを着けて演技するのはとても楽しかったですね。着るもので考え方も体の動きも変わるんです。

今後一緒に映画作りをしてみたい俳優や監督は?
グザヴィエ・ドランのような監督は素晴らしいと思います。家にいるときにはなるべく映画環境から離れたいので、現在の映画界に関してはよくわかりませんが、大手スタジオが作る映画には出てみたいです。経験として。そして、大手スタジオのやり方がどう他と違うのかを知りたいです。

友達でもあり、『17歳にもなると』では共演をした俳優仲間でもあるコレンタン・フィラと一緒にノミネートされた感想は?
コレンタンと一緒にノミネートされたのは二重の喜びでしたね! ふたりでノミネートされているとは知らなかったんです。これは僕たちが良い仕事をしたからこその結果だと思うので、とても嬉しいです。

未来への願いは?
地球への敬意と、サステナビリティのために闘っていこうと思っています。自然の中で、僕たち人間はどれだけ小さな存在か。そのことを肝に命じて、未来を築いていくべきだと思います。

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T-shirt and necklace stylist's own.

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Corentin wears sweatshirt Gap and Kacey wears jacket Niuku

Credits

Text Micha Barban-Dangerfield
Photography Lasse Dearman
Stylist Xenia May Settel
Hair Rimi Ura
Make-up Aya Fujita pour Nars Cosmetics
Production Mayli Grouchka
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.