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日本郵便が越境通販向けサービス拡充、米国で返品対応に

日本郵便が越境通販向けの配送関連サービスを拡充している。12月1日から米国で販売した商品の返品配送と、中国向けの通関業務なども含めて対応する新たな個人充て配送を開始。市場拡大が続く越境通販で返品や通関での手間を省けるようにし越境通販事業者の事業展開を支援する。

返品配送は、日本郵便が出資する香港のレントングループで提供している海外転送・返品配送プラットフォーム「ZipX」を活用。ウェブ上で越境通販事業者(個人も可能)が登録すると利用できるもので、商品購入者から返品要請を受けた場合に返送先住所と配送ラベルを通知。購入者から返品商品が返送先の倉庫へ届くと、越境事業者へ商品の重量と状態、日本への配送費用を伝える。配送費用などはオンライン決済「PayPal」で支払う。

越境通販での返品は市場拡大とともに増加し、特に米国で返品率が高いという。返送費用を顧客負担でなく事業者負担にすることにより顧客の手間をなくすサービスの要望が多く寄せられていることからサービスを開始することにした。越境通販で返品のハードルを下げることにより、事業拡大などに寄与できると見ている。

同サービスは米国が第1弾で、米国のアマゾンやeBayに出品する事業者をターゲットにしている。今後は他国での展開も検討する。

一方、中国の個人充て配送もレントングループを通じて実施。国際宅配便「ゆうグローバルエクスプレス」(UGX)を使い事業者側が関税を支払う「UGXクーリエ」と、レントングループが中国郵政と香港郵政と共同で取り組み関税を荷主と荷受人のいずれでも支払える「e―Express」の2つを用意している。

日本郵便では10月16日からUGXを活用した別の中国宛て配送サービスに着手し、好評という。同サービスは昨年4月から始まった通常より税率が低い「越境EC総合税」を適用できるものだが、リスト掲載品目のみを対象にした上で事前の商品登録が必要なことや購入者のID情報などの提供も要することから、一部事業者にとって手間になるケースもある。そこで事前登録やID情報を不要とする新たなサービスを開始した。

UGXクーリエは、関税をEC総合税でなく「行郵税」を適用。発送時のID情報は荷主のものでも可能で、現地での配達時に顧客からIDを通知してもらって配送できる。

e―Expressも行郵税が適用されるもので、関税は荷主、荷受人のいずれかが支払うことを可能にしたサービス。関税の元払いが不要なときの配送に適しているという。また顧客のID情報の提供は原則不要となっている。

新たな2つのサービスで適用される行郵税の税率は15%、30%、60%(商品によって異なる)。これに対し越境EC総合増税は11・9%(一般商品)、47%(高額品など)と行郵税より低率となっている。新サービスでの配送可能な商品は原則として郵便禁制品で、またUGXクーリエでは粉ミルク、本・雑誌なども可能という。

日本郵便は「アメリカではクリスマス商戦、中国では独身の日に続く大型商戦日(12月12日)や旧正月に備えて12月1日のタイミングでサービスを開始した」とし、新サービスの需要に期待を寄せている。