詩羽×groundsコラボシューズリリース記念対談!詩羽とgroundsが創造する“原宿っぽさ”
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表参道・原宿で街を歩いているとよく見かける、ソールが分厚く特殊な形状のシューズ。「重力」をテーマに見たことのない斬新なデザインを展開する「grounds(グラウンズ)」のものだ。奇抜でありながら、着ている服装とは関係なく愛用している人が多い。スニーカー、ファッショントレンドが猛スピードで移り変わっていく中で、斬新な提案をしつづけ、支持されるgroundsの存在感は特別なものと言えるだろう。
筆者も実際に履いてみて、人気の理由が分かった気がする。履きこなせないかも、と敬遠していた部分もあったが思いのほかいろいろな格好にフィットするし、独特のソール形状は他の靴では味わったことのない弾力を生み、その履き心地もクセになる。SFチックなデザインは、なんだかエイリアンのように見えてきて愛着が湧く。
そんなgroundsが、「水曜日のカンパネラ」のボーカルとして知られる詩羽(うたは)とコラボシューズを制作した。耳に心地よく残る歌声とリフレインするような歌詞、音楽はもとより奔放で創造性にあふれたキャラクターと斬新なファッションが人々を魅了し続けている。
異質な存在感とインパクトを与えつつ、広くファンの心を掴んでいる点が両者に共通していると言えよう。どこか“原宿っぽさ”を感じずにはいられない二人が見つめる、表参道・原宿とは?OMOHARAREALもかねてから気になっていたgroundsディレクター・坂部三樹郎(サカベミキオ)と詩羽にファッションを軸とした表参道・原宿の話を聞いた。
坂部三樹郎(サカベミキオ)
1976年、東京都生まれ。groundsディレクター。成蹊大学理工学部卒業後、2002年にエスモードパリを卒業、その後、アントワープに渡りアントワープ王立美術アカデミーに入学。 2006年卒業時は主席で卒業したのち、07-08年秋冬コレクションをパリで発表。台湾出身のシュエ・ジェンファン氏とともに「MIKIO SAKABE」を設立。東京とパリを軸にミラノ、ニューヨーク、バルセロナなどの都市でコレクションを発表、現代アート、アニメ、アイドルの領域を横断しながらコラボし、2013年、2014年にリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)の山縣良和とともにパルコミュージアムで開催された「絶命展」も話題となる。2019年よりフットウェアブランド「grounds」を手がけるほか、ファッションスクール「me」を主催するなど講師としても活動している。
詩羽(うたは)
2021年、3人組音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」の二代目ボーカルとして加入。主演/歌唱担当。2022年2月にリリースした「エジソン」のMVが解禁後、SNSを中心に話題となり再生回数は5000万回を記録。ストリーミングの累積再生回数は1億回を突破。2022年「エジソン」を含む1st EP「ネオン」を、2023年5月3日に2nd EP「RABBIT STAR ★」をリリースした。7月5日にコカ・コーラCoke STUDIOキャンペーンソング「マーメイド」、10月18日に「聖徳太子」、2024年2月7日「作家と幽霊」をリリース。3月13日、Prime Videoで世界独占配信されるAmazon Originalドラマ「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」の主題歌「たまものまえ」をリリースする。詩羽による初の書籍「POEM(ポエム)」が3月15日に発売。16日には詩羽加入後初の東京・日本武道館公演を開催。
まだ冷たい雨の降る2月、フットウェアブランドgroundsのオフィスにてディレクターである坂部三樹郎と詩羽によるコラボシューズの対談インタビューが行われた。OMOHARAREALでは光栄にも、groundsオフィシャルサイトに掲載されるインタビューを担当。(リンクは記事末に記載)
