アナログフィルターJournal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)編集長

ドーベルマン・インフィニティSWAYが登場 そして「意外に東京元気じゃん」

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「劇団EXILE」のメンバーで「ドーベルマン・インフィニテ(DOBERMAN INFINITY)」のMC、 SWAYこと俳優の野替愁平さんが、「コートメール(COTE MER)」のショーに登場した。コートメールとは浅からぬ仲とのことで、参加することになったそうだ。自らの音楽とファッションへの想いについて、ショーの前にインタビューした。

Q.コートメールのショーに出る事になったきっかけは?

実は21歳の頃、地元・札幌の服屋さんで働いていた時に、店でコートメールのパンツを扱っていたのです。その後、東京へ来てインスタでレザーのベストを見て、とても気に入り、それからドーベルマンのステージ衣裳にも使わせていただきました。

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Q.今、服が売れない時代と言われますが。

最近は服を作ることが簡単になって、やっている人が増えたのでは。音楽も同じで、楽器やミシンができないと駄目だったのが、それを手助けしてくれる店やコンピューターのお陰でみんなができちゃう。だけど、糸や生地へのこだわりなど好きになるブランドには理由がありますよね。コンセプトがあり、例えばプリントに意味があったり、そういう物は売れていると思います。やはり見たこともない物を見たいですし、初めて見たものにカッコイイと反応します。

Q.ショーには、どんな気持ちで臨みますか?

コートメールは深夜まで話し合って作り上げてきた、その苦労が少しでも報われるようにしたい。洋服が主役のショーですから、一番見やすい角度で表現したいと思います。

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Q.音楽とファッションって親和性ありますよね?

バチバチあります(笑)。デザインする事、演じる事、そして表現する事は、音楽は言葉で、洋服は着て表現するし、デザインそのものがメッセージだと思います。その時の気分が知らないうちに自然と出ていて、音楽も服も気持ちとリンクしているところが共通です。

Q.世の中はファストファッション流行りですが。

今でも覚えている感覚があるのですが、以前6000~7000円位するキャップのブランドが500円でセールされていたのです。好きなブランドだったけど、買わなかった。働いて7000円で買ったら大切にするだろうけど、500円で買ったらラッキーとは思っても大事にしないと思うのです。頑張って働いて、自分のお金で買う価値観が大切で、マインドを上げる、モチベーションを上げてくれる1点になると思うのです。

Q.服や音楽を通じて人が変わるという事ですね。

1曲は5分位しかないですが、それを作るのに掛かっている時間は膨大です。ヒップホップは、アーティスト自身の生き様というか、どういう人なのかとか、そんな背景が分かった時に楽しくなる要素もあると思います。CDには歌詞カードが付いていて、言葉を聞いて感じてもらい、その意味や感情、秘密などを発見した時には更に価値が上がる。特にショーやライブは、こちらから一方通行でやるというより、同じ音楽と空間で一気に仲良くなれるツールだと思います。楽しんでやります(笑)。

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実直に話してくれる言葉ひとつひとつに音楽や服、ライブやショーに取り組む誠実さが感じられた。そして、ショーのフィナーレは先頭に立ってのウォーキングとなった。

>>COTE MER 2017年春夏コレクション

さて、1週間に渡って駆け巡ったウイークも最終日。

kubosan_20161023_02.jpg「サルバム(sulvam)」は「これでもか」と言わんばかりの勢いで、断ち切りやロックミシン、緩いシルエットのモード感全開服を走らせた(走らせたの表現が適格かと思う)。それはこの6月、パリの「ショールームトーキョー」でデザイナー、藤田哲平さんが鬼気迫る形相で語った東コレに自身のショーを「叩き付けないと気が済まない」という強烈な切迫感、そのものの表現だった。

>>sulvam 2017年春夏コレクション

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新ラインを出した「ネハン・ミハラヤスヒロ(Nehanne MIHARA YASUHIRO)」は、縄文期からあり、戦後一度途絶えた後、復活した大麻布を使ったモノトーンの三原流ナチュラル服の登場。「写楽」のプリントも日本の伝統へのオマージュだったのだろう。

>>Nehanne MIHARA YASUHIRO 2017年春夏コレクション

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「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」は、グッとシックになったが、超ドロップショルダーのテーラードジャケットやサスペンダーで吊るしたホットパンツという変態的アイテムが挑戦的で刺激的だった。

>>MIKIO SAKABE 2017年春夏コレクション

kubosan_20161023_04.jpg「ネーム.(Name.)」は、オレンジのトレンチコートに目が釘付けになった。インナーのキルティングをウエストから下に切り替えたようなコートもキャッチーだ。スプリングコートが秀逸だったと記しておこう。

>>Name. 2017年春夏コレクション

こうして1週間の闘いが終わった。心に灯ったフレーズは、「意外に東京、元気じゃん」。パリに旅立つブランドもあり、勢いを感じさせるブランドも、成熟感でほっとさせるブランドもある。そして展示会ベースでも実力のあるブランドも数多くあり、彼らがランウェイを通じて発信力を高め、更に飛躍するステージへとファッションウイークがプラットフォーム化すれば、決して東京の未来は暗くないと思った次第である。

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久保雅裕