米ウォルマート、30秒で返品できる「モバイル・エクスプレス・リターン」発表

0171010wa.jpg■ウォルマートは9日、アプリを使って気軽に返品できる「モバイル・エクスプレス・リターン(Mobile Express Return)」を発表した。ストレスフリーの返品は、利用者が事前にウォルマート・アプリ上で返品処理を行うことで返品スピードを早める方法だ。ウォルマートでモバイル決済の「ウォルマート・ペイ(Walmart Pay)」で購入した商品やオンラインストアのウォルマート・コムで購入した商品が対象となる。モバイル・エクスプレス・リターンは、購入した商品の中から返品したい商品をアプリ上で選択しておく。ウォルマートのお店では、カスタマーサービスにあるモバイル客専用に設けた「モバイル・エクスプレス・レーン」のデスクで、アプリを使いQRコードをスキャンする。アプリとレジの同期後、返品する商品のスタッフ確認で完了となる。返品完了はアプリ上でも確認でき、早ければ翌日中には顧客のアカウントやクレジットカードに返金される。また12月からは、洗剤やシャンプーなどの日用品や化粧品など一部商品を対象に店に返品しなくても返金するサービスを始める。この返品サービスではアプリで返品処理後、返品する商品を店に持ち込まなくても破棄するだけでよい。詳細は明らかにされていないが、返品を濫用されないような機能となっているようだ。
なおウォルマート・ペイは同社のスマートフォン・アプリにクレジットカードなどの情報を登録しておき、レジのQRコードを読み取り、アプリとレジを同期することで決済を行うシステム。ウォルマートは3月、モバイル・エクスプレス・レーンで「ファーマシー・エクスプレス・ピックアップ(Phamacy Express Pickup)」と「エクスプレス・マネー・サービス(Express Money Service)」を始めている。ファーマシー・エクスプレス・ピックアップは、店に行く前にアプリで処方薬(バーコード)で読み取り、リフィル等の注文を済ませておく。モバイル・エクスプレス・レーンでは、バーコードを読み込み、アプリとレジを同期後にリフィル等を受け取る。エクスプレス・マネー・サービスも振込先の銀行名や口座番号などの情報を事前に入力しておく。同期化により振込先情報がレジに伝わることで、ペーパーワークやスタッフによる入力作業を省き、大幅に時間を節約できるのだ。サービス・トランザクションはすべてアプリ上のEレシートで保存される。
ウォルマートではモバイル・エクスプレス・リターンによりこれまで最大5分程度かかっていた返品処理を最短30秒に短縮できるとしている。

動画による「モバイル・エクスプレス・リターン(Mobile Express Return)」の紹介。モバイル・エクスプレス・リターンは購入した商品の中から返品したい商品をアプリ上で選択しておく。ウォルマートでは、モバイル客専用に設けた「モバイル・エクスプレス・レーン」で、アプリを使いQRコードをスキャンしてレジと同期させる。スタッフが返品する商品を確認して完了となる。アプリ上でも返品完了を確認でき、早ければ翌日中には顧客のアカウントやクレジットカードに返金される。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当社のコンサルティング・セミナーでアメリカの返品について説明すると、誰もが目を丸くして驚きます。アメリカに何度も視察研修で訪れた人でさえ、後藤がおこなった返品事例などを話すと言葉を飲みます。ところで後藤は日本のコンサルタントにもコンサルティングを行っています。が、彼らでさえアメリカの返品事情を良くわかっていません。ちなみに私がコンサルティングするコンサルタントは、流通業者や関係者となるクライアントに講師の立場で説明するような方々です。蛇足ですが、コンサルタントには、後藤に正式に堂々とコンサルティング依頼してくる人(企業)もいれば、私にコンサルタントであることがバレないように、他の社員になりすまして来られる方もいます...いずれにしても、プロである彼らもアメリカの返品制度についてはよく知らないのです。なぜかというと実際に返品をしたことがないから。体験してないので詳しく語れないのです。
⇒後藤はこれまで食品から衣料品、ソフトウェア、薬、高額なモノでは家具、コピー機、さらにはアイファンやアイパッド・プロと日本では考えられない、ありえない返品を無慈悲に行ってきました。断っておきますが、これらはあくまでもリサーチのためです。人から聞いた受け売りではなく、自分が体験して得たことなので、説得力や洞察がまるで違うのです。先日も某チェーンストアのトップが、ランニングシューズを購入したもののサイズが合わないとこぼしていました。コンサルティング後、即座に返品してもらっていました(笑)。簡単に返品できることを知って驚いていました。彼はアメリカに視察研修などで頻繁に来ていたものの、私に会うまでアメリカの返品制度についてまったく知識を持ち合わせていなかったのです。一緒に来ていた講師となるコンサルタントは返品したことがないからです。体験していないので、返品について詳しく語れないのです。上記エントリー記事から、なぜ返品がスピードアップするのか分かりますか?

⇒返品には、その商品を購入したレシートが必要です。カスタマーサービスなどにある返品コーナーで、商品とレシートを持っていきます。スタッフに商品とレシートを渡し、商品がレシートに記載されているかどうか確かめてもらうのです。商品のバーコード等をスキャンして返品処理を進めます。バーコードがない場合は手入力でレジに打ち込んでもらったりします。これらの処理で返品時にどうしても時間がかかってしまうのです。日本と違って返品ではスタッフに怪しまれるようなことはありません。返品理由を聞いてこないことも多々あります。返品理由を聞かれても後藤はいつも「気に入らない(I don't like it)」の応答です。これで返品を却下されたことなど一度もありません。家電製品などは不具合の有無を尋ねるだけです。スタッフは機械的に返品作業を行っているのです。ウォルマートのモバイル・エクスプレス・リターンはアプリと返品用のレジの同期により、これらの時間のかかる返品処理を省くのです。
楽しみなのは返品なくても返金する返品制度。乱用防止にどのような対策をしているのか、無慈悲な返品で探ってみたいと思います。

後藤文俊