【コラム】メルセデス・ベンツが東京コレクションを変える
2011年07月24日 21:00 JST高級車ブランド「Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)」(ドイツ)は世界のファッションウィークを支えるビッグスポンサーだ。既に4大コレクションの一角であるニューヨークをはじめ、ベルリン、マイアミ(水着)、ロシアの各ファッションウイークを支援していて、新たに「東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW)」の冠スポンサーにも就いた。

「JFW」のメインスポンサーに決まったのは、日本法人の「メルセデス・ベンツ日本」。次回の10月開催から、イベント名も「Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO(メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京)」に衣替えする。この名前は珍しいものではなく、一般に「ニューヨーク・コレクション」と呼ばれるイベントも正しくは「Mercedes-Benz Fashion Week」という名前だ。

旧東京コレクションを強化し、海外への発信力を高める狙いで、2005年から始まったJFW。しかし事業仕分けの判断を受けて国からの財政支援が大幅に減り、資金難に陥っていたところへドイツから救いの手が差し伸べられた格好だ。リッチ層愛用の「メルセデス・ベンツ」は、ファッションイベントともイメージ面での相性が抜群。新パトロンとして品格、資金力ともに申し分ない。
「メルセデス・ベンツ」が冠スポンサーになるメリットは資金面だけではない。東京コレクションが「Mercedes-Benz Fashion Week」の国際的なラインアップに加わることによって、海外での認知度が上がり、グローバル企業の支援・協力が得やすくもなる。NYでは「American Express」や「Starbucks」、「DHL」、「Maybelline New York」、「W Hotels Worldwide」などが運営をサポートしている。
JFW時代の2010年から、スポーツやエンターテイメント分野で世界最大のマネジメント・イベント運営企業「IMG」とスポンサーシップ販売代理店契約を結んでいたのが、「メルセデス・ベンツ」のスポンサー獲得につながったようだ。IMGは世界の主要コレクションと提携していて、世界の有力企業とネットワークを築いている。もちろん、「メルセデス・ベンツ」とも息が合っているので、この先はメインスポンサーとマネジメント・PRの連携性が高まる点も今回の冠化の期待ポイントと言える。
国内企業からスポンサーが現れなかったのは残念にも見えるが、実はNYコレクションも以前は日本のカメラ・光学機器メーカー「オリンパス」が冠スポンサーだった。2004秋冬から2007年春夏コレクションまでメインスポンサーを務めた。この間は名称も「Olympus Fashion Week」だった。2007-08年秋冬からは「オリンパス」に取って代わられるまで冠スポンサーだった「メルセデス・ベンツ」が再び冠スポンサーに復帰して現在に至っている。
日本企業として今なお海外ファッションウイークをスポンサードしているのは「キヤノン」。ロンドン・ファッションウイークのメインスポンサーだ。韓国企業では「LG」がカナダのトロント・ファッションウイークの冠スポンサーになっている。

東コレでメイン会場となる六本木ミッドタウンの向かいに、「メルセデス・ベンツ」の情報発信拠点「Mercedes-Benz Connection(メルセデス・ベンツ コネクション)」が7月16日、18カ月限定でオープンした。カフェやレストランラウンジ主体の新コンセプト施設で、東コレ期間中は関連イベントの舞台にもなる見込みだ。
次の2012年春夏コレクションは、10月に東京ミッドタウン他、都内各地を会場に開かれる予定だ。業界関係者以外に一般来場者を受け入れる試みも始まるといわれているので、東コレの変化を目撃しに出掛けてみてはいかがだろうか。
(文:ファッションジャーナリスト 宮田理江)
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