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ファッションブランドが生き残る道とは?

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2017年8月30日、Tokyo Fashion Technology Lab 原宿校舎にてファッション業界の未来を考えるトークイベント「FASHION FUTURE」が開催された。

このイベントは"変革期におけるファッション業界の未来を示唆する"をテーマに、編集者である軍地彩弓氏とファッション業界の鍵を握るトップクリエイターが現状の業界課題や成功事例を語り、ファッションの未来を紐解いていく。

第1回目となる今回は2部構成で進行され、前半部は軍地氏が「ファッション業界の現状と未来について」の講演を、後半部はGLOBAL WORKやLOWRYS FARMなど数々の有名ブランドを展開し、不振にあえぐアパレル業界の中でも急成長を遂げた「アダストリア」の常務取締役、木村治氏が特別ゲストとして登壇し、同社の成功事例や今後の展開、アパレル業界の現状と未来等について講演を行った。

国内のファッション業界の現状は?

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-軍地彩弓氏

軍地氏が挙げた「ファッション供給と需要の変化」のポイント3つ。

1.アパレルの国内市場規模の縮小

1997年辺りを目処にアパレル製品の生産拠点が海外に移行し、アパレルの国内生産率が低下、輸入比率が上昇している。これが結果的に日本のアパレル産業の弱体に繋がっている。

2.多様化する販売チャネル

例えば百貨店の売上高は、1991年は約9兆円だったが、2016年は約5兆円に低下している。というのもショッピングセンターやEコマース、フリマアプリ等のCtoCサービスが台頭し、販売チャネルが多様化しているから。

3.賢くなった消費者

デジタル化が進んだ今、店舗で販売されている商品をインターネットで検索をかければ値段の比較も容易に出来る。なんでも買う時代から選んで買う時代に。消費者は購入においてより慎重になっている。

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ファッションブランドが生き残る道とは?

このような厳しい現状の中でファッションブランドはどうすれば生き残れるのか、が下記。

1.徹底した効率化

ITを駆逐し、無駄を省いて効率化を図る必要がある。SPA化するなど複雑化したサプライチェーンを簡略化することが求められている。

2.選ばれる商品づくり

金融経済から価値経済へと変化している今、「ここにしかない」、「ここでしか買えない」製品や空間が求められている。

3.売り込む力

ユーザーに求められている説明をどれだけ出来るか、が大切。雑誌メディアだけでなく、SNSや、店舗での売り方を工夫する必要がある。

アダストリアの成長の鍵とは?

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-アダストリア常務取締役 木村治氏

アダストリアは国内外に22ブランド、約1500店舗を展開、売上高は2000年から15年間で約20倍となっている。不景気に喘ぐファッション業界で群を抜いて好調なアダストリアの成長の鍵とは何なのだろうか?

1.積極的なバリューチェーン改革

OEMに頼らず、SPA化を進めるなど、積極的に新しい仕組みづくりに邁進している。

2.スクラップ&ビルドを進める経営判断が早い

ブランド開発や出退店、システム導入などのマネジメントや、ICタグの導入など、棚卸しや物流の効率化を図っている。

3.在庫を残さない仕組みづくり

データを蓄積し、在庫を残さない仕組みづくりを徹底して行っている。また、ICタグを導入し、棚卸しや物流の効率化を図っている。

4.新カテゴリの開発

生活者のライフスタイルの変化に合わせ、新しい業態を開発。飲食や家具等ライフスタイル全般を提案している。

5.SNSの活用

ユーザーを細かくセグメントできるSNS広告に積極投資。
ブランドや店舗がフォロワーとの密接な繋がりを作っている。

アダストリアの、在庫を残さないための仕組みづくりや、ITを積極的に活用した効率的な運営への取り組み、生活者のライフスタイルの変化をシビアに捉えたスピード感のある事業展開が実に印象的だった。

この「FASHION FUTURE」は今後も数回に渡り、様々なトップクリエイターを招き、ファッションの未来を紐解いていく予定だ。