シンガーMEGが活動10周年 ジャケットで辿る"愛され"ファッション史
2012年10月03日 21:00 JSTファッションアイコンでシンガーのMEGが10周年を迎えました。フランスでの活動を経て2012年春、メジャーデビュー10周年の幕開けとともに国内での活動を再開し、約2年ぶりとなる待望のフルアルバム「WEAR I AM」を今日10月3日自身の誕生日に発売。デビュー当初から楽曲だけではなく、ジャケットのアートワークでも注目を浴びてきたMEGは、今作で英国ブランド「ELEY KISHIMOTO(イーリー キシモト)」とコラボレーション。発売前から音楽界だけではなくファッション界でも話題になりました。

「WEAR I AM」の発売とMEGの活動10周年を記念して、ジャケットのアートワークに改めて注目。MEG自身のコメントも聞きつつ、ナチュカワ〜エロポップ〜大人モードへと変遷していくMEGの10年間を振り返りましょう。
「MEGのナチュカワ期」
スキャンティ ブルース - 2002年07月10日 -

ワーナーミュージック・ジャパン(当時はイーストウエスト・ジャパン)からリリースされたデビュー曲「スキャンティブルース」。初期は大文字ではなく小文字の「meg」だったんですね。作曲は、渡辺美里や吉川晃司ら大御所の楽曲を手がけてきた岡村靖幸。自身もロックミュージシャンとして活躍していた岡村靖幸は、最近ではHPがユニークということでネットユーザーの間でも話題になりました。ムーディなハウス・チューンとMEGの甘い歌声がマッチした同曲のジャケットで、MEGが着用しているのはリボンがたくさんついた白いキャミソール。素肌ぽいメイクにストレートヘアととことんナチュラルですが、ポージングがかなり挑発的ですね。
イケナイコトカイ - 2002年9月11日 -

「スキャンティ ブルース」に続いてリリースされたセカンドシングル「イケナイコトカイ」。前作で作曲を手がけた岡村靖幸が1988年に発表した楽曲を、MEGがカヴァーしました。
ジャケットは、前回同様ノスタルジーを感じるフォトを使用。ランジェリーのようなキャミソール姿のMEG、背中に敷かれているのは薄いピンクのカーディガン。楽曲の「イケナイコトカイ」が反映されたような、心地よい背徳感が漂う仕上がり。「ジャケットアワードを初めて頂いたシングルなんです」と、MEGも思入れのある作品のひとつだとか。
ROOM GIRL - 2003年7月9日 -

デビューから約半年で発売されたファーストアルバム「ROOM GIRL」には「スキャンティ ブルース」や「イケナイコトカイ」、「光露」、そしてフリッパーズ・ギターの原曲をカバーした「GROOVE TUBE」も収録されたまさに初期MEGの傑作と言える1枚。手書きのロゴや明るい花が映り込んでいるジャケットは、これまでのうつろな印象からハッピーなイメージへと一新。肌見せも健全さを感じます(笑)。撮影は、今や映画監督としても活躍している蜷川実花。グアムで撮影したそうです。
甘い贅沢 - 2007年5月30日 -

一旦事務所を離れて自主レーベルで活動していたMEG。その間、2010年には森ガールブランドNO.1に選ばれたウィメンズブランド「CAROLINA GLASER(カロリナ グレイサー)」を立ち上げるなどファッションシーンでも活躍。8枚目のシングルとしてリリースした「甘い贅沢」は、本人曰く、自主レーベル最後の滑り込みシングルで、この後長期的にタッグを組むこととなる中田ヤスタカがプロデュースした初の楽曲です。ジャケットのないフォトディスク仕様で、3000枚限定で発売されたこともあり、MEGファンにとっては垂涎のナンバー。
白地に黒いドット、その上からさらにカラフルなチューリップを散りばめたテキスタイルのワンピース。当時、「古着なのか?カロリナのものなのか?」とファンの間では憶測が飛び交っていたとか。ポージングは、手の絡め方がちょい"エロ"。ここからMEGの新しい歴史が幕を開けます。
「MEGエロポップ期」
OK - 2007年10月3日 -

「甘い贅沢」の発売から約5ヶ月。ユニバーサルジャパンに移籍して初のシングルとして「OK」をリリースしました。MEGが作詞、蔦谷好位置作曲、中田ヤスタカが編曲を手がけた「OK」は、両思いの恋人に会いに行くワクワク感を歌ったポップチューン。かなり話題となったヴィジュアルを見たという人はかなり多いはず。腰元の極端に短いフリルに赤のボーダーパンツ姿でハートにまたがる姿はかなりセンセーショナルで、原宿に貼られたポスターが大量に盗まれるなど、大きな話題になりました。

2010年には「OK」のジャケットをモチーフに、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の人気キャラクター式波・アスカ・ラングレーがハートにまたがったヴィジュアルが公開。後にTシャツとして販売され、わずか数十分で完売したそうですよ。
2005年に大文字に名前を変更したMEGは、「この曲ではポップなキャラクターを表現。名前を大文字に変えたのがとてもうまくデザインにもはまった作品」とコメントしています。
HEART - 2008年5月7日 -

「HEART」はエレクトロ・ポップな曲調のなかに、キュートな言葉が詰め込まれたガーリーな一曲。国内外総合のビデオチャートで1位を獲得したPVには、ギンガムチェックのワンピースにフリルのエプロンをしたMEGが登場しています。ジャケットは、「ピンナップ風。エアメールの糊の部分にスカートがくっついてしまった」という設定で撮影。PVと合わせて、MEGはラベンダー色のブロックチェックのワンピースを着用したレトロな雰囲気。と思いきや、ガーターベルト付きの透け透けニーハイソックスでかなりセクシーに攻めています。MEGによると「この頃は合成じゃないきちんとした作り物にこだわっていて、このレターは一番うすくて倉庫に収納しやすかった」とのこと。
PRECIOUS 初回盤 - 2008年9月17日 -