そのインタビューの中で、お互いの印象からコラボシューズ制作の経緯を聞いていく中で、原宿ファッションの今と昔の変化を尋ねてみた。
詩羽「好きな街はどこですかって聞かれたら、原宿って答える」
坂部:僕が原宿で過ごしてきたのは90年代で、本当に、裏原ブームやストリートファッションが確立される以前から知ってるんですけど、その頃を知る僕から見ても詩羽さんは、超派手。
「そうなんですか?」と詩羽さんは意外そうに聞き返す。
確かに原宿の90年代のファッションと言ったらなんとなく原色で派手なイメージ、というか先入観がある。リアルな90年代を見てきた坂部さんに“超派手”と言わしめる詩羽さんとの違いはなんなのか。
坂部:感覚的に、詩羽さんはただ派手な人とは違う気がしてて。昔の派手な人ってめちゃくちゃ派手な格好してても、メイクを全然してなかったりとか、ちょっとアンバランスだったんですよ。詩羽さんはメイクもファッションもバランスが、すごく整っていて自分らしさを表現できている。たぶんそこが昔と今の原宿ファッションのいちばんの違いなのかもしれないって、詩羽さんを見ていると思う。
そして詩羽さんのファッションを今の原宿の感覚と照らし合わせて続けた。
坂部:昔は派手だけど、もっとアンバランスだった。独特な派手さ、目立てばOKという粗野な部分が魅力でもあったんですが。今は詩羽さんのようにもっと洗練された、トータルのファッションとしてグローバルに興味を持たれていると思います。
90年代初頭、裏原カルチャーがまだそう呼ばれる以前に原宿でその熱気を体感していたという坂部さん。確かに、“詩羽のファッション”と一口に言っても服装だけではなく、髪型、メイクに至るまで細部までこだわりを感じるとともに、それこそ靴までトータルで“詩羽”を表現しているように見受けられる。
当の詩羽さんは原宿のファッションや、昔のファッションを意識しているのだろうか。
答えはNO。「無知であるからこそ表現できる気がする」と、自身を源泉とした表現を追求する。今回のコラボシューズも、詩羽の中から湧き上がってきたアイデアが落とし込まれている。それが詩羽を詩羽たらしめ、その歌声やファッションが人々を魅了するのだ。
詩羽さんに“原宿っぽさ”を強く感じるのはかつてゼロからイチを作り出し、さまざなトレンドやムーブメントを生み出してきた原宿のD.I.Y.精神から来ているかもしれないと思った。
そんな詩羽さんはかねてからプライベートでもよくオモハラの街を訪れるという。街についての印象を聞いてみた。
詩羽:私の知ってる昔の原宿って、みなさんが思うほど“昔の原宿”じゃないんですけど(笑)。私はずっとこういう格好をしていて、普段からこんな感じの格好で原宿とか行ったりするんですけど、他の街に比べて、嫌な感じがしないですね。
嫌な感じというのはどういうことなのか?詩羽さんはこう続けた。
詩羽:すぐ近くの渋谷駅の方だとちょっと、見え方(自分の)が違いますよね。他になかなか同じような人がいないからこそ、歩いてるとどうしても1歩前に出てる感じになっちゃうんです。
私はそれを別に望んでるわけではないので、原宿周辺の方が圧倒的に嫌な視線じゃなくてポジティブな視線を感じる気がします。自然に街が受け入れてくれるような感覚。
人に見られる立場だからこそ、敏感に感じ取る人々の視線。表参道・原宿では、その視線に込められた印象が違うという。
“個性的あふれるファッションの街”という印象も、昨今はだいぶ薄れてしまったという見方もあるオモハラの街。しかし、根本的にファッションへ注がれる視線の意味合いは他の街とはまるで違うのだ。
詩羽:原宿も派手じゃない、いわゆる普通のファッションをしている人が多くなって、みたいな話は良く聞くけれど、それでもやっぱり“普通じゃない”とされる感覚を、受け入れてもらいやすい街かなと思います。「あ、ファッションがかわいいって思ってもらえてるんだな」っていうのが、見られている方はすごく分かる。だからこそ私は、高校卒業してからずっとこんな感じですけど、好きな街はどこですかって聞かれたら、原宿って答えると思いますね。
