「あのブランドも終了」大手アパレル各社がブランド大整理に乗り出す 今年は業界転換期?

 ファッション関連の大手企業でブランド・事業の見直しが相次いでいる。今月15日にはTSIホールディングスが子会社2社を含めた11ブランド、18日にはワールドが過去最大規模となる不採算10〜15ブランドの廃止を発表。専門店で構成する大型商業施設が増加したためSC型ブランドの新規開発や競争が激しくなっており、マルイなど売上仕入形式をとる施設の業態転換も加速し、館側は出店テナントの整理を行っていることから、業界内で2015年は大きな転換期になりそうだ。

 ワールドは2016年3月末までの今期中に、400〜500店舗を閉鎖する方針。廃止するブランド名や閉鎖店舗の立地は非公表だが、チャネル感の際がなくなり競合環境も多様化しているコモディティ業態(ショッピングセンター・駅・ファッションビル業態)については、商品感度と店舗鮮度の向上を課題にしているようだ。一方で、近隣小商圏型SCを中心に展開している「シューラルー(SHOO・LA・RUE)」、ニューミセス向けの「リフレクト(Reflect)」、駅ビルを中心に展開する「インデックス(index)」は拡大させていく計画で、事業の選択と集中に努める。

 今年2月末でフリーズショップ事業や「ナネット レポー」等の4ブランドを廃止したTSIホールディングスも今回さらに、LA発のセレクトショップを源流とした「プラネット ブルー ワールド(Planet blue world)」と2013年にデビューしたばかりの「ウィ, アヤノ リュバン(Oui, Ayano Ruban)」をそれぞれ展開する子会社2社、東京スタイルの「ブリジット」など5ブランド、サンエー・インターナショナルの「ボディ ドレッシング」や「レベッカミンコフ」を含めた4ブランドの事業を8月末で解消する。今年4月に発表した中期経営計画に基づき、これらブランドは収益貢献が困難であると判断したためで、約800名の従業員は転籍等による再配置か希望退職者も募う。

 2社以外に今年は、サザビーリーグが10年以上続けたコンセプトショップ「アンドエー(And A)」の事業を8月末までに終了することを決定。オンワード樫山は2015年2月期までに、ダナキャラン事業のライセンス契約、「ディップドロップス(Dip Drops)」など一部の自社ブランド、きもの事業を終了しており、関係会社のバーズグループは今期から14あったブランドを主力3ブランド体制に集約した。

 ブランド・事業の廃止の他にも組織再編が進んでおり、基幹ブランドの立て直しを図っているマークスタイラーは香港のファンド系企業の傘下入りを果たした。複数のブランドでプロデューサー制を廃止しているほか、2月には「フレッド・シーガル(Fred Segal)」事業をコンサルティング企業に譲渡すると共に、「ヴァルヴィート エイティーワン(valveat81)」の営業を終了させている。また「RESTIR」やウィメンズのオリジナルブランド「ル シェル ブルー(LE CIEL BLEU)」などを展開するリステアホールディングスも、トゥモローランドの子会社となっている。 

 国内の景気は緩やかな回復基調で推移し、矢野経済研究所調べによる2013年のアパレル総小売市場規模は前年比101.4%の9兆2,925億円と若干拡大しているが、2014年度に入って個人消費は、消費税率の引き上げや円安による原材料などの輸入コスト増加に伴う物価上昇が影響。アパレル業界も消費者の節約思考を受け、全般的には厳しい状況が続くと各社は予測している。