2012春夏NYコレクション総括「トレンドよりもスタイル」注目の7ブランド
2011年10月13日 12:00 JSTクリエーションの冒険がランウェイを劇場に変えた。2012年春夏ニューヨークコレクション(9月8~15日)では華やかな色使いや柄の競演が目を楽しませた一方で、デザイナーの飽くなき創造意欲が静かに火花を散らした。これまでの成功法則を超えて、さらなる表現の可能性に挑んだ7ブランドを通して、NYモードの新地平を見渡してみた。

■Jason Wu(ジェイソン ウー)

クチュリエの繊細な手仕事でファーストレディー(ミシェル・オバマ米大統領夫人)さえも虜にした「Jason Wu(ジェイソン ウー)」。優美なカッティングを象徴する夜会向きのドレスは最も得意とするところだ。しかし、ハーフスリーブの黒ジャケットとグレーのショートパンツというファーストルックや、マイクロミニボトムでもボウタイやクラッチバッグで合わせ、グッドレディーのたたずまいに仕上げ、ハイエンドなムードを陰らせてはいない。
ナイロン素材を使用し、シャイニー感を生かして、軽やかで行動的なイメージを寄り添わせ、ウインドブレーカーのようなカジュアルアイテムもリュクスなオフスタイルに落とし込んで見せた。スカート裾の丈を前後左右で変えたり、裾を躍らせたりして、膝周りに動きを出した。繰り返し登場させた、モノトーン系の花柄プリントは色目をシックに抑えながらも、上品なフェミニンを薫らせていた。
はかなげな薄手の淡いピンクのドレスは羽衣のように身体を包む。襟元のボタンをきっちり上まで留めたブラウスルックはボトムの遊びを引き立てる仕掛け。色は黒やグレーをベースに据えて、シャルトリューズ(淡い黄緑)を差し色に使った。
■DEREK LAM(デレク ラム)

カラーブロッキングを操り、色を躍らせた「DEREK LAM(デレク ラム)」。流麗なシルエットのあでやかなドレスはNYコレクションの華となって久しい。今回はミッドセンチュリーのイメージを軸に、オレンジ、イエロー、コーラルなどのカラーを重ね、ランウェイを華やがせた。
万華鏡をのぞき込んだような幾何学模様もドレスを彩り、カラーブロックとともに動きを演出した。色や柄をふんだんに用いながらも、しなやかなフォルムとすっきりした配色でデレクらしい上品でモダンな装いにまとめ上げている。
スポーツウエアを連想させるようなシャープなカッティングが相変わらず冴え渡った。革の風合いを生かした、ブラウンレザーのワンピースやジャケットにアーリーアメリカンのウエスタンムードが漂う。ドレープが艶美なドレスにもレザーをあしらい、リュクスを忍び込ませた。
■3.1 Phillip Lim(3.1フィリップ リム)

「3.1 Phillip Lim(3.1フィリップ リム)」は薄いライラックや淡いオレンジを重ね、心なごませる装いを披露した。身体を締めつけないスラウチなウエアは、重力を手玉に取るようなエアリー感で肌にフレンドリーだ。
膝丈のたっぷり幅のキュロットショーツは、洗練されたスポーツの薫り。気取らないシンプルな仕立てに、はかなげなソルベカラーを乗せて、アッパーピープルの休日・リゾートスタイルを描き上げた。
ナイロン素材の光沢感あるパンツルックやデコルテドレスは濡れた一枚布が素肌を覆ったようななまめかしさ。白い帯状の縦ストライプが透けるパンツスーツや、裾の正面に切れ込みを入れたパンツなど、視覚的なアクションを生かす着想も光った。