表参道や原宿周辺で、groundsを履いている人は圧倒的に多い気がしている。OMOHARAREALのスナップ企画で街に繰り出してみても、自然と目に入ってくる靴のひとつがgroundsだ。神宮前に直営店があるだけでなく実際に、groundsを取り扱っているセレクトショップも多い。詩羽さんが言ったように、人と違うことに対して寛容な表参道・原宿の街との相性が良い気がするのだが、坂部さんはどのように感じているのだろうか。
坂部「“原宿っぽい”は精神と結びついている」
坂部:それは僕も感じています。他の街とは売れ方が実際に全然違う。渋谷と比較しても不思議と反応が全く違うんですね。神宮前に直営店を出したのも物件が決め手になったのは間違いないけど、ブランドとの親和性の高さもそうなんですよ。すごく相性がいい気はします。
当然、その相性の良さを坂部さんも感じ取っていた。公にもgroundsは“原宿の靴”というイメージがすでに出来上がっている気がするが、直営店「grounds STORE 001」がオープンしてからその印象はより強くなったように思う。
坂部:特に海外のお客さんも神宮前の直営店を訪れてすごく日本っぽいとか、東京っぽいと思ってくれる人が多いみたいで、素直に嬉しいですね。
インバウンドが爆増中のオモハラでも、groundsはその世界観とデザインで街の足元を席巻している。
さて、そんな中で進めてきた詩羽とのプロジェクトがいよいよローンチとなり、コラボシューズが発売される。アッパーには星の刺繍、ソールにもネオンカラーで星がプリントされている。詩羽が「夢に向かって1歩踏み出してほしい」と願いを込めた1足だ。ハイクオリティな質感と独創的なデザイン、そしてファンシーさがミックスされたデザインは、一段と原宿との相性も良さそう。その手応えは?
詩羽:一見すると、派手だなあと思うかもしれないけど、原宿で履いてたらなんの違和感もないと私的には思います。
坂部:僕も靴だけのデザインでいったら本当にこれは原宿で、昔から今までを通しても、「原宿っぽい!」って多分、どの人も思うものだと思います。
二人ともその仕上がりに満足と自信をのぞかせてくれた。オモハラエリアとの相性はお墨付き。最後に、コラボシューズを手にとりその足を入れるであろう、表参道・原宿の人へメッセージをもらった。
詩羽:蛍光カラーやエッジの効いたデザインのアイテムを好んで履いている人が多い街だと思うので、もし恥ずかしかったらまず原宿で履く(笑)。そうやって自分の体になじませていくのも良いんじゃないかな。
坂部:ファッションってトレンドがどんどん変わっていくものなんですけど、“原宿っぽい”と表現される印象のものがずっと変わらずありつづけているのは、もはやトレンドというよりも言わば東京における“新たな民族衣装”みたいなものなんじゃないか。と。時代ではなく、もっと精神的につながっているような、独特のカルチャーですよね。そこにすごくつながってる靴が、詩羽さんによって出来上がった気がします。
表参道は街のランウェイ。そう言われていた時代から脈々と続く“原宿っぽさ”を具現化したgroundsと詩羽による特別なシューズを履いて、ぜひオモハラの街を闊歩してみてほしい。
コラボシューズ制作の詳細を二人が語るインタビューの全編は、groundsオフィシャルサイトの特設ページへ。
■概要
オーダー:2024年3月16日〜4月15日
ストア試着期間:3月22日〜4月2日
デリバリー:2024年10月末
設営場所:grounds STORE 001
住所:東京都渋谷区神宮前5-18-14
営業時間 12:00〜19:00
定休日:水・木
Photo:Hayato Takahashi
Interview & Text:Tomohisa Mochizuki(OMOHARAREAL)
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