繊研新聞社 記者

東コレ前半戦「素敵だったブランドはコレ!」

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こんにちは。

繊研新聞というファッション業界の業界紙で、東コレの担当記者をしている五十君花実です。

今シーズンは、繊研の出稿の無い1日だけこちらで書かせていただくことになりました。

繊研の方で既に掲載したブランドについて書くスタンスですので、今回は「東コレ前半(17〜19日)総括」とさせていただきます!!

前半戦でぐっと心をつかまれたブランド、まずは「コシェ」!(ファッションスナップさんではコーシェ表記ですが、繊研はコシェ表記なので今回はコシェで統一させてください)

誰でも見に行けるショーだったので、実際ご覧になられた方も多いでしょう。

私も会場で、バイヤーさん、PRさん、ライターさん、とんちゃん通り勤務の販売員さん等々、色んな方に会いました。

上司の小笠原が16年春夏にパリでショーを見て以来、「コシェがやばい...!」とずっと申しておったんですが、正直日本の店頭に入っているピースを見るだけでは、そのすごさが私には伝わってきておりませんでした。

お値段の関係で、ショーに出てくる全てのピースがそのまま店頭に並ぶわけではない、ってのがその最大の理由だと思います。

でも、今回実際にショーを見て、猛烈にエモーションを揺さぶられました。パリでショーを見た人がみんなコシェに魅了される理由が分かった。

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まず前提として1点1点が美しい。

そして、ポジティブで自由なパワーに溢れていました。

「ファッションって楽しいものでしょう?みんなファッションを楽しもうよ!」というコシェのメッセージを強烈に感じた。

コシェやロンドンの若手に代表される"ユース"(インディペンデントな若いデザイナー)のムーブメントが、ここ数シーズンで世界的に広がっています。 それって、窮屈になったファッション業界に対する一種の異議申し立てなんですよね。

ヨーロッパはラグジュアリー企業の寡占化が進んで、実力があろうと、90年代までのように新人がインディペンデントなままで駆け上がっていくことは難しい時代です。

シーズン毎にデザイナーの首はポンポン変えられるし、もはやバッグを売るために服が存在してんじゃないの?というムードもあるし、なんかもう「ファッションって一体誰のものなんだろうね?」状態になっている。


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写真:大原広和

そこへのアンチテーゼとして、コシェの「ファッションはラグジュアリービジネスが相手にするような一部のお金持ちのものではなく、おしゃれを楽しみたいあなたのものなんだよ」というメッセージが刺さるんでしょう。

日本も、インディペンデントなデザイナーブランドが世に出るのがどんどん難しくなっています。そもそもここ数年、ファッション業界全体が同質化や売り上げ不振で閉塞感に包まれている。

そういう状況に対しても、「ファッションは本来自由でポジティブなもの。みんなもっとファッションを楽しもうよ!」というコシェのメッセージは強烈に刺さりますよね。私は刺さりました。

>>KOCHÉ 2017年春夏コレクション

さて、コシェだけではありません。

ウィーク前半だけでも、心をガッツリ掴まれたブランドが他に2つあります。

まずは「ウジョー」!

15〜16年秋冬頃から、繊研社内や仲良しのファッションディレクター萩原輝美さんとの間で、「ウジョーがいい!ウジョーがいい!!」という話になっておったのですが、あれよあれよという間に16〜17年秋冬にアルマーニの若手支援枠でミラノでコレクションデビューされました。

そして今季の東京だったのですが、すっごく素敵でした。

繊研のレビューにも書いたんですが、ユーティリティーウエアとかスポーツといった要素が入ってるので、リアルに感じられるんですけど、布が流れる感じとか揺れる感じがきれいだから(熟達したパターンメーキングの成せる技)、カジュアルな服でも受ける印象がすごくエレガントなんですよね。

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ショー翌日に展示会にもお邪魔したんですが、ショーの時に「この服すごくきれいだけど、どういう作りになってるんだろう?」と思った服が、実際間近で見ても「どうなってるのか解明できない...!」という凝ったパターンで、驚愕しました。(でも決して重々しい服というわけじゃないんですよ)

服って、こうやって形にしていくものなんだな〜と、記者歴11年目にして改めて思いました。←遅いよ。

そしてスカート買っちゃった☆

>>Ujoh 2017年春夏コレクション

そして、心を掴まれたブランドのもう1つは「ミントデザインズ」!

ミントとして新境地(と言えると思います)のストリートスタイルで、すごく可愛かった!

ミントって、凝ったテキスタイルが毎シーズン魅力的です。

ただ、麥田さんも書いていらっしゃるように、テキスタイルでの表現に寄りすぎてるなーと思うシーズンもかつてあったりしました。

そして、クリーンで知的な感じにイメージが固定されているなーと思ったりすることもあった。それももちろん可愛いし、顧客さんはそういうものを求めているのかもしれないけど、記者って勝手な職業だから、常に新味を探してしまうんですよね。

でも今回は、そういう個性的なテキスタイルやクリーンな感覚といったミントならではの魅力を保ちつつ、新しいイメージに踏み込んでいらしたと感じました。

ストリートクチュールみたいなムードとか、ギャザーで布を流す感じ、フリルの装飾、透ける素材の重ねといった要素は、ドンズバで今季のトレンドにもはまってくるものです。

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ファッションである以上、トレンドからは逃れられないし(その拘束力は弱まっているとはいえ)、トレンドって時代の気分みたいなものだから、感覚の鋭い人がもの作りしてたら自ずとそこに収れんされていくものだと思います。

一方で、「トレンドだけとりあえずやりました!」だったら、企業がやってるブランドでいいわけです。

要はトレンドをどうブランドらしく咀嚼していくかが重要だし、ショーを見る時にもそういう点を考えるんですが、今回のミントはまさにそれがうまくはまってたな、という印象です。

可愛かった!

それでは!!!

>>mintdesigns 2017年春夏コレクション

五十君 花実