GUCCI LOVE PARADEコレクション
IMAGE by: GUCCI
アレッサンドロ・ミケーレが「グッチ(GUCCI)」創設100周年を記念するファッションショーの地として選んだのはアメリカ・ロサンゼルス。現地時間で11月2日夜、ハリウッド・ブルーバード(大通り)をランウェイに見立てて、全115ルックの壮大な「LOVE PARADE」が繰り広げられた。
母から受け継いだ夢や憧れ
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グッチは今年4月、1921年の創業から100年を迎えたことを祝うコレクション「ARIA」をムービーで発表。それに続くシーズンとなる今回は、アニバーサリーを記念するコレクションであるとともに、グッチの新たなチャプターの幕開けと位置付けている。
「ロサンゼルスは自らを魔法にかけ、時を超えて輝き続けている」。ミケーレがコレクションについて思考を巡らせた時、思い浮かんだのは映画制作会社でアシスタントとして働いていた母のことだったという。魅惑的な映画の世界の話をよくミケーレに話していた母から受け継いだのは、美しいものへの憧れや、夢見ることの喜び。その聖地であるハリウッドで、記念すべきショーの開催に至った。
ハリウッド・ブルーバードが壮大なランウェイに
ショーの当日、通常なら多くの観光客で賑わうハリウッド・ブルーバードが閉鎖され、一夜限りで壮大なショー会場へと変貌。エルキャピタン劇場のネオンには「GUCCI LOVE PARADE」の文字が踊り、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムで知られる歩道にはグッチ仕様のディレクターズチェアがずらりと並んだ。
現地から全世界に配信されたライブ映像が捉えていたのは、セレブリティをはじめ多くの招待客が着飾って集い、再会を喜び合う様子。まだコロナが完全に収束したわけではないが、新しい時代が訪れようとしていることを感じさせる一幕だった。
全ての招待客が席に着くと、無数のレーザービームが夜空に放たれ、チャイニーズシアターからモデルが登場。数々のプレミア上映が行われてきた歴史ある映画館のスクリーンから飛び出してきたかのような、華やかなスタイルが次々と現れた。
スターたちがまとっていたテーラードやドレス
コレクションノートの冒頭に書かれていた「NINE LETTERS DRIPPING WITH DESIRE(欲望の滴る9つの文字)」とは、ミケーレが幼い頃から夢見てきた「HOLLYWOOD」のこと。ハリウッド特有の欲望を探究し、クラシカルなテーラリングと魅惑的なドレスを発表した。上品なサテンやレース、ランジェリーのセンシュアルな要素を取り入れ、往年のハリウッド女優を連想させるフェザーが装飾されたイブニングドレスやファーのガウン、女神のような風貌のプリーツドレス、またカウボーイハットをサテンのオールインワンに合わせるといったマカロニウエスタン調の装いも。
ミケーレならではの折衷主義は健在で、スネークやドラゴンなどオリエンタルなモチーフや、スポーティーなニットレギンスなど多様なカルチャーをミックス。南国柄のシャツには「LOS ANGELES」「SOUVENIR」とプリントされており、遊び心が見て取れる。
Courtesy of Gucci
歴史を更新するバッグとフェティッシュなモチーフ
過去にも多くのアイコンを生み出してきたグッチ。歴史とルーツに目が向けられた今回は、1971年に作られたメッセンジャーバッグ、プラットフォームサンダルなど、フェミニンな懐かしさを感じさせるバッグやシューズが現代版にアレンジされた。
photo by KEVIN TACHMAN
またメタルパーツで構成されたヘッドピースや、鼻を象ったピアス、フェティッシュなモチーフのジュエリーといった存在感のあるアクセサリーも個性を引き立てている。
フィナーレは圧巻のLOVEパレード
ランウェイを歩くモデルの顔ぶれも多様で、なかでもマコーレー・カルキンをはじめ、ジャレッド・レト、ジョディ・ターナー=スミス、コディ・スミット=マクフィーといった俳優陣、ドン・ジョンソンの娘でモデルのグレイス・ジョンソン、ミュージシャンのセイント・ヴィンセントやスティーヴ・レイシーなどが注目を集めた。
Courtesy of Gucci
マコーレー・カルキン
総勢115人のモデルが車道を闊歩するフィナーレは圧巻。ショーミュージックとして採用されたのは、過去に「グッチ・ガーデン」で企画展を開催したこともあるビョーク(Björk)で、愛について歌った楽曲「All is Full of Love」がオープニングとエンディングに響き渡った。
グッチは今回のショーを開催するにあたり、ロサンゼルスのクリエイティビティと文化の結びつきにスポットライトを当てるとともに、ホームレスやメンタルヘルス問題の支援団体への寄付を行なっている。ハリウッドだからこそ実現した壮大なショーが体現していたのは、自由に装うことの高揚感と、いつの時代もこの地に寄せられてきた夢や憧れ。100年の歴史を愛で包む「LOVE PARADE」の進む先に、グッチの新たな時代が始まろうとしている。
GUCCI LOVE PARADEに訪れたゲスト
Courtesy of Getty for Gucci
グウィネス・パルトロウとアレッサンドロ・ミケーレ
東京で開催されたライブビューイングに訪れたゲスト
Courtesy of Gucci
冨永愛
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