ほんとうの「おいしい」を考える食体験
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(2021/10/22)
街で、自宅で、いつもの食事。その「前」と「後」を気にしたことはある? 意識すれば「おいしい食事」を未来に残すきっかけが見つかるかも。編集部員が今回訪れたのはITOCHU SDGs STUDIOで開催されている「いただきますの前、ごちそうさまの先。展−What makes a nice meal?−」。
本展は、10月16日(土)の「世界食料デー」に合わせて開催されている「食」をテーマにした体験型展示。多様な「食」の在り方に出会うことで、普段の行動を変えるヒントが見つかるはず。
会場内でまず目に飛び込んでくるのが、インパクト抜群な大きな手を合わせたオブジェ。向かって左が「いただきますの前」に知っておきたい食材の背景や課題、右が「ごちそうさまの先」にある課題解決方法やアイディアについてのパネル。それぞれ5つの切り口で紹介されている。
例えば、こちらの「いただきますの前」の課題。食材が安く手に入ることは、消費者としては嬉しく感じるが、一方で生産者が利益を得られていないこともあるという。生産者の存続のためにできることを考えられれば、豊かな食文化の存続につながるだろう。
では、私たちにどんなアクションが起こせるのか。中央には、課題を解決する商品が展示されている。こちらは生産者と消費者をデジタルデータでつなぐ「farmer connect」の商品。
アイディアの詳細は、「ごちそうさまの先」のパネルで学ぶことができる。先ほどの「farmer connect」は、コーヒー豆が海外の生産者から私たちの手元に届くまでをデジタルデータで記録、把握し、生産者にチップまで送れるサービスだという。そのほかにも地方の食を簡単に「おとりよせ」で楽しめるサービスも。いつもの食事がさらにおいしく感じられそうなアイディアがたくさん紹介されていた。
また、こちらは捨てられてしまうはずだった食材から作られたパスタ、パスタソース、牛丼の缶詰。これらは規格外であったり、「製造日から数えて賞味期限の3分の1以内に小売店に降ろさなくてはならない」という食品業界の「3分の1ルール」と呼ばれる慣習からこぼれてしまったりした食品を使用している。さらに、消費者には安く提供し、利益の一部を社会貢献団体に寄付される仕組み。買い物をするだけで気軽に社会貢献ができるのは、「ごちそうさまの先」の第一歩として踏み出しやすい。
奥に進むと、「A NICE MEAL? ガチャ」という大きなガチャガチャコーナーも。
参加方法は簡単。まずはITOCHU SDGs STUDIOのInstagramアカウントをフォロー。フォロー画面をカウンターに見せたらコインと交換してくれる。ガチャを回して出てきた用紙を再びカウンターで見せれば、展示で紹介されている食品や、次世代食材が必ず1品もらえる。
もらえるのは、規格外のフルーツで作られた「もったいないバナナのケーキ」や、「エシカルドライフルーツ」など、全14商品。気にはなるけど手が出なかった食材を試すチャンスだ。
また、今回の展示ではサステナブルな食材を盛り込んだ3種類のお弁当の販売も行う(販売はItochu Garden敷地内・青山通り沿い特設スペース)。会場内ではお弁当のサンプルと紹介パネルが設置されている。
ITOCHU SDGs STUDIO エバンジェリスト・冨永愛氏がレシピをプロデュースした「発酵美容弁当」では、日本の伝統的な発酵食をメインに、地球にも美容・健康にも嬉しい食材を使用している。
「ミライ弁当」は、今の食材と未来の食材の食べ比べができる。今は鶏肉で作られた唐揚げが、未来では大豆ミートに。今は桜海老とイカスミで作られているふりかけが、未来ではコオロギに……といったように、気になる次世代フードを楽しみながら味わうことができる。
「すてない弁当」は、規格外の野菜や害獣として駆除されてしまうイノシシや鹿などを具材に、パンの耳を使用したサンドウィッチとなっている。どれも各1000円(税込)、数量限定でされる。また、お弁当には本展オリジナル風呂敷と、使用後に箱に入れて持ち帰れるお箸がつくのも嬉しい。繰り返し使えるので、ゴミ削減への第一歩にもつながる。
さらに奥では、伊藤忠商事の新CMの放映も。躍動感あふれる主観映像で、「いただきますの前」から「ごちそうさまの先」までをつなぐ「食のリレー」の物語を知ることができる。なお、新CMは伊藤忠商事株式会社の公式YouTubeからもチェックができる。
「世界食料デー」に合わせて新聞各紙に掲載された冨永愛氏のビジュアルも展示。冨永氏は展示に先駆け、「行動に移すためには、まずは興味を持つことが大事(中略)。知ることから始めると、どんどん興味が広がっていくと思います」とコメント。学び、手に取り、口にし……、様々な角度から食の未来について想いを馳せられる展示となっていた。表参道や原宿にも、サステナブルな食材を使った飲食店は多くある。毎日の食卓の前と後、できるところから行動していきたい。
■概要
「いただきますの前、ごちそうさまの先。展−What makes a nice meal?−」
開催期間:10月16日(土)〜11月14日(日)
営業時間:11:00~18:00
開催場所:ITOCHU SDGs STUDIO
住所:東京都港区北青山 2-3-1 Itochu Garden B1F
休館日:毎週月曜日
<お弁当販売について>
発酵美容弁当:10月16日(土)〜10月31日(日)
ミライ弁当 :11月2日(火)〜11月7日(日)
すてない弁当 :11月9日(火)〜11月14日(日)
販売場所:Itochu Garden敷地内・青山通り沿い特設スペース(雨天時はSTUDIO内にて販売)
販売時間:11:30〜14:00(売り切れ次第終了)
※毎週月曜日はITOCHU SDGs STUDIO休館のため販売はお休みです。
Text:Emiko Hishiyama
Photo:Nao Takeda
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