違法?合法?他人のインスタ写真を無断使用した作品が約1千万円で落札 アート界に物議

Doe Deereの公式インスタグラムより(日本での展示はない)
Doe Deereの公式インスタグラムより(日本での展示はない)

 アメリカ人アーティスト、リチャード・プリンス(Richard Prince)による他人のインスタグラム画像を使用した作品が、約1,000万円の高額で落札され海外メディアを中心に物議を醸している。同アーティストの展覧会「New Portraits」は、現在原宿のギャラリーでも開催しており、作品を5月30日まで実際に見ることができる。

 問題の作品は、赤の他人のインスタグラム画像がキャンバスに転写されており、コメント欄のみ同アーティストによって手が加えられたというもの。米FOXニュースによると、全37作品中の一部は去年、NYで開催された個展で約1,000万円前後の高額で落札されたという。メイクアップブランド「Lime Crime」の創業者で自身のポートレイト画像が使用されたDoe Deereは、先週インスタグラムで「それは私が投稿したポストのスクリーンショットよ。(ペインティングじゃないわ) 私は許可していないけどリチャード・プリンスは結局展示して作品は売却されたみたい。でも別に彼を追求するつもりはない」と画像が無断で使用されたことを明らかにした。これに対し、ネットユーザーが反応。実際、インスタグラムに投稿された画像は転用が可能で、著作権侵害には当たらない(※)が、この規定をうまく利用したプリンスに対し「天才的なアイデアだけど絶対的に間違っている」と、画像を無断使用し高額で落札されたという事実に憤慨する声が多く上がった。

 プリンスは、ホイットニー美術館やグッゲンハイム美術館など多くの美術館で個展を開催してきた著名な現代アーティストだが、既存アートを流用する作風で度々物議を醸しており、去年も著作権を巡ってフォトグラファーから訴えられたという。現在開催中の展覧会のホームページでは、「プリンスの(作品中の)コメントは、彼こそが原作者であることを宣言しています。絵画と写真、イメージとテキスト、著作権と表現の自由といった概念が融合していくうちに、 これらのポートレイトは作家自身の作品へと成り変わって行きます」と紹介している。

※ 当事者による申し立てで著作権が保護される場合もある。著作権について詳しくはインスタグラムのコミュニティガイドライン(https://help.instagram.com/477434105621119/)に記載。