MEG×中田ヤスタカのタッグに、この楽曲で新たに加わったのが野田凪。アートディレクター、映像ディレクター、アーティストとして活躍し、2008年9月7日に享年34歳でこの世を去った野田凪からのアプローチで実現し、遺作となったジャケットとムービー作品。MEGも「黒に映える衣装と小道具。色のトーンが好きです」と渾身の一作。全身黒タイツ男子がMEGや椅子を支えてつくる不思議な世界観ですが、シャイニーな黒タイツなので完全に隠れきれていないという"あえて"の注目すべきところ。MEGがもっとシャイニーなベルベットのミニドレスに身を包んでいるので、アートのような作品にまとまっていますね。
BEAUTIFUL 通常盤 - 2009年5月27日 -

MEG6枚目のアルバム「BEAUTIFUL」は、中田ヤスタカによる完全プロデュースで制作。iTunes Music Storeで1位を獲得するなど、ファンにとってもかなり評価の高い作品になりました。同アルバムでは「音に生っぽさが増えてきたことを、写真でも表したくて。スタジオではなく、家具屋さんの物置で撮影しました」とMEG。「MEGのナチュカワ期」にかなり多様していた白色をベースに、豪華なミニドレスをセレクト。背景の雑多な物置とのコントラストで、華やかさが際立っています。

ちなみに、2009年から2010年にかけては企業やブランドとのコラボも多数。「ユニクロ」や「Lomography JAPAN」、「iPhone (Softbank)」、「FRAPBOIS」そして先ほども触れた「エヴァンゲリオン」など。なかでも「タカラTOMY」の着せ替え人形りかちゃんとのコラボレーションは、プロモーションに出てきたり、MEG特製のりかちゃんが作られています。アルバム収録曲の「FREAK」や「BEAUTIFUL」に登場するので気になる人は是非。
SECRET ADVENTURE - 2010年4月28日 -

1年2ヶ月ぶりに再び中田ヤスタカと組んでリリースされたニューシングル「SECRET ADVENTURE」。フォトグラファーはニューヨーク在住で広告など多く手がけるMIKOLIM。デニムのショートパンツにカットソーとこれまでにないほどシンプルなスタイリングでジャケットを飾りました。お尻を強調して、脚見せする"MEG"ポーズがお馴染みになってきましたね。「曲もジャケットも全体的にまとまりの良い作品」とMEG。
「MEG大人モード期」
BEST FLIGHT 初回盤&通常盤 - 2010年9月29日 -

2010年に発売された「BEST FLIGHT」は、過去3年間に発表したCD全作品のタイトルが入ってるベスト盤。制作段階から"極限までこだわり抜いた"というMEGのこだわりが作品に詰まっています。一方でこのアルバムを最後に、日本での音楽活動を休止することを発表。フランスを活動拠点に移すためにユニバーサルレコードを卒業しました。
そんな思い入れの大きなベスト盤ですが初回盤は、肩がポイントのモードなドレスに黄色いオープントゥのウェッジソールサンダルをスタイリング。これまでよりぐっとドレッシーな装いが特徴です。その姿で赤い消化器を一蹴。撮影したのは「SECRET ADVENTURE」からずっとタッグを組んでいる、MIKOLIM。MEGは「偶然そこにあった消火器を使いました。彼は動きがあってビビットな写真が好みなので、現場では彼のペースにまかせて撮影してあとでデザインを考えます」と信頼をしているのだとか。一方通常盤は初回同様パススリーブで肩を強調したモノトーンドレスをセレクト。「この頃は白やモノトーンが気分。シークレットアドベンチャーからベストフライトまで、一連の流れが並べてみても美しくなるようシリーズ化するよう心がけた」と語っています。
TRAP 通常盤 - 2012年6月13日 -

日本を離れフランスで活動したMEGが、日本帰国後キングレコードに所属し活動を再開。6月13日ニューシングル「TRAP」は、約10年振りに岡村靖幸とタッグを組んだことで話題となりました。また、編曲は大沢伸一が担当。完成した曲は、初期のファンから賞賛を浴びました。
ジャケットの衣装は、MEG自身がはまっているという折り紙をモチーフに特注で制作されたもの。初期の頃によく着用した白ですが、「TRAP」では濃いめの白というのが特徴。とげとげとしたパワーショルダーで、新しいMEGのファッションを発信しているようです。実はこれ、「本物のペーパードレス」という。一番好きな色だという「白」には、心機一転という思いも込められているそうです。
WEAR I AM - 2012年10月3日 -

最新アルバム「WEAR I AM」には、「TRAP」を手がけた岡村靖幸&大沢伸一の他、中田ヤスタカ(capsule)や前山田健一、☆Taku Takahashi、小西康陽ら豪華アーティストが参加しています。そして初回盤は、「ELEY KISHIMOTO」のフラッシュ柄のテキスタイルを布張りしたボックス仕様にした豪華版。「ELEY KISHIMOTO」による未発売の特別デザインのドレスを着用している。膝上の丈に同じ柄の靴下を履いて、肌の露出は抑えめですが、"大人"という言葉がふさわしいポージングは健在です。MEGのファッションとともに、進化し続けるジャケットのアートワーク。ナチュカワ〜エロポップ〜大人モードへと進化しつつも、東京のファッションアイコンとして"愛され"続けるMEGの今後のファッションにも注目ですね。
