こんにちは、タニグチレイです。
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皮革製品に限らず基本的にはどんなものも素材の表記がされています。
レザージャケットは「牛革」だったりウールのコートは「毛」だったり表記されています。
それとともに取り扱い上の注意や表示者名も記載されていますよね。
今まで素材の種類や特徴なども書いてきたので例えば「牛革」の衣料品だったら素材については色々と思い浮かぶでしょう。
(ちなみにカーフスキンやステアハイドというのは皮の種類になるので家庭用品品質表示法では牛革となります)
そしてお客様によっては気にされることもある原産国。
この原産国は皮革製品はどのように決められているのでしょうか?
アパレル販売員の方は知っていたり想像はつくかもしれませんが今回はこの原産国表示のことについて書いていきます。
原産国は商品の実質的な変更をもたらす行為が行われた国
まず原産国に関する法律は「不当景品類及び不当表示防止法」などで規定されています。
詳しくではなくてもなんとなく聞いたことありますよね。
これは消費者庁が管轄するものでその目的は消費者が適正に商品やサービスを選べる環境を守ること。
いざ消費者の立場になれば不利益を被ることがないように保護されるのは助かりますよね。
おそらく皆さんが主に扱っている製品は繊維製品だと思いますが景品表示法には留意されることも多いでしょう。
皮革製品に戻りまして代表的な製品である鞄を例にしていきます。
ここで先ほどの「不当景品類及び不当表示防止法」なんですが消費者に誤認を与える不当な表示が禁止されています。
そして例にする鞄ですが消費者に誤認される恐れがなければ原産国の表示をする義務はないとされています。
不利益を与えるようなことがなければ記載はなくてもいいわけですね。
しかし様々な国で生産されるものであり工程によって変えていることもあったりと結果的に誤認を与える可能性があるので記載されているものの方が多いかと思います。
不当な場合はペナルティが課されるようなので生産者(企業)としては避けたいですよね。
そして工程によって変わることもあるならば原産国とはどのように決められているのか?
この「原産国とはその商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国をいう」と法令で定められています。
さらに「簡単な部品の組み立てをすることは含まれない」ともあります。
例にした鞄であれば組み立てや縫製がここに当てはまります。
少し製造工程を分解して順に見ていきます。
①皮を鞣して革にする工程は「実質的な変更をもたらす行為」に・・・
②鞣した革に型押しの加工をする工程は「実質的な変更をもたらす行為」に・・・
③型紙から裁断した革のパーツや部材を組み立て縫製する工程は「実質的な変更をもたらす行為」に・・・
④ハンドルの取り付けやショルダーベルトの取り付けは「実質的な変更をもたらす行為」に・・・
⑤検品して袋詰めして出荷する工程は「実質的な変更をもたらす行為」に・・・
このようにざっくりと5つの工程に分けてみましたが「実質的な変更をもたらす行為」に当てはまるのは③です。
そして「簡単な部品の組み立てをすることは含まれない」に当てはまるのが④ということですね。
他にも例えばネームの縫い付けなども④に含まれます。
イタリアのタンナーで生産①②した革を輸入して日本で鞄を製造③④⑤したら「日本製」となるわけですね。
もし①②③はイタリアで行い④⑤⑥を日本で行ったとすると「イタリア製」となります。
ちなみに④ですがもしこの「簡単な部品の組み立て」が付加価値を与えるような場合は国名を併記できます。
本体:イタリア製
ハンドル:日本製
この場合も原産国はあくまで③の工程なのでイタリアとなるわけですが④の日本と表記することに価値があれば上記のように併記をするとメリットが伝わるかもしれませんね。
鞄の一番重要な部分であるハンドルが日本製ということでしっかりとしていて安心感を消費者に与えると判断できるなら併記することで付加価値があります。
ここは企業責任の判断に委ねられているようなのでどのような購買層に向けて作っているかで変わってくるかもしれませんね。
繊維製品で言えば縫製や編立にあたる工程。
購入されるお客様によって色々な思いがある○○製。
誤認を与えるものでないことを忘れずにおきましょう。
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