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ラフ・シモンズによるカルバン クラインが表現した米国の矛盾と葛藤

ラフ・シモンズによるカルバン クラインが表現した米国の矛盾と葛藤の画像

映画『イージー・ライダー』やアンディ・ウォーホルのポップアートを取り入れて、ラフ・シモンズはCalvin Klein 2018年春夏コレクションでアメリカン・ライフの新たなヴィジョンを探った。

This article was originally published by i-D UK.

アメリカほど矛盾を多く抱えた国もないだろう。ラフ・シモンズは、Calvin Kleinでの2シーズン目となる最新コレクションで、その矛盾をテーマに据えた。オープニングには、昨シーズンの「マーチング・バンドとカウボーイのユニフォーム」という世界観を引き継ぎつつも、それを高級感溢れるシルクで表現していた。そこには、アメリカの矛盾と葛藤(ラフが言うところの「アメリカン・ドリーム、アメリカン・ホラー」)が浮かび上がっていた。

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アメリカーナの典型(アンディ・ウォーホル)が、ラバー製のフェティッシュなアイテムや、アクセサリーやドレスとして表現されたチアリーディングのポンポンとぶつかり合う。全体を通して、ウォーホルによる俳優デニス・ホッパーの肖像画プリントが多く用いられていた。このコレクションでモチーフに用いられていたのが、1960年代カウンターカルチャーの象徴である映画『イージー・ライダー』だった。地平線へと続くまっすぐな道、チョッパー・バイク、死、安物のドラッグ、星条旗がペイントされたタンクに隠された大金、そして主役のワイアットには"キャプテン・アメリカ"というニックネームがつけられている----『イージー・ライダー』には、アメリカという国が見せてくれる夢と悪夢が描かれている。

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しかし、恐怖や嫌悪だけではない。そこには愛や光も多く描かれていた。実際、このコレクションの力強さは、それらをなだらかに接合しているところにあった。そこには、ラフ・シモンズが作り出した、反逆的で美しく、ロマンチックで、ダークな魅力に溢れた、新たなアメリカのアンチ・ヒーローの姿があった。

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ここには、華やかな色彩や、セックス・クラブを彷彿させるグローブやラバーの素材を用いつつも、ミニマルで現代的に仕上げたウィメンズウェアの成功例がある。メンズウェアはボーイッシュで可愛らしいものも多かったが、ウォーホルによるデニス・ホッパーや、事故で大破した車のシルクスクリーン作品がプリントされているものもあった。それらのプリントは、華奢で美しいシャツドレスに不和を差し込んでいるようだった。

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ランウェイ上のごちゃ混ぜ感と不一致は、ラフの長年のコラボレーターであるスターリング・ルビーが手がけたセットにも反映されていた。天井からは、ポンポンやCKリボンのほか、斧やバケツ(『キャリー』みたいに、中には血が入っているかもしれない)が吊るされていた。

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「ファッションは美しいものだけを採用し、不快感(ホラー)を隠そうとします」と、ラフ・シモンズはショーノートに書いている。「しかし、そのどちらも生活の一部なのです。このコレクションは、その共存を讃えたもの----アメリカン・ライフを祝福するものです」と。

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Credit

Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.