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【レポート】ファーストリテイリング、海外の好調により増収も為替等の影響で減益に

カジュアルウエア小売店「ユニクロ」などを運営するファーストリテイリングの2016年8月期連結決算は、海外事業がプラス成長したことで増収を達成した。円高による為替差損の発生、減損損失の計上等により減益に至った。「GU」(ジーユー)業態を展開するグループ企業のジーユーが増収増益を達成し、収益に貢献した。

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2016年8月期 財務諸表(表1)

下期は増益に、「海外ユニクロ」「ジーユー」が後押し

通期の連結売上高は1兆7,864億円(6.2%増)、営業利益は1,272億円(22.6%減)。為替や減損損失など外的な要因の影響を除いた「事業利益」は1,620億円(8.3%減)だった。販管費率は減少したが、売上高総利益率(粗利率)の低下が影響した。それに伴い、税引前利益、当期利益も減益に至った(表1参照)。期末の総店舗数は3,160店(182増)。うち、国内ユニクロが837店(4減──FC含む。ミーナ事業、グラミンユニクロ事業は除く)、「ジーユー」が350店(31増)。

売上増に貢献したのは、主に海外ユニクロ、グローバルブランド(表2参照)。海外ユニクロの売り下比率は36.7%(0.8ポイント増)と高まった。グレーターチャイナ(中華圏)が売上高3,328億円(9.3%増)と好調だった(営業利益は365億円、5.5%減で減益)ほか、東南アジア、オセアニア地区、欧州が貢献した。米国は店舗の減損損失の影響もあり苦戦した。海外ユニクロの期末の店舗数は958店(160増)。

グローバルブランドでは、ジーユーが売上高1,878億円(32.7%増)、営業利益222億円(34.8%増)と増収増益を達成した。レディスのトレンド商品が好調で、下期の既存店売上高は2ケタ増だった。

国内ユニクロ事業は、売上収益が7,998億円(2.5%増)と堅調な推移だった。粗利率の減少、販管費率の増加で営業利益が1,024億円(12.6%減)と減益になった。既存店ベースの売上高は0.9%増とほぼ前年並み。客数は4.6%減だったが、客単価が5.8%増とカバーした形だ。Eコマースの売り上げが421億円(30.1%増)と順調に伸びている。上期(9-2月)は苦戦したが、下期──春夏商戦は健闘した(既存店ベースで4.9%の増収)。

グローバル展開見据え、組織改革を推進

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2016年8月期 グループ事業別業績(表2)

同社の柳井正 代表取締役会長兼社長は今後、「情報製造小売業になる」という目標を掲げる。"顧客中心主義"により、顧客の要望に速やかに対応できる体制整備を推し進める。国内10カ所にある物流センターも稼働し始めているそうで、「最終的に目指しているのは、工場から顧客へ直接、商品を届けること」(柳井氏)だと説明する。来春をめどに有明へワンフロア5,000坪の新オフィスを開設し、新しい体制構築の模索、検証を始める。

海外ユニクロをさらに成長させると共に、ジーユーを第2の柱とするべく、売上高1兆円を目指し、グローバル化を推し進める。Eコマースも強化ポイントの1つで、中期的には売上比率の30%まで高める方針だ。

一方、好調な推移のジーユーでは、「国内での大量出店、アジアを主体とした海外展開」(ジーユー、柚木治代表取締役社長)に力を入れる。商品面では、主軸にしてきたレディスアイテムに加え、「メンズやキッズもこれから大幅に強化していく」(柚木社長)。海外でも、「日本独自の企画で勝負する」(同)。

通期の業績は、連結売上高1兆8,500億円(3.6%増)、営業利益1,750億円(37.5%増)、税引前利益1,750億円(93.9%増)の増収増益を計画している。

(樋口尚平)