三越伊勢丹HDの次期社長が初会見、杉江俊彦「社内の対話を大事にしたい」

杉江俊彦 取締役専務執行役員経営戦略本部長
杉江俊彦 取締役専務執行役員経営戦略本部長
画像: FASHIONSNAP

 三越伊勢丹ホールディングスの次期代表取締役社長執行役員に就任する杉江俊彦取締役専務執行役員経営戦略本部長の初会見が、3月13日に都内で開かれた。4月1日付けの新体制について杉江氏は、経営戦略の基本的な方向性は変えず構造改革に本腰を入れると共に、改善点としてグループ内における「現場との対話」の重要性を強調した。

 杉江氏は1961年生まれの56歳。慶應義塾大学法学部を卒業し、1983年に伊勢丹に入社。営業本部では部長として伊勢丹新宿本店1階の服飾雑貨フロアや地下1階の食料品フロアのリモデルを担当した。2016年から現職。トップ交代の経緯について杉江氏は、大西洋代表取締役社長と石塚邦雄代表取締役会長執行役員が、2018年に掲げていた営業利益500億円の達成を、百貨店事業の業績悪化により断念したことの責任を取る形で辞任に至ったと説明。3月7日の取締役会の前に、次期社長の任命を受けたという。3月13日の会見で発表された新しい役員体制では48歳の女性役員を起用するなど「若返りを図った」(杉江氏)とし、大幅に刷新していく姿勢を示した。

 経営戦略については基本的に踏襲するが、杉江氏はグループ内の現状から「コミュニケーションが不足している」と指摘し、役員や中間管理職といった「現場との対話」を重視して、風通しが良く従業員が働きやすい環境作りを課題とした。また「百貨店は素晴らしい事業モデルだが今の時代に対応できていない」とし、事業の選択と集中を更に強化する。特にEC事業の収益向上は急務で、店舗とオンラインの2本柱で百貨店事業の立て直しを図る。百貨店事業以外では、不動産を最大限に活用。大西社長からは兼ねてから「経営戦略を任されていた」ということもあり、トラベルや飲食、ブライダルといった事業も継続して推進する。

 大西社長と異なる戦略としては 成長戦略ではなく構造改革から推進するなど経営の優先順位を変える。2020年に延期された営業利益500億円の目標については一旦据え置き、5月の決算発表もしくはそれ以降に改めて公表する予定。杉江氏は「今の百貨店モデルでは生き残っていけない」とし、内部から見直してグループの成長を目指していくという。